恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#66】浮気相手の裏切り…!?問い詰めた先に返ってきた答えとは

  • 更新日:2019/04/01

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前回のあらすじ:「あの子セフレだよ!」いきなりの情報に混乱する夏美。その信憑性を確かめると、とたんに目の前のもの全てが不快感の渦につつまれるような気がする。 「確かめなきゃ!」そう思い、幸太を探しに席を立つ。 喫煙所で幸太を見つけ、思わず喧嘩腰に声をかけてしまう夏美。そこにあるのは、怒りなのかそれともお酒の勢いなのか。わからぬまま幸太を攻め立て、“修羅場”の準備を整えるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第66話:浮気相手の裏切り…!?問い詰めた先に返ってきた答えとは

怒りは疲れる。自分の中のエネルギーを適切に沸き立たせ、相手に適切に渡さなくてはいけないから。

そもそもそんな気遣いを、相手に渡す必要はあるのだろうか。


幸太が荷物を持ち、夏美の元に駆け寄ってくる。

慌てた姿が、なんだか少しだけ誇らしい。

「なんだよ急にもー!とりあえず行こうぜ」

顔を赤らめ、ほぐれた表情からは、まだ状況の深刻さには気づいていないらしい。のんきな幸太を見ていたら、夏美はふつふつと怒りが沸いてくるのを感じる。

「あのさ、さっき嘘ついたでしょ?」

「え?何なんのこと?」

「神原さんのこと。嘘ついたでしょ?」

「は?どういう意味?」

一言一言発するごとに、声が大きくトゲトゲしていく自分を感じる。

駅までの道は、一本奥まった細い道を選んで歩く。せめてもの羞恥心と、誰かに聞かれるリスクを気にしての選択だ。

「それはこっちのセリフだよ。どうして隠したの?さっき聞いたんだから」

自分から核心めいた部分に触れないのは、幸太が自ら気づいて事実を話し、そして謝ってくれるのを期待していたからだ。でも予想に反して、幸太は気づいているのかいないのか、そこに触れることはない。


「何のことか、さっぱりわかんねーんだけど。何を怒ってるの?」

「本当に分からないの?信じられない。じゃあ言うけど…神原さんって…」

その一言が、勢いがついたとはいえ、出てこない。言ったらこの関係も、この気持も壊れてしまうかもしれない。

第66話

「幸太さ、神原さんとも浮気してるでしょ?」


言った。言ってしまった。言い切った瞬間、空気がシンと静まり返ったような気がして、ドキッとする。

幸太の顔を、上手く見ることができない。

「え、なに?え?」

幸太は慌てているが、夏美の視線は汚れたコンクリートと、自分の靴に向けられている。怖くて上げることができない。

「なにそれ?誰に聞いたの?」

「……さっき、サークルの人が言ってた」

「そうかー」

消え入りそうな声で答える。自分が今、幸太からどんな返答を待っているのか分からない。「それは嘘だ!」とか「噂だよ」という言葉を1番求めているような気もするし、それでも納得できない気もする。


「あのね、夏美こっち向いて」

幸太の手が夏美の肩に触れ、ビクリと驚くと同時に目線が合う。

「えりかちゃんとシタのは本当だよ」

目線が合うと同時に、まっすぐな言葉が耳に届く。同時に、震えるような、絶望するような、よくわからない不安感が足元からゾワゾワと這い上がってくる。


NEXT ≫ 第67話:ついに語られる真実!「シたけど違う!ってどういう意味?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第61話:トゲのある自分に自己嫌悪!気持ちを切り替えたとき聞こえてきたこと


第62話:浮気相手の不可解な行動に混乱!このモヤモヤは一体なに?


第63話:始まる三次会!混沌としたまま対峙する男と女


第64話:「あれって彼女?」浮気相手への確認で知った真実とは


第65話:浮気相手の真実を知ったとき湧き上がる感情ととっさに取った行動



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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