岸井ゆきのさんインタビュー

“究極の片想い”を描き切る 映画『愛がなんだ』主演・岸井ゆきのさんインタビュー【前編】

  • 更新日:2019/04/15

 3月まで放送されていたNHKの朝ドラ『まんぷく』で主人公・福子の姪・タカ役が好評の岸井ゆきのさんが主演を果たした映画『愛がなんだ』がいよいよ公開されます。物語は平凡なOL・テルコ(岸井さん)がマモちゃん(成田凌さん)に抱く“究極の片思い”と、その行方を描いた不器用な男女の恋愛群像劇です。【前編】ではテルコを演じるに当たり苦労された点を中心に伺いました。

これだけ振り切れている主人公はなかなかいない

──角田光代さんが書かれた同名の原作小説(角川文庫刊)は読まれたと思いますが、いかがでしたか?

岸井ゆきの(以降、岸井): マネージャーさんに「読んだら、きっと演じてみたくなるよ」って言われたんですが、案の定そうなりましたね。

岸井ゆきのさんインタビュー ──どんなところに惹かれたんですか?

岸井: 男女が互いに惹かれあうという、いわゆるスタンダードな恋愛じゃなくて、テルコの一方的な“片思い”を終始描いている点が面白いなって。これだけ振り切れている主人公ってなかなかいないと思うんです。演じるという意味合いでも、こういう役と巡り会う機会ってそうそう無いなって思いました。


──たしかに!こんな風に恋愛に振り切ってる女性、どう思われましたか?

岸井: 最初読んだときは、こんな感じのコは知らない、見たことないって思いました(笑)。私とはちょっと違うなぁって。


──でも、原作でテルコが最初に発する「なんにも食べてないの? やばいじゃん」って台詞の下りを読んだときは、自然と岸井さんの顔が浮かんできました(笑)。

岸井: そう言って頂けて嬉しいです(笑)。私的にはとてもエキセントリックで面白いコだなって思ったんです。すごく色んな感情を持っていて、それを先に先に延ばしていくとテルコに辿り着くんじゃないかなって。


マモちゃんとの距離感を出すため、成田君とは話さない様に

岸井ゆきのさんインタビュー ──テルコを演じるということは岸井さんの内にある、ちょっとテルコ的な要素の種みたいなモノを探す作業……だったんですね。

岸井: 最初はそうでした。私も夢中になるときはすごく熱中してしまうので、テルコ的な要素はあるんじゃないかなって思って。テルコは全てを捨ててでも好きなひとに向かっていく強さ……というか、向こう見ずなところがあると思うんですけど、私はそこですごく考えてしまってなかなか一歩を踏み出せないんです。

目的に向かおうとする熱量はテルコに劣らず私も持っていると思うんですけど、羨ましいなとは思いました。普通はここまで突っ走れないですから(笑)。


──たしかに、あれはなかなか難しいと思います。 さて、成田凌さん扮するマモちゃんとは、微妙な距離感でしたが、何か演出などはあったのでしょうか?

岸井: 台本を読んだときに、テルコっていつもマモちゃんに対して、本音の一歩手前で止まっているなって思ったんです。だから、マモちゃん役の成田君とはあんまり仲良くなりすぎると、それが画に出ちゃうかもしれないって考えて……“成田君とはあんまり話さないほうがいいかな”と。結局は二人って通じ合わない部分が常にあったので、それで良かったんだなって思いました。


8分の長回しはシビれました

岸井ゆきのさんインタビュー ──全体的に、いわゆる“長回し”の撮影シーンがすごく多いですね。

岸井: そうですね。居酒屋での長回しのシーンでは、すっごく早い時間の撮影で、私もエンジンが掛かっていなくて「焼きナス」と「秋ナス」を間違えるという凡ミスを何度も(笑)。あとは映画の後半で、テルコがマモちゃんの作ってくれた鍋焼きうどんを食べるくだりは8分ぐらいありましたね。


──8分! 演じる方としてはすごく大変だったのでは?

岸井: しかも、あのシーンはカメラが寄ったりもしなくて。ああいうお芝居ってなかなか出来ることじゃないので、すごく面白かったですね。その分、段取りも多かったんですけど。


──緊張感も半端なかったんじゃないんですか。

岸井: そうですね。普通の撮影だと、例えば一か所間違えたら、そこだけ撮り直して差し替えたりしますけど、今回は最初から撮り直しをして下さって。気持ちの上で、とてもありがたかったです。この“鍋焼きうどん”のシーンは2回だけで終わったんです。「あ、もうこのセリフ言えないんだ」って思ったら、すごく切なくなりましたね。撮影後は成田君と「いやぁ、シビれたね~」って(笑)。

岸井ゆきのさんインタビュー

──まさに女優冥利に尽きたんですね。興奮が伝わってきます!


【後編】では思い出に残ったシーンと、岸井さんの恋愛観についてお願いします!



>>後編はこちらから


映画『愛がなんだ』は4月19日(金)より東京・テアトル新宿他にて全国順次公開。

愛がなんだ

岸井ゆきのプロフィール

1992年2月11日、神奈川県生まれ。T148㎝。AB型。2009年にドラマ『小公女セイラ』で女優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台などで活躍。2017年、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務め、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。主な出演作に『ピンクとグレー』、『ここは退屈迎えに来て』などの映画、NHK大河『真田丸』、『99.9‐刑事専門弁護士‐SEASONⅡ』、『モンテ・クリスト伯‐華麗なる復讐‐』などのドラマがある。




作品情報

映画『愛がなんだ』
配給:エレファントハウス
©2019映画「愛がなんだ」製作委員会
愛がなんだ ヘアメイク/藤垣結圭 スタイリスト/須貝朗子
パンプス¥9,800/ミオ ノティス/エスメラルダ
イヤリング¥41,000/スタージュエリー/スタージュエリー表参道店
その他スタイリスト私物
※全て税抜き価格


<writing:鈴木一俊>

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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