キャッシュレス

トクするつもりが損してる?「100億円プレゼントキャンペーン」の落とし穴

  • 更新日:2020/01/08

今回は、経済評論家の荻原博子先生著『騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42』を参考に、「トクをしているつもりでも実は損をしているかもしれないお金の使い方」について解説していきます。


萩原先生いわく、

「電子マネーの100億円プレゼントキャンペーンでおトクに買い物できた」

「すべてクレジットカードで支払っているからポイントが貯めやすい」

こんな風に、「賢く買い物や支払いができている」と感じがちな場面でも、長い目で見たら、実は損をしているケースも少なくないといいます。


「100億円プレゼントキャンペーン」の落とし穴

2018年12月4日、「PayPay」が、総額100億円キャッシュバックのキャンペーンを実施しました。家電量販店の前に長蛇の列ができていたことも記憶に新しいですよね。

このキャンペーンは、スマホを利用する電子決済サービス「PayPay」を使って支払いをすると、支払額の20%をボーナス還元、さらに、買い物40回に1回は全額ボーナス還元される、つまり、40人に1人は実質無料で商品を購入できる、というものでした。


このキャンペーンは人々の注目を集めることに成功し、結果、長蛇の列ができ、「PayPay」は利用者を急増させることに成功したのです。

ぱっと見、「高額なポイント還元を受けられた消費者」「無料で商品を購入できた消費者」は賢い買い物をしたように見えるので、企業、消費者ともwinwinのキャンペーンだったように感じられます。


ですが、萩原先生は、「本当におトクだったのか?」と、疑問を投げかけています。

実は、「PayPay」には、あまり知られていない落とし穴がありました。確かに買い物をすれば有利にポイントが付きますが、せっかくついたポイントも2年間使わないと消滅してしまうのです。(略)しかも「PayPay」は現金をチャージして買いものすることもできますが、なんとこの現金も同じく2年間使わなければ消滅してしまう。2019年5月と7月に制度が変更され、これらの有効期限は撤廃されたのですが、9月30日以降は「PayPay」の残高が「マネー」「マネーライト」「ボーナス」「ボーナスライト」の4種類もあるという複雑な内容になっています。また最後の「ボーナスライト」には60日間の有効期限がついています。「100億円あげる」キャンペーン実施からここまでを考えると、今後もポイントやチャージ金額に関わる制度変更があっても不思議ではありません。(P.15-16)

また、いうまでもないことですが、「PayPay」はまだどの店でも使えるわけではありません。チャージ金額やポイントに関わる制度が定まっておらず変わる可能性が大いにあること、まだ新しいキャッシュレス決済サービスであるため不正利用の懸念がゼロではないこと(2019年7月にはセブンペイで大規模な不正利用が発覚)、使用できる店舗が限られていること、などを考えると、キャンペーンに参加したからトクだった、とは一概には言い切れません。


萩原先生はこうも言っています。「登録するとポイントをあげる、など様々なキャッシュレスサービスが宣伝していますが、それは登録者を増やしたいから、そしてあなたの銀行口座やクレジットカード情報を得たいからです」。


新しい電子決済サービスに加入するということは、クレカを増やすことに似ています。つまり、必然的に、支出の状況が把握しづらくなる、というデメリットは生じてしまうのです。ですから、新しいサービスを利用する際には、目先の「トク」に飛びつかず、長期的な目線で他のサービスと比較検討してから決断をするべきでしょう。


「すべてクレジットカードで支払ってポイントを貯める」落とし穴

クレジットカードで支払い

ポイントを貯めるために日々の食費から公共料金の支払い、税金まですべてクレジットカードで支払っている、という方は多いでしょう。クレジットカードで支払った方がポイントが付くから良い、と考えがちですが、こと税金に関してはトクだとは言い切れない部分があります。

今は、税金も、クレジットカード払いができるものが増えています。例えば、自動車税、不動産取得税などはクレジットカードで払えます。そして、こうした税金でも、カードポイントが貯まります。でも、ちょっと待ってください。実は税金をクレジットカードで支払うと、クレジットカード手数料が本人負担になります。この手数料は、納付額1万円につき76円。しかも、この手数料には消費税もかかるので、クレジットカード払いにすると、なんと1万円につき83円の手数料を、自腹を切って支払わなくてはならなくなるのです。ポイント還元率が高いクレジットカードなら、この手数料ぶんを少し上回るかもしれませんが、各社のポイント還元率の平均は1万円につき50円ほどが標準。ですから、ほとんどのクレジットカードで損をすることになります。(P.59-60)

税金をクレジットカードで払う場合は、「取得できるポイントよりも、手数料・消費税が上回る可能性があること」を念頭に置いておく必要があるでしょう。


さいごに。パッと見の「トク」に騙されないリテラシーを鍛えよう

賢い貯金

今回は、トクしているつもりが実は損をする可能性のあるお金の使い方について解説してきました。

目先のトクに飛びついてしまうと、結果的に損をしてしまう可能性があります。「節約のつもりで安いものを買って結局長く使えずに出費が増えてしまう」のも、その一例でしょう。


『騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42』では、今回ご紹介した例以外にも、「一見トクだけど、実は損かも」という事例がたくさん紹介されていました。お金を賢く使いたい、という方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。


今回ご紹介した本

『騙されてませんか 人生を壊すお金の「落とし穴」42』

著者:荻原博子

出版社:新潮社



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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