キャリアアップ

「キャリアアップに興味がない」ってダメですか?

  • 更新日:2019/06/05

「キャリアアップに興味がないんだよなぁ」

上司や会社からキャリアアップを目指すように言われるたびに、こんなことを考えてしまう。そんな人は実は多いんです。

そうすると「キャリアアップを目指さない私ってダメなの?」と考えてしまうこともあります。あなたもそうですか?


今回は、そんな「キャリアアップに興味がないってダメなの?」についてお答えします。


キャリアアップに興味がない人の方が多い

働く人

上司や会社は、キャリアアップを目指すことは当たり前だという前提で話をしてきます。そうすると、会社で働く以上、キャリアップを目指すことが普通で、そうじゃないのは少数派な気がしてきます。


でも、実際はどうなのでしょうか?下記の資料をご覧ください。

資料1

資料:平成30年版労働経済の分析(厚生労働省)


この調査によると、管理職への昇進を希望しない人は6割を超えます。キャリアアップを望まない人の方がが多いのです。

そして、そんな人たちが管理職を希望しない理由は次のようなものであることがわかります。

・責任が重くなるから

・業務量が増え、長時間労働になるから

・現在の職務内容で働き続けたいから

・部下を管理・指導できる自信がないから


ちなみに、管理職への昇進を希望する人は、どんな理由で管理職を目指すのでしょうか?次の資料をご覧ください。

資料2

資料:平成30年版労働経済の分析(厚生労働省)


管理職を希望する人の理由は次のようなものであることがわかります。

・賃金が上がる

・やりがいのある仕事ができる

・仕事の裁量権が高まる


会社がキャリアアップを求める理由

キャリアアップ

では、キャリアアップを望まない人が多いにもかかわらず、会社はなぜ社員にキャリアアップを求めるのでしょうか?

それは、簡単に言うと「会社を存続させていくため」です。


会社で働いている人が多くなれば、その人たちを管理するために階層組織が作られます。そうすると、管理職が必要となってきます。会社を機能させていくためには、管理職が必要なのです。

一方で会社は退職などで人が入れ替わっていくという側面もあります。もちろん、管理職の人もいつかは退職していきます。

そうなると、管理職がいなくならないように人を育てて、次の管理職を作っていく必要がでてきます。そうしないと会社が存続できなくなるからです。


じゃあ管理職になりたい人だけ育てればいいのでは?と思った人もいると思いますが、そうもいかない事情があります。それは、次のようなものです。

・人はどのように成長するかわからない

・人はいつ辞めるかわからない


もし、管理職になりたい人だけを育てた結果として、

・管理職になれるところまで成長できた人が誰もいなかったら……。

・管理職になれるところまで成長した人が突然辞めてしまったら……。

会社は存続できなくなってしまいますよね。

なので、そのリスクを避けるために、社員全員を管理職候補として育てる会社が多くなります。だから、会社はあなたにキャリアアップを求めてくるのです。


キャリアアップをしない選択をする自由はある、でも……

働き方

本来、キャリアアップを目指すかどうかは、本人の価値観であって尊重されるべきものです。ただ、キャリアアップをしないという選択をした場合に知っておいてほしいことがあります。

それは、会社が求めるものと違うことをすると働きづらくなってしまうことがある、ということです。

前述したとおり、多くの会社は社員にキャリアアップを求めます。その期待に応えないと、会社で働きづらくなることは予想されます。

だから、キャリアアップを望まない人の多くは苦しむことになります。では、どうすればいいのでしょうか?


それは、会社が人を育てるもう一つの理由を知ると見えてきます。会社が人を育てる理由は、将来の管理職を作ることであることは前述のとおりです。

そして、もう一つの理由は、社員の能力を高めて生産性を上げることです。

社員1人ひとりの生産性を上げることができれば、社員数を増やさなくてもより多くの利益を上げることができます。そのために、会社は人を育てているという側面もあります。


つまり、会社が社員に求めることは次の2つあるということです。

●自分の能力を高めて、将来、管理職になってほしい

●自分の能力を高めて、多くの利益を生み出せる人材になってほしい


キャリアアップを望まないということは、「管理職になってほしい」という会社の期待には応えられません。しかし、「多くの利益を生み出せる人材になってほしい」という期待には応えることはできます。


管理職を望まない人でも、会社のために自分の能力を高める努力ができる人は会社から必要とされるのです。この努力ができれば、キャリアアップを望まない人でも会社に居づらくなるということはないでしょう。


ただ、現実にはキャリアアップを望まない人には次の2種類がいます。

①今の仕事を今の能力のまま努力せずに続けたい人

②努力して自分の能力を高めたいが、管理職という役職はしたくない人


①の人は言い換えると、楽して働きたい人と言えます。

ただ、これでは会社の期待には何も応えていないため、会社に居場所がなくなってしまいます。会社で働くのであれば、この考えは見直す必要があるでしょう。

キャリアアップを望まない場合でも、②の人になる必要はあるのです。


ただ、②の人でも次のような主張をする人がいます。「能力を高めているのだから給料を上げてくれないと割に合わない」


確かに正論ではあります。ただ、日本の多くの会社は役職に給料が付随する人事制度を採用しています。

そのため、管理職はやらないけど給料は上げてほしいという要望は通らないことが多いのです。(能力を高めて成果をあげれば、ボーナスは増えるかもしれませんが)


なので、管理職にならないという選択をする場合は給料が上がらないことが多い、ということも知っておきましょう。また、給料以外にも、管理職にならないという選択をすると次のようなことが起きる可能性があることは知っておきましょう。

・仕事の権限(裁量権)は低いままになる

・仕事の幅も広がりにくい

・年下や自分よりも経験年数の浅い社員が上司になることもある


まとめ

会社

「キャリアアップに興味がない」がダメということはありません。キャリアアップを目指すかどうかは、本人の価値観であって尊重されるべきものだからです。

ただ、会社で働く上では、このような自分の権利だけでなく、会社で働く上での義務も発生していることを知っておく必要があります。


会社で働く上では、会社から期待されていることに応える義務があります。さらに、会社の制度にも従う必要もあります。一方であなたにも欲求や希望があります。

これらのことと、管理職にならないメリット・デメリットを整理して、自分のキャリアをもう一度考えてみましょう。そして、自分の将来のキャリアについて会社と話ができるのが理想です。

自分にとってより良いキャリアを会社と一緒に作っていけるといいですね。


参考資料

平成30年版労働経済の分析(厚生労働省)



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  • 浦田大暁 (キャリアコンサルタント/中小企業診断士)

    1977年生まれ、静岡県出身。「このまま今の仕事を続けていていいのかな?でも本当にやりたいことがわからない…」 こんな悩みで苦しんでいる30代を支援する、やりたい仕事探し専門のキャリアコンサルタント。

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