パワハラ

パワハラと言われない指導方法とは?

  • 更新日:2019/11/20

パワーハラスメントは大きな社会問題になっています。職場でのパワーハラスメント防止を企業に義務付ける法律、いわゆる「パワハラ防止法」も成立しました。


パワハラを行うことは許されることではありません。ただ、一方で部下を指導する立場である上司が「これを言ったらパワハラになるのでは?」と悩んでいるケースも増えています。中には、何かあると「それってパワハラですよ!」と上司を脅すような部下も出てきています。


こうなると、上司もパワハラの知識を持って、自分の身を守る必要が出てきたといえます。そこで今回はパワハラの知識と、パワハラと言われない指導方法について紹介します。


パワハラとは?

パワハラとは?

職場におけるパワーハラスメントの定義は次のとおりです。「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為


法律上では次の3つすべてを満たすとパワハラとみなされます。

①優越的な関係を背景とした言動であって

②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより

③労働者の就業環境が害されるもの


つまり、業務上の必要な指示や注意・指導を部下が不満に感じた場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントにはなりません。


パワハラの6類型

パワハラの6類型

では、具体的なパワハラにはどんなものがあるのでしょうか?パワハラは次の6類型に分けられます。


①身体的な攻撃

・叩く、殴る、蹴るなどの暴行

・物を投げつけるなど相手を威嚇して従わせようとする行為


②精神的な攻撃

・他の人がいる前で叱責する

・他の人も宛先に含めて、メールで罵倒する

・必要以上に長時間にわたり執拗に叱る

・「やめてしまえ」など社員としての地位を脅かす言葉

・「バカ」「アホ」「無能」「のろま」などの侮辱


③人間関係からの切り離し

・一人だけ別室に席を移させる

・強制的に自宅待機を命じる(懲戒等の場合を除く)

・忘年会や送別会などに出席させない(わざと呼ばない)

・無視や仲間外し


④過大な要求

・業務上明らかに不要なことを強制する

・能力や経験を超える明らかに実行が不可能なことを指示する

・他の社員よりも著しく多い業務量を課す

・見せしめ的・懲罰的に仕事を与える


⑤過少な要求

・本来の仕事を取り上げて、能力や経験とかけ離れたレベルの低い仕事を命じる

・仕事を与えずに放置する


⑥個の侵害

・個人のプライバシーを侵害する質問を執拗にする

・例えば、年次有給休暇の取得理由を聞く、業務上必要がないのに私生活や休日の予定を聞くなど(※年次有給休暇は、理由を問われずに取得することができる労働者の権利)


パワハラと指導の違い

パワハラと指導の違い

ここまではパワハラとは何かを見てきました。それでは、パワハラと指導は何が違うのでしょうか?下記は人事院の「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」に掲載されている資料です。

資料

簡単にまとめると、指導する時には次のことを心掛けるとパワハラにはならないということです。

・部下の人格を尊重し、常に「育てる」という意識を持って指導する

・業務の必要性を部下に示した上で指導をする

・業務の内容・量、指導のタイミング、指導の場所、指導方法など状況に応じて適正に指導する


パワハラと言われない上手な伝え方

上手な伝え方

最後に、厚生労働省の「あかるい職場応援団」というサイトに掲載されている管理職向けの「言い方ひとつで変わる会話術」から、「相互尊重を実践する為の、上司の5つのスキル」をご紹介します。

コミュニケーションの基本は相互尊重です。相互尊重とは、「自分も相手も尊重しながら、きちんと主張できる」ことです。相互尊重ができている職場は、誰もが言いたいことを、過度に遠慮することなく声に出せ、相手の話を肩肘張らずに聴くことができる職場です。


では、相互尊重を実践する為の、上司の5つのスキルを見ていきましょう


(1)事実ベースで100%褒めて、一緒に喜ぶ

部下が成果を上げた時には、具体的事実で、素直に褒めましょう。その時は「I メッセージ」で伝えると効果が高まります。

I メッセージとは、主語を「私」とする話し方です。逆はYOUメッセージで、主語を「あなた」とする話し方です。

つまり「(あなたは)がんばったね!」というよりも、「がんばった結果を見て、(私は)嬉しかったよ!」と伝える方が効果的ということです。


(2)事実で叱る

叱るときは事実で叱りましょう。「全然なっていない」「ミスが多すぎる」という叱り方ではなく、「納期が○日遅れている」「○○のミスが△回目だよ」と事実で叱ります。


(3)メンツを気にせず部下に謝る

小さなことでも、自分のミスに気付いたら「すぐに、取り繕わずに、短く」謝ることが鉄則です。上司であるあなたが自分の間違いを素直に認めれば、部下もミスや失敗を報告しやすくなります。


(4)権限委譲する

仕事を渡す時は、なぜそれを頼むのか、そのねらいや理由を最初にきちんと伝えます。そして仕事を渡したら、あとは口を出さずに見ていてあげることが大切です。


(5)逆「ホウレンソウ」する

上司であるあなたから、部下やチームにホウレンソウをすると、部下も仕事がしやすくなります。そうすれば、部下もホウレンソウを意識してできるようになるでしょう。


いかがでしょうか?もっと詳しく知りたい人は下記サイトを見てみてください。


厚生労働省「あかるい職場応援団」⇒「言い方ひとつで変わる会話術」


パワハラの正しい知識をもって、適切なコミュニケーションを取っていれば、パワハラと言われずに指導ができるはずです。参考にしてみてください!


参考資料

人事院の「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」

厚生労働省「あかるい職場応援団」



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  • 浦田大暁 (キャリアコンサルタント/中小企業診断士)

    1977年生まれ、静岡県出身。「このまま今の仕事を続けていていいのかな?でも本当にやりたいことがわからない…」 こんな悩みで苦しんでいる30代を支援する、やりたい仕事探し専門のキャリアコンサルタント。

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