働き方改革

働き方改革の関連法ってニュースで見たけど、どんな内容?

  • 更新日:2019/07/03

働き方改革って、よくニュースでやってましたよね。そして、その関連法も成立したというのも聞いたことがあると思います。

でも、その内容はよくわからない。何が変わるの?こんな人が多いのではないでしょうか。


そこで今回は「働き方改革の関連法って、どんな内容なの?」にお答えします。


働き方改革の関連法とは?

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働き方改革は、「一億総活躍社会」の実現に向けて進められているものです。目指しているのは、働く人たちがそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現です。


その実現に向けて、次のような措置を講ずるためにできたのが働き方改革の関連法です。

・長時間労働の是正

・多様で柔軟な働き方の実現

・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

など


具体的には、2019年4月からスタートした法律と、2020年4月以降にスタートする法律があります。それぞれの法律のポイントを簡単に紹介していきます。


2019年4月からスタート

2019年4月

(1)1人1年あたり5日間の年次有給休暇を取得させることを義務づけ

1人1年あたり5日間の年次有給休暇を労働者に取得させることが企業に義務づけられました。ただし、法定の年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者に限られます。

これは企業規模は問わずに、すべての企業が対象です。そして、対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

年次有給休暇を取得させる時季については、企業は労働者の意見を聴取して、その意見を尊重するように努力することとなっています。


ちなみに、年次有給休暇は、①6か月継続して雇われ、②全労働日の8割以上を出勤する、と取得することができます。

年次有給休暇の原則となる付与日数は次の通りです。

年次有給休暇の確実な取得

資料:「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」(厚生労働省)


また、パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者に対しても次のとおり付与されます。

年次有給休暇の確実な取得

資料:「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」(厚生労働省)

※太枠に該当する人は、今回の1人1年あたり5日間の年次有給休暇を取得させる義務の対象になります。


(2)労働時間の客観的な把握を義務づけ

労働時間の状況を客観的に把握することが企業に義務づけられました。客観的な方法とは、タイムカード、PC等の電子計算機の使用時間の記録などです。裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての労働者が対象です。


(3)残業時間の上限規制

残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできなくなりました。

さらに、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、

・年720時間以内

・複数月の平均が80時間以内(休日労働を含む)

・月100時間未満(休日労働を含む)

を超えることはできなくなりました。また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月 までとなりました。


実は今までは法律上は、残業時間の上限はなかったのです(行政指導のみ)。そのため、今回は法律で明確に上限が定められました。

ただし、中小企業は2020年4月1日からの適用となります。また、適用を猶予・除外する事業・業務もあります。


(4)フレックスタイム制の拡充

労働時間の精算期間が今までは1ヵ月間だったものが、3カ月間まで延長できるようになりました。これにより月をまたいだ労働時間の調整が可能になり、より柔軟な働き方ができるようになります。


(5)「高度プロフェッショナル制度」の創設

次の条件を満たす労働者に労働基準法に定められた労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定を適用しない制度です。

・高度の専門的知識等を有し、職務の範囲が明確

・年収1,075万円以上


ただし、次のことも適用の条件です。

・労使委員会の決議および労働者本人の同意があること

・年間104日以上の休日確保措置を講ずること

・健康・福祉確保措置を講ずること

など


(6)その他

〇「勤務間インターバル」制度の導入促進

※勤務間インターバル:1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、 一定時間以上の休息時間を確保する仕組み

〇産業医・産業保健機能の強化


2020年4月以降にスタート

2020年4月以降にスタート

(1)パートタイム・有期雇用労働法の施行

2020年4月からパートタイム・有期雇用労働法が施行され、次のことが定められます。


①不合理な待遇差の禁止

同一企業内において、正社員と非正規社員の間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

⇒職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の内容を考慮して不合理な待遇差を禁止

⇒職務内容、職務内容・配置の変更範囲が同じ場合は、差別的取扱い禁止


②労働者に対する、待遇に関する説明義務の強化

非正規社員は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができるようになります。


③行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備

ただし、中小企業への適用は2021年4月1日以降になります。


(2)労働者派遣法の改正

2020年4月から派遣元事業主に、以下のいずれかを確保することが義務化されます。

①【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇

②【労使協定方式】一定の要件を満たす労使協定による待遇


これは、派遣先に雇用される無期雇用フルタイム労働者と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消すること等を目指すものです。


(3)その他

〇月60時間超の残業の割増賃金率引上げ

現在は中小企業はこの割増賃金が猶予されています。

しかし、2023年4月1日以降は、「50%以上」の特別割増率による割増賃金を支払わなければならなくなります。


企業を見極めるひとつの指標に

企業を見極める

今回の働き方改革の関連法の概要は以上のとおりです。しかし、これですぐにすべての企業で働き方が改革される訳ではないです。

ただ、企業を見極めるひとつの指標にはなります。いわゆる「ブラック企業」かどうかの見極めです。

特に、2019年4月スタートの次の2つの状況を確認しましょう。

(1)1人1年あたり5日間の年次有給休暇を取得させることを義務づけ

(2)労働時間の客観的な把握を義務づけ


この2つは企業規模に関係なく、すべての企業で義務づけられています。なので、これらが適切に行われている企業は、コンプライアンスを重視している企業と言えます。

これから転職を考えている人は、この2つが適切に実施されているかを確認することをお勧めします!


参考資料

厚生労働省HP「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について」



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  • 浦田大暁 (キャリアコンサルタント/中小企業診断士)

    1977年生まれ、静岡県出身。「このまま今の仕事を続けていていいのかな?でも本当にやりたいことがわからない…」 こんな悩みで苦しんでいる30代を支援する、やりたい仕事探し専門のキャリアコンサルタント。

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