恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#82】その愛は押し付け?本当に彼のこと愛してる?と聞かれて迷う心

  • 更新日:2019/05/27

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:弘からの反撃に、一瞬たじろく夏美。でもその言葉は、意外にも夏美の心を捉え、そして打ちのめす。 「けっきょく自分のしてもらいたい事ばっかり主張するよね」 「俺は頑張ってなんて頼んでない」 冷たく放たれる本心に、夏美は急に足元がグラつく感覚を覚える。うそ…どうしてそんな…反論する言葉も失い、いますぐこの場から逃げたい衝動が湧き上がる。 気づくと夏美は、近所のファミレスに逃げ込んでいた。これからどうしよう…そう思っていると、暖かそうな家族連れが、夏美を追い越し店内へと入っていく。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第82話:その愛は押し付け?本当に彼のこと愛してる?と聞かれて迷う心

夜というのは、人間をロマンチストにさせるものだ。

そんな時見つけた答えというのは、正しいのか間違っているのか。

第82話

何時間経っただろうか。テーブルの上に雑然と並べられたカップを見て、時間の経過がふと頭をよぎる。

弘と言い合いになり、そのまま家を飛び出してみたけれど、本当は追いかけてきて欲しかったような気がして、自分の性格の悪さに嫌悪感がつのる。

「私って最低だな…」

なんとなく口からそれっぽい言葉を垂れ流してみると、本当に自分が最低なワガママ女のような気がしてくる。

私って最低。私って最低。私って最低。

小さく反芻すると、今度は自分がどうして最低なのかがわからなくなってくる。

世の中多くの女が、恋に恋して、相手に自分を幸せにしてもらおうと願っているじゃないか。それなのに、どうして私ばかりがこんなに責められなきゃいけないのか。どうして私ばっかり、貧乏くじを引かなきゃいけないのか。


落ち込みはだんだん怒りへと変化していく。

せっかく弘のために頑張ったのに。

せっかく弘を想って我慢したのに。

せっかく将来を考えて幸太と別れたのに。

自分のしたことが全部無意味であり、それは人格までをも否定された感覚になっていく。

「ああ、もうどうしたらいいんだろ」

頭をワシャワシャとかきむしりながら、スマホの中に答えを求める。

すると放置していたチュベローズのやり取りが何の気なしに目に入る。


『あなたは彼のこと、本当に愛していましたか?実は自分の理想どおりの行動を取る彼が好きだったのではないですか』

返信に困り放置していた文面を読み返すと、ぐっと胃の辺りに迫るものがあり、再び画面を閉じたくなる。

(夏美ってさ、いつも押し付けてくるよね)

数時間前弘に言われた言葉が、同時に頭の中でフラッシュバックする。

「私の接し方って、変なのかな…」

そもそも好きなら、相手のために考えて、相手のために行動して、相手との将来を考えるのはおかしいのだろうか。

一度湧いた疑問は、とめどなく頭の中に広がっていく。

気づくと夏美は、チュベローズに返信を素早く打っていた。


NEXT ≫ 第83話:私は彼が大好き。だから結婚して幸せになりたい!の裏にあった本音



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第77話:好きだった頃が思い出せない?すれ違う彼に感じる虚しさ


第78話:気づいたらすれ違う2人。埋まらない溝に気づいたときどうする?


第79話:デート中の些細な喧嘩!私は悪くないのに、どうしたらいいの?


第80話:何もしてない彼氏に怒り!ぶつけた後に返ってきた思わぬ反応


第81話:「押し付けないで」彼氏からの本音に感じた衝撃



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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