女性らしさ

「女らしさ」から自由に!「女らしさ」は女から自信を奪う秀逸なシステム

  • 更新日:2019/07/26

「男らしさの呪縛」についての記事のなかで、男性は「男らしい男」になるために、「リードしなければならない、仕事をしていなければならない、多くのモノを手に入れなければならない、競争に勝たなければならない」というプレッシャーにさらされることが多い、と書きました。そういった「男らしさの呪縛」は多くの男性を苦しめています。


では、「女らしくしなくては」という思い込みは、女性にどういった影響を与えているのでしょうか? 


今回はコラムニストのジェーン・スーさんと脳科学者の中野信子さんの共著『女に生まれてモヤってる!』(小学館)を参考にしながら、「女らしさの呪縛」が女性にどういった影響を与えているのか、について考えていきたいと思います。


「女らしさ」って結局なんなの?

料理をする女性

みなさんは、「女らしい女性」と聞いたとき、どういった女性を思い浮かべますか?


優しくて思いやりがあって、よく気がついて、料理が得意でフェミニンなファッションが似合って……という女性、を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。こういう女性がいたとしたら、男性にモテそうですよね。「女らしいね」は、女性に向けられる場合、たいていは褒め言葉であり、ポジティブなイメージを持っている方も多いと思います。


ですが、一般的に言われている「女らしさ」を追求することは、「自分に自信がもてなくなること」に通じていると、本書では指摘されています。


中野:女らしさって要するに、「男らしさ」と対になる概念なんだよね。じゃあ男らしさとは何なのか、羅列してみると「頼りがいがある」「リーダーシップがある」「決断力がある」という感じ。一言で言えばドミナンス(支配・優越の意)と言っていいと思う。(略)

スー:集団の上に立つこと、メインを張ることが男らしさと言われるよね。誰かのサポートに回ることではない。つまり、男らしさ=支配、女らしさ=被支配の構図が無意識にある(一章)


スー:なぜ多くの女性が自分に自信を持てなくなるのかを考えると、「自信満々じゃないほうが女らしくてかわいい」と刷り込まれてきたのもひとつの理由だと思う。自信がなくておどおどしている女のほうが、「かわいげがある」「謙虚で控えめ」と褒められて、高得点がつけられてきた。(二章)


女性の場合、自信なさげであることが、「女らしい」「かわいい」「もてる」という好意的な評価を得やすい(もしくは、そうあるべきだという思い込みがある)ために、必然的に女性は自信満々にはなりにくい、というわけです。


「らしさ」は役割と権力構造によって変化していく

リーダーシップを発揮する女性

ところで、「女らしさ」の意味は、時代によって変わっています。「三歩下がってなんでも従う女性」が理想的な女らしい女性だ、と考える人は現代日本では少数派でしょう。求められる「女らしさ」は、少しずつ変化してきましたし、今後も、変化していくはずです。


スー:昔ながらの「女らしさ」は弱さとセットなので、立場が強くなったらその特性は薄れますよ。性差と言われている「らしさ」の正体は、役割と権力の差が生むものがほとんど。立場が人の発言や行動を作るよね。他者の庇護下から脱すれば、女らしさと言われるものもどんどん変わっていくでしょうね。(二章)


「女らしさ」は女から自信を奪う秀逸なシステム

靴を履き変える女性

「女らしさ」の定義は時代によって変化していきます。ですが、現在の日本で「女らしさ」の意味することは、自信があってパワフルな人、ではなく、か弱く他人のサポートに長けている人、にとどまっています。


ジェーン・スーさんは、「女らしさは女から自信を奪う非常に秀逸なシステム」だと述べています。現在の「女らしさ」に、ナチュラルにマッチできる女性もいるでしょう。ですが、「女らしさ」と「自分らしさ」がまったく一致していない女性もいます。「女らしい女性」になれた人は(自信があることは女らしくないことなので)「女らしさ」ゆえに自信がなくなり、「女らしさ」に合致できない人は、求められている女らしい女になれないために、自信がなくなる。どちらにしても、「女らしさ」を意識している限り、女性が自信を持ちにくくなるという構造がある、というのです。


つまり、自信を持って生きていきたいなら、「女らしさの呪縛」から自由になる必要がある、ということでしょう。


「女らしさ」から自由になり、自信を取り戻そう

自由を愛する女性

では、私たちはどのようにして「女らしさの呪縛」から自由になることができるのでしょうか?

「女らしさの呪縛」から自由になるための第一歩は、「女らしくしなくては」という思い込みがどこからきているのか、「女らしくすること」で本当に自分は得をしているのか、を考えてみることです。


「女性はかわいいのが一番」「男性より賢い女性はモテない」「男性よりデキる女性は男性から選ばれない」……だから、「女らしく」して男性から選ばれる女になるのがいい。「女らしく」して、ハイスペックな男性に選ばれたら、庇護してもらえるから、やっぱり女は楽!……って本当でしょうか? 庇護してもらうことは、自己決定権を手放すこととイコールです。相手次第の安定や幸せは、とても不自由で脆いものだと認識しておく必要があるでしょう。


ところで著者のおふたりは、どうやって自分に自信を持つことができたのでしょうか?


おふたりとも、37歳くらいでやっと「自信が持てるようになった」「生きづらさがなくなった」と述べています。これには、「若さや女らしさを求められることが少なくなった」ことや、「人間の脳は年齢とともにドーパミンが分泌されなくなっていくため、年を重ねると自然と不安感情が落ち着いてくること」が関係しているようです。


今現在、「なんだか女として不完全な気がする」「女らしくできないからモテない」「自分に自信がもてない」と悩んでいる方は「女らしさの呪縛」にとらわれてしまっている可能性があります。


その不安は、年齢を重ねることで、ある程度自然と薄れていくものなのかもしれませんが、できるだけ早く「女らしさの呪縛」から自由になりたい、という方は、「女らしくしなくてはという思い込みがどこからきているのか」や「女らしくいることと、自分らしくいることとの間に乖離はないか。どちらを優先すべきか」について、じっくり考えてみる必要があるでしょう。


参考書籍


▼バックナンバーはこちら

・結局、「女と男」どっちが得? を考える
・女性にかけられた「ブスの呪い」を解くのは誰?
・「女性には複数の相手とカラダの関係を持ちたいという欲はない」って本当?
・恋愛を経て母になることこそ女の幸せ?昭和初期から続くモテテクとは
・女性の不倫は、なぜ男性の不倫よりも叩かれるのか?

▼著者:今来さんの他連載はこちら

・妊活・お金・介護・美容…40歳までに知っておきたいことリスト
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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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