産後クライシス

「産後クライシス」を避けるために夫婦が気をつけたいこと【#62】

  • 更新日:2020/02/17

産後の夫婦仲は、育児にも大きく関わってくる重大な問題です。「産後クライシス」を避けるには、出産前からしっかりシミュレーションしておくことが大切です。


「産後クライシス」って?

産後クライシス

「産後クライシス」とは、簡単に言えば出産後、夫婦の愛情が冷えきってしまうことを指します。夫婦どちらにも起こることですが、産後のホルモンバランスの急激な変化や、育児に全身全霊で取り組むという生活の変化から、特に妻の気持ちに急激な変化が見られやすいとのこと。


夫婦仲が悪いと育児でうまく協力し合えず、女性が1人で抱え込むことがベビーブルーや産後うつにつながったり、2人目不妊の原因となるセックスレスを引き起こしたり。育児中のパパママには、他人事ではない、一大事です。


我が家では3人の育児に奮闘中なので、「こりゃ、産後クライシスも起こるわ……」と、深く納得してしまうところ。でも、「育児が落ち着くまではしょうがない」と放っておくと、産後クライシスから簡単に離婚などの決定的な状況に至ってしまいます。


初めての育児で妻も夫も戸惑うのは当然ですが、最悪な事態に陥ることだけは防げるよう、シミュレーションしておくことが重要。その参考として、産後、妻や夫がそれぞれどんな思いを抱きやすいのか、経験からご紹介したいと思います。


妻の言い分

妻の言い分

産休や育休を取り、育児に注力している妻の不満は「育児の大変さを夫が理解してくれない」ということに尽きます。出産でボロボロの体のまま、問答無用に夜間の頻回授乳がスタートし、24時間体制で赤ちゃんを見守らなければいけないのは、地獄のように大変です。もちろん我が子はかわいいけれど、愛おしいと思えば思うほど、この子を守らなければいけないというプレッシャーに押しつぶされます。


こうした心身の疲労が積み重なり、夫がお休みの朝、起き上がれなくてちょっとだけゆっくり寝かせてもらった朝。夫と顔を合わせた途端に「ずいぶんゆっくりだね」と言われたらどうでしょう?ずっと24時間体制できて、たった1度のことなのに。夜中、夫が寝ている間に、子どものために何度も起きているのに。「育児の苦労を全然わかってない」と、怒りがふつふつとわいてきます。


しかも、子どもが産まれると、女性の思考回路は子ども中心にガラッと組み変わります。夫に何と思われようが、関係なし。次第に、夫に理解してもらう努力さえも面倒になってきます。


夫の言い分

夫の言い分

出産を境に起こる女性の変化は目まぐるし過ぎて、多くの男性はついていけません。かわいかった妻が、ちょっと冗談を言っただけでものすごい剣幕で食ってかかってくる。自分も子どもの父親だし、育児を手伝いたいという気持ちはもちろんあるけれど、手際が悪いと怒鳴られるし、気持ちが萎えて何もしなければ、軽蔑のまなざしを向けられる。


育児の大変さは世の中的にも大きく取り上げられているし、それなりに理解しているつもり。でも子どもが産まれたことで、自分はむしろ、家族を養うために仕事を頑張らねばいけないと思っているのに、残業をすると妻ににらまれる。


「私と仕事、どっちが大事なの?」とは決して言わなかった妻が、平気で「家族と仕事、どっちが大事なの?」と迫ってくるのですから、戸惑うのもしかたがないかもしれません。


どちらも頑張っているし、誰も悪くない

誰も悪くない

私は妻の言い分と夫の言い分、どちらも共感できます。共働きで3人の子どもを育児中の我が家では、夫婦ともにギリギリの生活をしているので、お互いになりふり構わず、家事や育児のタスクを押し付け合い、文句をぶつけ合っています。


あまりに余裕がなくなってくると、夫に対して温かい感情がなくなっていることがあります。ただ、夫の長期休みや家族でのお出かけなどで、より多くのことを分かち合えると、感謝とともに温かい気持ちも甦ります。


夫婦ならではのルールを見つけよう

夫婦のルール

数々の小競り合いを経て、私たちは夫婦だけのルールを見出してきました。ゴミ捨てと洗濯物を畳むのは夫、子どもたちの登園準備や皿洗いは私、など、お互いに負担を感じにくいタスクを暗黙の了解として決め、できるだけ分担を守り、無理なときはお互いにフォローするようになりました。


夫婦のコミュニケーションを忘れないために、休日の朝、朝食が済んだら、子どもたちがテレビを観ている間に、夫婦の会話の時間を持つようにもしています。


我が家の夫は、忙しいからといって邪険に扱われていると感じると傷つくようなので、お酒に合わせたおつまみを細やかに料理する……なんて余裕はまずありませんが、子どもたちにお菓子を出したり、自分がコーヒーを飲んだりするときには一言「あなたもいる?」と声をかけるようになりました。夫は会社のおつきあいで飲みに行くと、帰りに私用にコンビニスイーツを買ってきてくれます。食べ物でつられていますが、これで私の機嫌は直ります(笑)。


出産前から産後の夫婦像をイメージしよう

私たちは35歳で子どもを持ったので、若い夫婦に比べればすでにお互いに幻想を抱いてはいなかったと思います。


ただ思うのは、今の夫婦の暗黙のルールを、出産前から少しでも積み重ねていられたら、よりスムーズだったのでは、ということです。確かに出産・育児は思わぬことの連続ですが、仕事なら分担も決めずに、ノープランでスタートさせたりしませんよね。産後はお互いに思いやりを持つ余裕もなくなってしまうのですから、できれば心身ともに余裕のある産前に、近い将来の夫婦像を語り合ってみてはいかがでしょうか。


お互いの理想や、相手にお願いしたいことをノートに書き出してみてもいいでしょう。そのうえで、産後、想定外のことがあれば、ひとつずつ修正していけばいいのです。


本当に育児は、思い通りにいかない、わからないことだらけです。それでも、夫婦というチームで働くからには、ルールは必要です。そして、夫婦のルールがあれば、重大な産後クライシスは避けられるかもしれません。


夫婦でルールを考える時間は、胎教よりも大事かもしれない……。そんな意見もあったということを、頭の片隅にでも置いていただけたら幸いです。



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  • 鈴本りえ (ライター/エディター)

    旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。

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