整形願望

女性にかけられた「ブスの呪い」を解くのは誰?

  • 更新日:2019/07/12

どれだけ美人でも、外見に一ミリのコンプレックスもない、という女性はレアでしょう。女性は男性と比べて、「ルックスが重視され美醜でジャッジされる機会が多い」と考えられています。

そのため、(とくに若い)女性は、「私のルックスは完璧じゃない、美しくない(ブスなんじゃないだろうか)」という「ブスの呪い」にかかりがちです。


今回は、この「ブスの呪い」から自由になる方法について考えたいと思います。


女性は「見られる性」で、男性は「見る性」?

男女

先日、劇作家の鴻上尚史さんの人生相談(※1)がネットで話題になっていました。


25歳の女性からの、「ルックスにコンプレックスがあるために、男性に苦手意識がある」という相談に対し、鴻上さんは記事内で、「自分は見る側で見られる側ではないと思い込んでいる男性は多い。そのため、男性はルックスでジャッジされる痛みを想像できない傾向がある」ということを指摘されていました。


たしかに、日本は、(そしてそのほかのたくさんの国は)、長い間、「女性を見られる側の性」「男性を見る側の性」として扱ってきました。ミスコンは盛んですが、ミスターコンは少数です。男性向けの週刊誌には胸元を強調した女性の写真が使われていますが、女性向けの雑誌では、半裸の男性が表紙を飾ることは稀です。(ananなどの一部の雑誌は男性の半裸を表紙に使ったりしています。ですがananの半裸男性が目立つのは、ほかの女性誌ではそういったことは稀だからです。)


望むと望まざるとにかかわらず、女性は男性よりもルックスでジャッジされることが多い世の中ですから、外見を気にして、「私ってブスかも」と悩む女性が多くなってしまうのは当然の帰結だと言うこともできます。


ですが、「ブスの呪い」にかかることには、大きな弊害があります。


「ブスの呪い」の5つの弊害

コンプレックス

ルックス至上主義(ルッキズム)に陥り、ルックスのコンプレックスを肥大化させてしまうことには、様々な害があります。


「ブスの呪い」の弊害1:健康を害する

心療内科で働いている友人に、どういった患者さんが多いのか聞いたところ、「摂食障害の人が多い」とのことでした。男女比では圧倒的に女性が多いそうです。


ルックスを気にしすぎること、自分のルックスに嫌悪感を抱くことは、摂食障害などの病気になってしまうリスクを上昇させます。また、醜形恐怖症など、心の病気になってしまったり、整形依存になってしまったり、といった弊害も考えられます。


「ブスの呪い」の弊害2:「中身のないおばさん」になってしまう可能性がある

いくらメンテナンスをしたところで、人間は確実に老います。時間は有限ですから、ルックスを磨くことだけに腐心してきた人は、年とともに容色が衰えてきたとき、知性もキャリアもない、ただの「外見にばかりとらわれているおばさん」になってしまうリスクがあるのです。


「ブスの呪い」の弊害3:情緒不安定になる

「女性が見られる性で、男性が見る性」であるという価値観で生きていくことは、「女性が選ばれる側で、男性が選ぶ側」であるという価値観に通じます。こういった考え方が行き過ぎると、自分で自分を肯定できず、常に誰かから求められ褒められなければ不安になってしまいます。


「ブスの呪い」の弊害4:自分を嫌いになる

雑誌のモデルや女優さんのようになりたい、と考えると、自分とのギャップに苦しんでしまいがちです。雑誌のモデルさんが原型をとどめないくらい画像が加工されていたり、インスタグラマーが加工バリバリだったり、ということを考慮せず、「これくらい細くならなくちゃ」「しわがあるのはダメ」と自分にNGを出し続けてしまうと、自己肯定感が著しく下がってしまいます。


「ブスの呪い」の弊害5:コンプレックスビジネスに搾取される

「マイナス◯歳になれる基礎化粧品」「すぐに痩せられる脂肪吸引手術」「ほうれい線をなくすヒアルロン酸注射」など、世の中には高額な美容商品が溢れかえっています。値段と効果に満足できればいいのですが、「たんに消費者の不安を煽って、高額な商品・サービスを売りつけようとしているだけ」というビジネスも存在します。「ブスの呪い」にかかっていると、冷静な判断ができず、貴重なお金を無駄なことに費やしてしまう危険性があるのです。


女性にかけられた「ブスの呪い」を解くのは誰?

魅力的な女性

今回は、女性にかけられた「ブスの呪い」の弊害をご紹介しました。


「ブスの呪い」を解くのは誰でしょうか? 王子様のキス……ではもちろんありません。王子様が現れて、「君はブスじゃないよ。美しいよ」と言ってくれたところで「ルックスを他者からジャッジされる状況」に変わりなく、その状況は、他者の好みや気分次第で変わり得るとても脆弱なものです。


本当の意味で「ブスの呪い」から解放してくれるのは、自分ひとりしかいません。そのためには、「女性はルックスで判断されるのが当然。自分はブスだからダメだ」と思い込むことの弊害を意識し、「ルックス以外の価値や魅力」を自分のなかに見出し、自信を築いていく必要があるでしょう。


※1 鴻上尚史さんの人生相談



▼バックナンバーはこちら

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・30代以上・未婚・子ナシは負け?男版『負け犬の遠吠え』がない理由は?
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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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