恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#79】デート中の些細な喧嘩!私は悪くないのに、どうしたらいいの?

  • 更新日:2019/05/14

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前回のあらすじ:映画が終わり、デートを楽しみたい夏美だが、弘は思いの外そっけなく、夏美の横をすり抜けていく。 私達って似てるよね。マイペースなところ。周りを気にしてがんばるところ。本当はインドアなところ。共通点の多さをキッカケに恋に落ちたはずなのに、長い月日の間に気づいたら溝が生まれ、気づいたら隣にいる人が全然わからなくなっていた。 そんな状態で、この先も一緒にいて大丈夫なのか。私はまた浮気に走ってしまわないか。夏美の頭には様々な不安がかけめぐるが、そんな不安を弘にどう共有したらいいのか、わからないままでいた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第79話:デート中の些細な喧嘩!私は悪くないのに、どうしたらいいの?

すれ違っている。

言葉ほど簡単な状態ではなく、本当にすれ違っているとき、2人は大体気づいていない。


「ねえ、甘いものさ、フルーツパーラーがいい」

「えーあそこ並んでるじゃん。いつもの地下の喫茶店にしようよ」

「たまにはちょっと贅沢しようよ。久々のデートだよ」

「気分じゃないよー」

あからさまに元気のない弘に、夏美は妙に食い下がってしまう。普段なら弘に合わせるのに。なんだか今日は、少しでも自分の意見を通したい気持ちが湧いてくる。

「なんかもう全然つまんなそうにしてるじゃん。体調のせい?ここ最近ずっとじゃん」

「疲れてんだって」

「だからってそんな不機嫌にならないでよ。だいたい昨日ソファで寝るから疲れが取れないんでしょ」

夏美の声が荒くなっていき、弘が目を合わせず駅の方に一人で歩きはじめる。

第79話

その姿を追いながら、夏美は“何かのスイッチ”が入っている自分に気づけないでいた。

「ねえ、なんでそんな不機嫌なの?私なんかした?ただ体調悪いだけ?」

弘は答えず、夏美の横をすり抜けるカタチでそのまま歩いていく。

「……」

「せっかくの映画なのにさ、なんで会話も全然してくれないの?何かもう少し楽しんでくれないと、来た意味ないじゃん」

「………」

「疲れてるのは分かるけど、それならそれで、ちゃんと言ってよ」

「あのさ」

夏美の言葉にかぶせるように、弘が立ち止まって言葉を放つ。

その強めの語彙に、思わず体がピクリと反応する。

「俺、疲れてるって言ってるじゃん。なんでそんな無理させんの?映画一緒に観たんだから、とりあえず勘弁してよ」

「そんな義務感で付き合ってやった。みたいに言うなら、最初から映画だって来なくていいのに」

「来なきゃ来ないで、どうせ怒るだろ」

「今だって怒ってるなら、変わらないじゃん」

一瞬弘がぐっと黙る。正論で相手を不機嫌にさせてしまうのは、夏美がいつもやってしまう得意技だ。

「……じゃあ、俺今日は体調悪いから帰らせて」

そう言うと、夏美を待たずに弘が再び歩き出す。

夏美は「ねえ」とか「ちょっと」と声をかけながらついていくけど、弘はそれに反応しない。怒ると黙るタイプなのだ。


ついて行かなくていいんじゃない?

迷いながら歩みを合わせていると、どうせ機嫌は治らないし、なんで自分ばっかり、という苛立ちが勝っていく。

もう。いいや。

立ち止まり、遠ざかる弘の背中を、夏美はじっとりした目で追いかける。

こうなるとこの男は頑として聞かないし、私は悪いことを何もしてないんだから。もういい。知らない。

どうせ家に帰れば弘と話さなくちゃいけないんだから、今こんな場所で喧嘩したって仕方ない。

せっかく新宿に出てきたのに、こんな事になってバカみたい。


夏美は踵を返し、繁華街へ向かって歩き出す。

頭の中は、なんで私ばっかり。という想いにあふれていた。


NEXT ≫ 第80話:何もしてない彼氏に怒り!ぶつけた後に返ってきた思わぬ反応



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第74話:「もう好きじゃない」本音を隠して別れ話を終わらせるためにすること


第75話:大人の別れ話は冷静に。そして果たされない約束で閉じられる


第76話:向き合い直した恋人を、もう一度ちゃんと好きになれるのか


第77話:好きだった頃が思い出せない?すれ違う彼に感じる虚しさ


第78話:気づいたらすれ違う2人。埋まらない溝に気づいたときどうする?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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