妊娠に気づいた日

妊活中の私が「妊娠に気づいた日」のこと【#38】

  • 更新日:2019/08/19

人生で初めて「妊娠」という大きな転機を迎えた日のことを、よく覚えている人は多いと思います。34歳で結婚し、すぐに妊活を始めた私の場合がどうだったかというと……。


生理が来るたびに落胆して焦る日々

女性生理

独身時代に避妊をしていると、「避妊しなければすぐに妊娠するのでは」という感覚を持ちやすいですよね。避妊治療をする人の割合の高さなど、近年の妊娠事情をご存知の方はおわかりだと思いますが、現実はそうスムーズにはいきません。妊娠、出産は、奇跡のようなもの。たとえ幾度となく繰り返されてきたことであっても、一人ひとり、毎回違う特別なものです。


私の場合、結婚を決めたときから「すぐにでも子どもがほしい」と思いました。同時に妊活本を読み、タバコとお酒をやめ、市販薬の服用をやめ、体を冷やさないようにし、基礎体温を測り、排卵日を予測して夫に伝える……という自己流ではありますが、真剣に妊活をスタートしました。


正直、これだけやればすぐに妊娠できるのでは……という気持ちでいたのですが、そうもいかず、生理が来るたびに「またダメだった、ずっと授からなかったらどうしよう」と不安に思う日々でした。


田舎の親戚が怖い

親戚

私が不安に思ったのは、自分が子どもをほしかったから、というだけではありません。結婚とともに、東京から夫の地元である広島に引越しをした私。地方だからなのか、漫画でしか知らなかったような「跡継ぎのプレッシャー」がありました。


まず、結婚後初めて、夫の祖父母に挨拶に行ったときのこと。開口一番、義理の祖父に「あなたの年齢のことは聞いています」と言われ、養護学校の校長先生をしていた人なので、高齢出産ではダウン症の確率が上がること、周囲には「35歳を過ぎたら子どもは産まないほうがいい」と伝えてきたことなどを1時間以上かけて懇切丁寧に説明されました。最後には、さすがに私も泣きましたよ。


お墓参りに行ったときには、たまたま同じ時間に来ていた、夫ですらどこの誰だか把握していない親戚のおばさまに「跡継ぎはまだ?」とお腹をポンポンされました。いや、誰!?怖いよ!これは、授からなかったら居心地悪いだろうな……、となんともいわれのない恐怖を感じていました。


夫の落胆が怖い

男性ガッカリ

そんな外野はともかく、夫も結婚するときから「子どもはぜひほしい」というタイプでした。私自身と同じくらい子どもを願っていることがわかっていたので、妊娠できないことで、自分だけでなく、夫を落胆させたくないという思いがありました。


お互い30代も半ばの大人なので、きちんとした恋愛の末だとしても、その後の家庭像や人生像も描いた上での結婚です。もし子どもが産まれなかったら、お互いに2人だけの人生に気持ちを切り替えられるのだろうかという漠然とした不安もありました。


そして妊娠に気づいた日

妊娠検査薬

私の場合、鋭意妊活中だったので、生理予定日を少しでも過ぎればフライングで妊娠検査薬を使っていました(正しい検査結果を知るためには、妊娠検査薬の用法を守って生理予定日から一週間後※の使用をおすすすめします)。そのため、最初に妊娠に気づいたのは、生理予定日から3日目での妊娠検査薬の陽性反応からでした。


フライング検査なのですから、陽性反応が出てもその後、陰性となる可能性もあると聞いていました。ということで、夫に報告したときも、「陽性出た!やったー!」「りえ…!よかったな!」なんて、ドラマのような喜びの抱擁は一切なく、「陽性は出たけど、まだこのまま妊娠できるかどうかはわからないから」「そうか。わかった」という淡々としたものでした。もちろん、夫婦ともに待望の妊娠ですからドキドキはしているのですが、「あまり喜びすぎるとダメだったときにショックが大きい」という自制心が働いたのです。

※早期妊娠検査薬ではない場合


子宮外妊娠の可能

子宮外妊娠

現実は、すぐに突き付けられることになりました。妊娠を確認しに行った産院で、「胎嚢が確認できないから、子宮外妊娠の可能性がある」と言われたのです。子宮外妊娠とは、本来胎児が育つ子宮内ではなく、卵管や子宮頸管などに着床してしまうことで、妊娠の継続は難しくなります。


そのときは夫が東京に1カ月間出張中で、私も一緒に上京していたので、紹介された大学病院に通い、祈るような気持ちで診察してもらいました。ようやく胎嚢が確認され、子宮外妊娠ではなかったことがわかったときはホッとしましたが、初っ端からその調子だったので、私も夫も手放しで喜ぶというよりは、慎重に事実を受け入れるという感じでした。


そして「出産難民」の危険性を突き付けられる

産婦人科

さらに、胎嚢が確認された途端、医師に「今は広島に住んでいるなら、どこで産むの?東京で里帰り出産するなら、すぐにでも産院を決めて予約しておかないと一杯で産めなくなるよ」と指摘されました。。そんな馬鹿な、今妊娠がわかったばかりなのに、と驚きましたが、実際、実家のある府中市の近辺で探したところ、一番人気のホテルのような産院はすでに予約が取れないと言われました。幸い、実家から一番近い第一希望の産院は大丈夫でしたが、「里帰り出産の場合は、妊娠20週までに来院し、診察を受けた上で分娩予約金を納めて予約をしなければならない」という規定がありました。


そう何度も広島から東京に移動できないので、東京の産院に、いつ診察をしてもらうか、20週を過ぎた時点で予約がいっぱいで取れなくなるということはないのかなどを確認し、広島に帰ったら自宅近くの産院で改めて診察してもらうなど、あれこれとやることがあり、気が休まらない日々。そのうちにつわりが始まったり、体重制限に苦労したり、逆子がわかって逆子体操をしたり、切迫流産と診断されて自宅安静をしたり……と、妊娠中も何やかんやとあるもので、結局、手放しの喜びに浸る瞬間は訪れませんでした。


「妊娠がわかった日」を夫婦で心から喜び合いたい

妊娠がわかった日

我が子が産まれた瞬間はさすがに嬉しかったです。が、それも手放しで喜べるのは一瞬で、すぐにズタボロの体のまま、慣れない育児の不安に襲われます。そう考えると、慎重派であればあるほど、妊娠や出産において「夫婦で抱き合って純粋な喜びに浸る」ような瞬間は訪れません。


それなら、最初に妊娠がわかったときくらい、夫婦で素直に喜び合えばよかったな、なんて思ったりもします。長い妊娠生活や、さらに長~い育児生活の中で、「妊娠がわかった日」だけは、後にも先にもその1日だけなのですから。皆さんも、妊娠がわかったら、まずはその後のことはさておいて、夫婦2人、ゆったりと穏やかな気持ちで喜びに浸れるといいですね。



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  • 鈴本りえ (ライター/エディター)

    旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。

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