独身女性

「結婚して子どもを産む」以外の生き方に目を向けてみよう

  • 更新日:2019/12/03

ある程度の年齢になった独身女性の多くは、「結婚しないの?」と聞かれた経験があると思います。

結婚したらしたで、「子どもは?」と聞かれ、子どもを産んだら「ふたり目は?」と聞かれることも、珍しくありません。


なぜこのようなことを聞く人がいるかというと、「結婚して子どもをひとりかふたり産むのが普通の生き方」だと考えている方がまだまだ多いからでしょう。

ですが、現実的には、「結婚しない」「自分で産むのではなく養子を迎える」「結婚せずに子どもを産む」「同性のパートナーと暮らす」など、様々な生き方があります。


今回は、「結婚して子どもをひとりかふたり産む」以外の生き方にどのようなものがあるのかを、『男性も女性も知っておきたい 妊娠・出産のリテラシー』を参考に紹介していきたいと思います。


結婚規範は強い。けれど、男性の12%、女性の8%は、「一生結婚するつもりはない」

フランスでは、半数以上のカップルが結婚という制度を選択せず、パックスというパートナー制度を利用していることは有名です。フランスにおいては、結婚していないカップルが子どもを設けるのは至極当たり前のことなのです。


しかし、日本においては、出産と結婚が密接に結びついています。「妊娠・出産は結婚してからおこなうもの」という規範がとても強いため、子どもがほしいと考えている人は、必然的に「結婚したい人」ということになります。


そういった背景もあってか、日本ではまだまだ「結婚したい・しなければ」と考えている人が多数派を占めていますが、近年、徐々に結婚を望まない人も増えてきています。

(2015年に実施された「第15回出生動向基本調査」によると)「一生結婚するつもりはない」と答えた人は、男性で12.0%、女性では8.0%であった。この数字は1987年の調査では、男性は4.3%、女性は4.6%であったが、その後微増傾向が続いており、約30年で2〜3倍に増えている。では、実際にはどうなのか。2015年の総務省「国勢調査」によれば、「生涯未婚率」(※1)は、男性で23.4%、女性で14.1%であった。(P.168-169)

つまり、男女ともに結婚するつもりがない人が増加しており、実際に、男性の4人に1人、女性の7人に1人は、50歳まで結婚していない、ということです。


「家庭を求めている子どもたちの親になる」という生き方

里親"/

「自分で子どもを産むのではない方法で親になる」という選択をする人もいます。近年、不妊治療を受けるカップルは増加していますが、その一方で、「家庭を必要としている子ども」も少なくありません。


里親になる

「家庭を必要としている子ども」に家庭を提供する仕組みとして、「里親制度」があります。里親になれる基準は都道府県によって異なり、東京の場合は、「原則として25歳以上50歳未満の結婚しているふたり」が適格者となります。


現在はほとんどが異性愛者かつ婚姻しているカップルが里親として想定されていますが、2016年には大阪市が初めて、男性同士のカップルを里親認定したことが話題になるなど、今後里親になる資格が変化していくことは十分に考えられます。


特別養子縁組をする

里親からもう一歩進んだ制度に、特別養子縁組があります。

特別養子縁組では、家庭裁判所の審判によって、養子と血族との親族関係を終了させ、養親(※2)との間に法的な親子関係を結ぶことができます。

2005年から2015年の10年間で縁組が成立した総数は4109件に達しており、このうち養親による虐待等の理由で離縁となったのは7件であるが、2011年からは離縁の報告はない。(P.181)

周囲で特別養子縁組を結んだ人を見たことがない、という方は多いかもしれませんが、実際には少なくない数のカップルが特別養子縁組という家族の形を選択しています。


「結婚して、子どもをひとりかふたり産む」という「多数派」を目指さなくてもいい

考える女性

さいごに、本書の著者のひとりである保健学博士・武藤香織先生による言葉を紹介したいと思います。

この先、結婚、妊娠、出産をめぐって、人々の親切な助言が、時に脅迫めいて感じられたり、あなたを自己嫌悪に陥らせたりすることもあるかもしれない。だが、周囲の人たちが納得する時期に、周囲が喜ぶ形での結婚、そして誰からも批判されない自然な妊娠・出産だけがゴールではない。この社会の多数派になりたくない、あるいは多数派になれないと思うことがあっても、あなたを肯定してくれる人や手を差し伸べてくれる人は必ずいる。あなたが葛藤した経験はあなただけのものではなく、他の誰かの大きな力になることを覚えておいてほしい。(P.183)

「結婚して子どもを産む」ことが本当に自分の望む生き方だ、という人もいるでしょう。ですが、その生き方を望まない人もいれば、望んでも手に入らなかったという人もいます。


多様な生き方を知ることは、「多数派にならなくては」というプレッシャーを和らげる方法のひとつです。


本書では、このほかにも、「ステップファミリー」「結婚せずに子どもを産む」「同性パートナーシップ制度を利用する」など、多様な生き方が紹介されていました。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。


※1 生涯未婚率

50歳まで一度も結婚したことがない人の割合のこと。平均年齢が80歳を越える現代に、50歳まで結婚しなかったからといって、「生涯未婚」と規定することに対して、時代錯誤だとする意見もある。


※2 養親(ようしん)

養子縁組による親のこと。


今回ご紹介した本

『男性も女性も知っておきたい 妊娠・出産のリテラシー』

著者:宋美玄・白川桃子・武藤香織・岡田弘・その他

出版社:大修館書店


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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