自分磨き

「トイレで出産した17才未婚の母」は不幸だと思いますか?前編 【連載】なんで子供が欲しいの?#4

なんで子供が欲しいの?

前回の連載では、「人はなぜ子供が欲しいと思うのか」について考えてみました。

子供を欲しくて作る人がたくさんいる一方、意図せずに母親になる女性もいます。

ある日突然母親になったとき、人は子供を愛し、育てることができるのでしょうか。

若くして未婚の母親になった女性が、育児放棄したり虐待したりといったニュースがセンセーショナルにとりざたされる現代、「未婚の母」になることは「経済的にも精神的にも苦痛を伴う」といったネガティブなイメージが付きまといます。私自身もそんなネガティブなイメージを持っていた一人でした。先週までは。


先週、私は自分の家族観を揺るがす一組の家族に出会いました。


その家族には17才で未婚の母になった女性がいました。彼女は自宅のトイレで出産したといいます。どれほどの苦労や葛藤がこの家族にあったのだろう。彼女たちに出会う前、私はさまざまなドラマを想像していました。ですが、実際に出会った彼女たちは、私の想像を大きく裏切る生活をしていたのです。

今回は一組の家族のインタビューを通して、家族の形について考えていきたいと思います。


今回お話しを伺ったご家族

櫻井 理惠さん(43)カウンセラー。31才で離婚後、女手一つで二人の子供を育てる

櫻井 大珠さん(22)理惠さんの息子

櫻井 茉莉菜さん(19)理惠さんの娘。17才で愛美ちゃんを出産

櫻井 愛美さん(2)茉莉菜さんの娘


出産当日まで妊娠に気が付かず、自宅のトイレで出産

17才未婚の母

今回お話しを伺ったのは櫻井一家。

兄の大珠さん以外の三名の女性に編集部にお越しいただきました。


お話しを聞くことになった理由は、理惠さんの娘、茉莉菜さんが17才で出産されるという珍しい経験をお持ちだったためです。しかも、ただ若くして出産したというだけではありません。


「出産当日まで妊娠しているって気が付かなかったんです」

とあっけらかんと語る茉莉菜さん。


そんなことがあるのか!と本当に驚きました。

なんでも茉莉菜さんはバレー部のエースで、出産の直前まで大会に向けて練習をしていたというのです。その当時のバレーの練習をしている写真を見せていただいたのですが、ちょっとお腹周りがふっくらしている程度で、妊婦には見えませんでした。さらに、不正出血などがあったため、生理が止まっていることにも気が付かなかったようです。妊娠で出てきたお腹を「ちょっと太ったな」と想い、ダイエットをはじめようと思っていた矢先、自宅のトイレで娘の愛美ちゃんが生まれたのです。


現実にそんなことあるの?ドラマみたい!だと思いますよね?

これが実際にあった話なんです。


誰の子供として育てる?母親に迷いはない

出産するまで茉莉菜さんは妊娠に気が付いてなかったので、パニックになって母親の理惠さんを呼びました。

理惠さんは当時の様子をこう語ります。


「冬の寒い日の早朝のことでした。茉莉菜が私を呼んでいる声が聞こえて、生理でナプキンが切れてるのかな?って思って行ってみたら…そこには赤ちゃんがいて」


理惠さんは、20才で結婚、二人の子供に恵まれますが、結婚生活は10年目に破たんを迎えました。夜逃げ同然に家を抜け出し、実家に避難します。離婚話はこじれ、夫がストーカー化するなどの修羅場を乗り越えて以来、カウンセラーとして働きながら女手一つで茉莉菜さんを育ててきました。


「もちろん最初は驚きました。茉莉菜はこの若さですから、この赤ちゃんは私の子供として育てた方がいいんじゃないか、とも思いました」


理惠さんは、理惠さんの子供として赤ちゃんを育てる選択肢もある、と茉莉菜さんに提案しますが、茉莉菜さんは「なんで?」と取り合いませんでした。茉莉菜さんの心の中には、戸惑いはあったものの、愛美ちゃんを迎えられてうれしい、という気持ちがすでに芽生えていたのです。

誰の子供として育てる

茉莉菜さんの子供としてきちんと育てていく、と決意した二人は救急車で病院に向かいました。

理惠さんはこの経験から、緊急出産した方に伝えたいことがあると言います。


「茉莉菜の場合、トイレに胎盤を流しちゃったんですよね。でも胎盤って誰が子供を産んだか、の証明になるんです。胎盤がなくなると証明が難しくなっちゃいます。なので、胎盤は捨てちゃダメ、って覚えておいてください。まあ、そんなシチュエーションはあまりないと思いますけど(笑)」


赤ちゃんの顔を見たとき、理惠さんはすでに誰が父親か分かっていたといいます。赤ちゃんには茉莉菜さんの元カレの面影があったのです。ですが、この時点ですでに二人は別れていました。彼は茉莉菜さんが出産をしたと聞き、大喜びで理惠さんに会いに来て、「結婚させてください」と申し込みました。茉莉菜さんもその時点では結婚してもいいかな、と考えていましたが、紆余曲折あり、結局未婚の母として一人で愛美ちゃんを育てる決意をしたのでした。


※※※


ドラマよりドラマティックな話を語る茉莉菜さんは、不思議なほどほんわかとした雰囲気を持っている方でした。理惠さんも終始明るく、おばあちゃんになったとは思えないほど若々しく可愛らしい女性でした。

幸せな子育て

彼女たちはどのように愛美ちゃんを育てているのでしょうか?


連載の第五回目では、出産後の生活や想いについて、理惠さん、茉莉菜さんの想いをお伺いします。



≫NEXT

「トイレで出産した17才未婚の母」は不幸だと思いますか?後編

《バックナンバー》なんで子供が欲しいの?

・#1:「子供が欲しい」と積極的に思えない私はおかしい?


・#2:2人の子持ちが語る、子供を育てるメリット・デメリットとは?


・#3:「あんなふうになりたくない」29歳バレリーナが子供を望む4つの理由

  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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