
「子どもが夜泣きしても夫は起きない」理由って?【#53】
- 更新日:2020/01/10
- 公開日:2019/12/02
「子どもがこんなに夜泣きしているのに、なんで夫は寝ていられるのか不思議」。ママさんたちのあるあるを、子ども3人の夜泣きをスルーし続ける夫を持つ筆者が検証します。
「なぜか夫は起きない」という怪

はじめに言っておくと、我が家の夫は休日には積極的に子どもと遊んでくれ、朝は保育園の送りやゴミ捨てを担ってくれる、比較的育児に協力的な夫です。加えて、夜の眠りは浅いほう。独身時代から、よく「夜中に目が覚めたら寝られなくなっちゃって」というようなことを言っていました。
それにもかかわらず、子どもの夜泣きでは起きません。夜泣きが激しかった長男が、ゾンビに襲われる夢でも見ているの?というくらい絶望的に泣き叫んでも、夫は隣で寝返りを打つくらい。そんな日が繰り返されるたび、ふと疑問がわきあがるのです。「なぜ夫は寝ていられるんだろう?」。
「夫に起きてほしい」と思っているわけではない

ちなみに、夫に「起きてよ!」と思っているわけではありません。主に自宅で仕事をしている私に対して、会社でクライアントとも顔を合わせながら働いている夫が、眠い目をこすっていては、家族のためにもマズいと思うからです。それに、夫に起きてもらっても、大してしてもらえることはありません。夜泣きに100発100中の対策法などないし、多くの場合、授乳中なら授乳したり、抱っこをしたりと、時間をかけて子どもを落ち着かせるしかないからです。夫に起きてもらって2人体制のほうが効果的かというとそんなことはなく、我が家の場合は、私と子どもの1対1のほうが静かな気持ちになれるのではないかと思いました。
子どもが夜中に吐いて、上の子を避けながら処理しなければいけないときなど、夫の手が必要なときは「ちょっとお父さん起きて!」と言って起こします(ちなみにそういうときはすぐ起きてくれます)。
だから、夜泣きで夫が起きないことに関して、私はむしろ歓迎でした。子どもが産まれたら旦那さんが安眠できるように寝室をわけて、それが習慣になって夫婦関係が疎遠になってしまったという話も聞きます。その点、子どもが夜泣きをしても夫が起きないおかげで、家族一緒に寝られて、夫の仕事に支障も出なくてよかったね、と思っていました。ただ、やはり素朴な疑問は残ります。「それにしても、どうして夫は寝ていられるんだろう」。
出産後は子どもの気配だけで起きられるように

不思議に思う理由は、私は子どもが泣いたら瞬間的に起きますし、なんなら子どもが泣き出す前の「ふにゃ」で目が覚めるからです。ちなみに私は、ママになる前はいったん寝たら目を覚まさないタイプ。出産するまでは、「夜中も頻回授乳が必要っていうけど、赤ちゃんが泣いているのに起きられなかったらどうしよう」と本気で心配していました。
それが出産後は、夜中の授乳でも上の子を起こさないように、下の子が泣き出す前に気配で気づいて起きられるようになりました。子どもが吐くときも、吐く気配で起きるので、被害を最小限に抑えるためにさっとゴミ箱を差し出してそこに吐いてもらったり、最悪、吐いたものを自分の手で受け止めたりしています。
我が家は年齢の近い、小さな子どもが3人いるので、他の子に気を使うことで余計に鍛えられたのだと思います。周りのママたちも、程度の差はあれ、子どもが泣いていたら自然に目が覚める人が多いようです。
ママが不在なら夫は起きる?

普段、夫が起きないのは、「子どもの夜泣きにはママが対処する」という暗黙の了解が夫婦の間で成立しているかな、とも思っていました。では、私が不在で、どうしても夫が起きないといけないときは、夫は夜泣きで起きられるのでしょうか?
それは起きるだろう、と私は思っていたのですが、そうでもないようです。末っ子がノロウイルスで入院して、私も付き添いで病院に泊まったとき、夫は「夜も上の子たちは吐いていなかったよ」と言っていましたが、後から布団に吐いたものがこびりついていたことが判明して青ざめました。子どもが吐いても、夫は起きなかったというわけです。
私が夜、めずらしくリビングで仕事をしていて、寝室に入ったら、上の子に脚を乗せられて当時0歳の末っ子が泣いていたこともありました。夫は近くでグーグー。そのときは「ちょっと、起きてよ」と苦言を呈させてもらいました。
ママ業は24時間体制

私が出産前からは考えられないくらい、夜に起きられるようになったのは、子どもが産まれた瞬間からはじまった、「自分が子どもを守らないといけない」という、強迫観念のような強い思いの賜物だと思います。「子どもがお腹をすかせて呼んでいるのに起きられなくて、脱水症状にでもなったらどうしよう」「寝ている間に自分の手足が乗ってしまって、子どもが泣いているのに起きられなくて、そのまま窒息させてしまったらどうしよう」「オムツを替えなければいけないのに起きなくて、布団が漏れてしまったら大変だ」「下の子を泣かせたままにして、上の子の夜泣きがはじまってしまったら修羅場になる」「吐いているのに起きなかったら、他の子どもにも病気が移ってしまう」などなど。自分が起きなかったら、そのあとが大変。起きるのが少し遅れたために心配したり苦労したりした経験が積み重なって「気配だけで起きる」境地に至ったのだと思います。そしてこれが、世のママたちが「ママ業は24時間体制」という理由なのだな、と実感しています。
つまり、ママが子どもの夜泣きで起きられるのは、出産を経験した母としての本能と、積み重ねた日々の育児経験の賜物。パパも、「夜泣きはパパの担当」と決めて産後すぐから夜起きていればできるようになると思いますが、母乳育児で夜にママが起きなければいけない場合はもちろん、育児休暇もママが取る人が多い現状では、やはり夜泣き対応のメインはママ。それでは、子どもが泣いていることで条件反射的に目が覚めるという感覚は身につきにくく、「子どもが夜泣きしても夫は起きない」というママたちの嘆きにつながるのです。そう考えると、ママが不在だからといって夫が一朝一夕に起きられるようになるかといえば、やはり難しいのかもしれません。
日頃の睡眠を十分とろう

そしてもう一つ違うのは、私は普段から子どもを寝かしつけた後、少しSNSやニュースサイトをチェックして、夜10時には寝落ちしてしまうのが習慣になっています。スマホでドラマなどを観ることもありますが、何日も続けることはできず、気がついたらやっぱり寝落ち。一方、夫は夜9時や10時に帰宅して、寝るのは深夜なので、日ごろの睡眠時間が違います。
育児中のママはもちろん、お子さんの夜泣きを担当しているパパは、ぜひ日頃の睡眠を十分に取ってください。独身時代と同じ睡眠時間で、子どもの夜泣きにもつきあっていたら、体を壊してしまいますからね。
▼知っておきたかった妊娠・出産・育児のはなし|バックナンバー
・【#48】妊活中・妊娠中の義実家との上手なつきあい方・【#49】子どもはお腹の中にいたときのことを覚えているって本当?
・【#50】断捨離は妊娠中がおすすめ!巣作り本能(?)を活用しよう
・【#51】100倍泣いて100倍笑う。親になってよかったこと
・【#52】「出産したら2年はまともに寝られない」って本当?
▼鈴本りえさんの他の連載はコチラ
・『3人産んだ今だから言えること』我が家の少子化対策#1・【女たちのネット詐欺事件簿 #1】ネットオークションの落とし穴
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鈴本りえ
(ライター/エディター)
旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。
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