恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#80】何もしてない彼氏に怒り!ぶつけた後に返ってきた思わぬ反応

  • 更新日:2019/05/20

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前回のあらすじ:映画の次は甘いものを食べよう。そう提案しても、弘はとにかく帰りたそうにしている。「そんなに疲れているのは、昨日ソファで寝るからでしょ」思わず嫌味が口をついて出ると、弘はムッとして駅へと歩き出す。 その態度から夏美のスイッチも入り、思わず弘に強気な態度を取ってしまう。 些細な喧嘩。怒っていることはそれだけなのに、夏美は今までの不満が上乗せされたように、弘に正論で食って掛かり、弘は黙って無視を決めこみ始める。 「……もういいや」 遠くなっていく背中を目で追いながら、夏美はこんな人に合わせる必要ないやと、踵を返して繁華街の方面へと一人歩き出す。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第80話:何もしてない彼氏に怒り!ぶつけた後に返ってきた思わぬ反応

一人で買い物するのは楽しいはずなのに、

喧嘩した後でする一人の買い物は、なぜか目的が思い出せず迷子のようになってしまう。


帰宅すると、目に入ってきたのは脱ぎ散らかされた弘の服だった。靴下、シャツ、1つ1つ床に散らばったものを踏みつけながら、ベッドルームに近づくと、弘はスマホを見ながらヘラヘラと笑っていた。

第80話

その瞬間、夏美の中で何かが瞬間的にブワッと膨らんでいくのを覚える。“怒り”といえばわかりやすいそれは、理性的な判断を下す前に声という音になって放たれる。

「なんで?なんで?体調良さそうじゃん。家もぐちゃぐちゃだし、どうして何もやってくれないの?」

テーブルをみると、そこには黄色い不在届が置かれている。連絡しておいてくれれば、今日中の再配達が間に合ったのに…19時を過ぎているから、受け取りは来週になってしまう。そういう計画的な行動が全部夏美任せなのが、今は心底許せなかった。

「不在は連絡してくれた?してないよね?いつもそう。これでまた来週末まで受け取れないじゃん。もう少し家の事も考えてよね」

「……」

弘が面倒くさそうに布団をかぶり、無視の体制を決め込む。


私はこんな強情な男のために、合わせて尽くして、イライラしているのか。

そう思ったら、泣きそうな気持ちと叫びたい気持ちがさらに加速する。

「ねえ、無視しないで何とか言ってよ」

弘まで近づき、ポカポカと布団の上から叩いてみる。そこに元気な生物がいるはずなのに、反応はない。

「ねえ、また無視?黙れば引き下がると思ってるんでしょ?なんでいつも私の事ちゃんと見てくれないの?」


一通りの言葉を吐き出した後に残るのは、微妙な疲労感と後悔だ。何度も経験し分かっていることなのに、やっぱり失敗してしまう。

「ねえ…ねえってば……」

最後に一発…と思い布団の上から足元を叩くと、当たりどころが悪かったのか「痛った!!!」という反応が返ってくる。

一瞬「ヤバい」と思ったが、怒りがその後悔を瞬時に打ち消す。弘が不機嫌そうな顔でベッドから起き上がり、夏美を睨む。

思わず動けなくなり、心臓が縮こまる。

「あのさ、もう終わった?」

「え………」

「その話、もう終わったかって聞いてんの?」

言葉がいつもより低く、語尾が少しだけ荒っぽい。弘の怒りはたまにしか見ることがないが、静かにそして威圧感を持って始まる。そしてその怒りの前では、夏美はいつもなにもできないままだ。


NEXT ≫ 第81話:「押し付けないで」彼氏からの本音に感じた衝撃



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第75話:大人の別れ話は冷静に。そして果たされない約束で閉じられる


第76話:向き合い直した恋人を、もう一度ちゃんと好きになれるのか


第77話:好きだった頃が思い出せない?すれ違う彼に感じる虚しさ


第78話:気づいたらすれ違う2人。埋まらない溝に気づいたときどうする?


第79話:デート中の些細な喧嘩!私は悪くないのに、どうしたらいいの?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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