自己肯定感

自己肯定感を上げる意外な方法。心の中にいる「幼い頃の自分」を育てよう

  • 更新日:2020/09/16

自分のことが好きになれず、「どうせ私なんて」とネガティブな感情に支配されてしまうことは、生きていれば誰にでも一度はあるでしょう。ただ、「自分のことが大嫌い」「自信が持てない」「こんな私は誰からも好かれるわけない」という状態がデフォルトの場合、人生はハードになります。そういったネガティブな気持ちに支配されてしまったら、たとえば何かをなしとげても「まぐれだ。この成功は続かない」と思い、他人からほめられても必要以上に謙遜したり、何か裏があるのではと勘ぐったりしてしまいます。


漫画家のわたなべぽんさんも、「自分のことが大嫌い」という自己肯定感の低い女性のひとりでした。『自分を好きになりたい。自己肯定感を上げるためにやってみたこと』は、そんなわたなべさんが、創意工夫しながら自己肯定感を高め、自分のことを好きになっていくまでを描いたコミックエッセイです。今回は本書を参考に、自己肯定感を高めるためのヒントをご紹介していきます。


厳しく支配的な母親からやっとの思いで逃れたけれど、過去の傷は残った

わたなべさんは、数々のヒット作のある漫画家さんで、優しい夫と幸せな家庭を築いています。まわりからは、「幸せそうな人」と思われていたことでしょう。


しかし、わたなべさんは何に対しても自信が持てず、常にビクビクして暮らしていたと言います。家の近所で同じマンションの住人に会ったとき、どうやって声をかければいいかわからずに挙動不審になってしまって、「なんて社会性がない人間なんだ」と思い込み、ささいなことでいちいち「自分はダメなんだ」と落ち込んでいたのです。


なぜわたなべさんがこんなにも自己肯定感が低い人になってしまったのか、原因は幼少期にありました。わたなべさんの母親はとても厳しく、常にイライラしており、ときにはわたなべさんに体罰をふるっていました。わたなべさんは母親の顔色を伺い、びくびくしながら生活していたそうです。学校を卒業するときには、「自宅から通えるところに就職して、給料を全て家にいれること。お小遣いは月2万わたす。数年したら、婿をとって家の敷地内に住むこと」を母親から言い渡され、わたなべさんは従うしかない、と諦めていたという程、精神的に支配されていたのだそう。


そんなわたなべさんに救いの手を差し伸べてくれたのは、学校の恩師でした。母親を説得し、遠方の寮付きの会社への就職を斡旋してくれたのです。母親に「3年勤めたら実家に帰る」と約束して家を出たわたなべさんは、働きながら絵を描き、漫画家になる夢をつかみます。母親からは実家に戻るように圧力をかけられましたが、それ以降、実家に戻って住むことはありませんでした。


ある意味、ここで、母親の呪縛からは解放されたようにも見えます。しかし、心の奥底には、理不尽に暴力をふるわれた記憶や幼いころに自分の意志をまったく尊重してもらえなかった記憶が残っていて、ことあるごとにわたなべさんを苦しめたのです。


そんなわたなべさんが変わるきっかけになったのは、テレビ番組で80歳の女性が、昔望んでいてできなかった高校受験をし、合格したという映像を見たことでした。もう一生自分のことが嫌いなままなのかもしれない、と考えていたわたなべさんですが、「もしかしたら、今からでも変われるのかもしれない」という希望を持ち、「幼い頃、母親にしてもらいたかったことを、今、自分で自分にしてあげよう」と決意したのです。


大人になった自分が、心の中にいる「幼い頃の自分」の親になったつもりで行動してみる

幼い頃の自分

わたなべさんは、幼いころ、母親から与えられなかった優しさを自分に与え、母親から禁止されていたことをする許可を自分に与えることに決めます。


たとえば、幼い日に母親から冷たくされた自分をイメージし、優しい言葉をかけてあげることで、幼い日に傷ついた自分を、愛してあげることができたと言います。


また、「色気付くな」と母親から禁止されていた華やかなファッションや、苦手だと思い込んでいたものにも果敢にチャレンジしていきます。自分の中の「幼い頃の自分」に、常に優しく接することは、自分に優しくすること、自分を愛することとシームレスに繋がっていき、日に日に、自分を肯定することができるようになっていったといいます。


私が印象的だったのは、自分を好きになっていく過程でも、母親のことはどうしても許せなかった、というシーンです。「母親のことを許せない自分はダメなんだ」と落ち込むわたなべさんに、夫は、「人は誰かを許さないままで幸せになってもいい」と声をかけます。わたなべさんは、「いつか母親を許せる日がくるのか、それはわからないけれど、今は自分を幸せにしてあげよう」と、許せない自分を責めるのをやめます。


「幼い頃の自分」の親になった気分で自分に接することで、「あなたなんかダメなんだ」と声をかけることはなくなり、自分自身の最大の味方になることができたわたなべさんは、これまでよりもずっとラクに生きることができるようになったといいます。


さいごに。「幼い頃の自分」を甘やかし、のぞみを叶えてあげよう

シャボン玉

幼い頃の記憶が原因で、自分のことが好きになれない、という方は少なくないでしょう。そういった方は、自分のなかにいる「幼い頃の自分」の親になり、「幼い頃の自分」を改めて甘やかし愛してあげることで、自分のことが愛せるようになるかもしれません。気になった方は、『自分を好きになりたい。自己肯定感を上げるためにやってみたこと』をチェックし、実践してみてください。


今回ご紹介した本

『自分を好きになりたい。自己肯定感を上げるためにやってみたこと』

著者:わたなべぽん

出版社:幻冬社


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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