エンタメ

【小説#59】その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:旅行が中止になり、入れ替わるように忙しくなる二次会準備。あっという間に開催前日となり、明日の確認をしていると、急遽景品が足りないことが判明する。 「買ってきてよ」と幸太に頼まれ、思わず苛立つ夏美。でも幸太が行くより自分が適任だと分かるから、しぶしぶ外出準備をする。 そんな時、弘がついでに買い物してきてよ!と、夏美に声をかける。「なんであんたまで!」とさらにムカムカするものの、弘に甘えられ、気づくとしょうかないな…と、怒りが収まっている自分がいるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第59話:その女は誰?苛立ちは恋愛感情?それともただの怒り?

結婚式は何度出てもいい。

チャペルで賛美歌もいいし、神社の凛とした空気もいい。

でも考えることは、自分がやるなら…ということばかり。


今日は泣く用の化粧をしてきてよかった。

新郎新婦と退場時に挨拶を交わしながら、夏美はそんなことを考え、ウルウルともらい泣きをしていた。

前日のトラブルも、こうして当日を迎えると忘れてしまうし、何より頑張ってよかったと思えるのは、責任感の強さがそう思わせるのだろうか。

泣きながらも頭の隅では、この後の二次会の段取りを少し想定している自分がいる。


受付担当と事前に会場で待ち合わせたら、搬入してくれた物のチェックをしよう。タクシーで移動してしまいたいけど、幸太はどうするかな。

そんなことを考えながら、ロビーをウロウロしていると、幸太が前からやってくる。


「ああ、探したよ。移動するでしょ?一緒にタクシーで行こう」


「うん、よかった。電車に乗るの、ちょっと面倒だなって思ってたから」


「引き出物とか多いし、家電もあるしね。本当にありがとう」


「うん、平気だよ」


談笑しながらそのままタクシーに乗り込み、近くの二次会会場を伝える。


「あ、通り道の◯◯駅、寄ってもらってもいいですか?」


おもむろに幸太が指示をだす。


「どうしたの?忘れ物?」


「いや、今受付お願いしてる子と連絡取ってて、ちょうど少しで駅に着くって言うから、拾っちゃおうと思って。方向音痴だから、迷われると困るし」


「…そっか」


一瞬別に駅からお店まで、そこまで離れてないし、時間も余裕あるんだけど…と、モヤっとした何かが湧き上がる。そもそも受付担当は幸太に探してもらったけれど、どんな人が来るのかも聞かされていない。


「ああ、いたいた!ちょとここで止めてください」


幸太の視線の先には、小奇麗な格好をした2人の女の子が立っていた。


「お疲れ様。ついでだから乗っちゃいなよ」


「すいませーん。おじゃまします」


助手席と後部座席にそれぞれ乗り込み、一瞬運転手が慌てる。

夏美は顔にこそ出さないものの、自分がいい気分ではないことを理解していた。


「えっと、二人も俺らのサークルの後輩なんだ。といっても年はかぶってないけど。神原さんと中村さん」


「よろしくお願いします!」


「よ、よろしくお願いします。ていうか、幸太先輩ここで自己紹介しなくても」


世代のかぶってない後輩となんでつながっているのか。自分以外を可愛がる姿に苛立っているのか。タクシーが窮屈だから不機嫌なのか。理由は分からないけど、夏美は自分がかなりツンケンした態度を取っているのを感じ、ちょっと反省する。


目的地に付き、ワラワラ降車していく。支払いはなぜか、一番奥に座った夏美がしている。

後で割り勘してくれるかな。

小さいことを考えながら支払いを済ませ、夏美もドアのところに手をかける。すると足元にスマホが落ちているのを見つけ、おもむろに拾い上げる。


「これ、誰か落とした?」


ストラップがついたピンクのケースのついたスマホ。いかにも若い子が持っていそうな見た目をしている。


「あーごめんなさい、私です!よかったー」


神原と名乗った子が、慌てて前にでる。


「よかった。気をつけてねー」

第59話

にっこり笑って差し出すと、ストラップについた鈴がなる。一瞬じっと見つめると、そこには『箱根神社』と確かに書かれている。


「あれ、箱根神社って…」


聞こえないように小さくつぶやく。3人は数歩先を歩いているが、夏美はその後ろをついていきたいのに、足が上手く動かないでいた。


NEXT ≫ 第60話:もしかしてこの娘が彼女?広がる疑念、確かめる方法は…



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第54話:「別れよう!」いきなり告げられた決断への正しい対処法


第55話:良い浮気のためのルールとは!話し合うことで心は深く通じ合う?


第56話:◯◯ちゃんよりも好き。それって本当に言われて嬉しいこと?


第57話:彼は本当に優しい人?口だけ男はどこで見抜けるのか


第58話:急なトラブルにイラッ!怒りはミスよりも浮気相手の態度から



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

編集部ピックアップ

女子カレとは?

今週のお悩みQ&A

広告掲載について

Facebook

Twitter

ページTOPへ