恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#55】良い浮気のためのルールとは!話し合うことで心は深く通じ合う?

  • 更新日:2019/03/07

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:「別れよう!」と幸太が急に口走り、夏美は混乱と困惑に思わずカラダをのけぞらせる。理由を問うと、夏美の苦しみに気づけなかった自分が腹立たしくて、耐えられないという。 「私って苦しんでたの?」幸太の言葉に思考が曇る。でも別れたくないという気持ちが先行し、夏美はゆっくりシンプルに、自分の要望を伝え、急な別れを回避しようとするのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第55話:良い浮気のためのルールとは!話し合うことで心は深く通じ合う?

気持ちが離れたときが別れどき。

離れる瞬間というのは、言葉になる前に誰しも感じ取っているものかもしれない。

第55話

ふとカラダの中を冷たいものがスーッと通り、夏美は自分がどんどん冷静になっていくことに気づく。

目の前には「なんだ、安心した」と笑顔の幸太がいる。

その顔を見ると、少し暖かい気持ちが戻ってくる。


(私はこの人の事が好きだ)


心の中で反すうする。


(好きだから、最善策を模索する必要があるんだ)


今度は自分に言い聞かせる。


(話し合うことで、仲は深まるんだ)


同じことを繰り返さないためにできることはあるか。

ニコリと口角をあげ、幸太に声をかける。


「本当に、困らせてごめんね。同じようなことが起きないために、どうしたらいいかだけ、少し考えさせて」


「同じこと?」


「うん。やっぱり彼女の存在を目の当たりにするのはいい気分じゃないし。かといって、別れてくれって迫るつもりもないから。お互い配慮っていうのかな。いい関係でありたいから」


「なるほどね…」


幸太は腕を組み、うーんとこれ見よがしに悩んでいる。頭の中には、私のことと彼女のとこ、一体どちらが浮かんでいるのだろう。そんなこと考えたって仕方ない。

分かってるはずなのに、考えてしまう。


夏美は揺れる思考を呼吸で整え、幸太にゆっくり提案する。


「一応マナーとして、お互いの相手のことは、あまり見せないようにしませんか?それでも今回みたいな事があったら、聞きたかったら聞くし、包み隠さず説明しあうっていうので、どうでしょう」


ゆっくり、そしてなるべくシンプルに要求を言葉にする。

弘だったら、こういう時「はいはい」とか「ふーん」とか、返答がどっちか分からないまま、話し合いは終わりがちだ。


「わかった。そうしよう! 本当に、夏美には辛い想いをさせちゃって、気づかなくて悪かった」


「ううん。私も混乱したまま困らせてこめん」


2人の間に、少し柔らかい空気が流れる。


「しっかしさー、なんか不思議だわ。こういう時、あんまり冷静に前向きな話ってできたことないから。夏美でよかった。ありがとう」


「え、そうなの?はは、こちらこそ、ありがとう」


なんとなく、照れ笑いでその場をまとめあげる。

それと同時に、心にガサガサした“何か”が、あきらかに引っかかっている。

残りの紅茶を胃の中に流し込み、同時にガサつきも流れてくれることを願う。

水分が喉を通過したあたりで、幸太の感謝の発言は“比較”であることに気づき、夏美は「あ」と思わず声を出す。

「何?」と幸太が聞き返すけど、満面の笑みに、今度は本音を漏らすことができなかった。


NEXT ≫ 第56話:◯◯ちゃんよりも好き。それって本当に言われて嬉しいこと?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第50話:怒りの思わせぶりモード全開!浮気相手は気づくのか?


第51話:怒る権利はないのかもしれないけれど…浮気相手として心の保ち方


第52話:混乱が止まらない!浮気に求めてたものって何?


第53話: ケンカは会えば解決する?噛み合わない会話が引き出した答え


第54話:「別れよう!」いきなり告げられた決断への正しい対処法



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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