恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#49】私は浮気相手。改めて言い聞かせるもスッキリしない気持ち…

  • 更新日:2019/03/19

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前回のあらすじ:幸太に彼女がいた。それも実家に挨拶に行くほどの彼女が。その事実に夏美は打ちのめされ、体調不良が一層加速する気さえする。 なんで自分がこんなにモヤモヤしているのか。熱っぽい頭で考えながら帰宅すると、弘がご飯を作って待っていてくれた。 抱きつきたい。そんな衝動を実行すると、本命に浮気相手から受けたダメージを癒やしてもらう自分に、心底嫌悪する。 「私って最低だな」聞こえないようマクラに向かってつぶやくけれど、状況は何も変わらない。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第49話:私は浮気相手。改めて言い聞かせるもスッキリしない気持ち…

私って最低だな…


そう自分に言ってみても、関係を解消できないってことは、やっぱり自分も最低な女であることを楽しんでいるんだ。


ベッドに突っ伏しながら、夏美は自分のズルさに嫌悪する。

幸太へのムカムカを弘の優しさで中和する。こんな最低なことはない。

そう思うと自分が心底嫌になるけど、だからといって幸太に怒ろうとか、関係を解消しようという気持ちが起きないのが不思議だ。


「夏美、ご飯どうする?」


弘の声に「後で食べる」とだけ答え、ベッドの柔らかさに一旦は我を忘れてみる。


私は一体、何に落ち込んでいるんだろう。幸太にやっぱり彼女がいたことか。それとも幸太が結婚間際の関係性だったことか。それとも、あの時自分を完全にスルーしたことなのか。

ぐるぐると仮説を出しながらも、最終的には『自分がセフレだったという実感』が、夏美をひどく落ち込ませていることに気づく。

同時に頭の片隅に、幸太と万が一にも本当に付き合うとか、弘と別れるかもしれないといった想定があったことにも驚愕する。

第49話

私って最低だな。

今度は言葉に出さず、目を閉じ腹の中でだけ反芻する。

隣の部屋から、テレビの笑い声と、弘の上機嫌そうな声が届く。

まるで私を嘲笑っているみたい。

そう思うと、ムカムカはだんだんと馬鹿げたものに感じられ、頭が次第に冷静になっていく。

『幸太はセフレ。弘が本命』そういう関係性を続けようと、最初に決めたじゃないか。

弘への不満を、幸太で一時的に解消しているだけ。最初にそう思ったはずじゃないか。

何度も確認すると、だんだん元通りの自分に戻り、お腹も空いてくる。

とりあえず着替えよう。手を洗おう。熱を計ろう。ご飯を食べよう。

次にやる順番を確認し、「えいやっ」と力を入れてカラダを起こす。

洋服を脱ぎ捨て部屋着に着替えると、なんだかいつもの自分に戻った気がする。

お味噌汁を盛り付けながら、ポケットのスマホが振動するのに気づき、中を見ると幸太から連絡が入っている。


『今日はお疲れ!体調大丈夫?ていうか、俺なんかした?』


冷静に戻ったはずの感情が、また一気にグワンと引き戻される。

遊園地で、行っては戻るを繰り返す乗り物があったっけ。

そんなことを考えながら、再びめまいに襲われる。


あなたは何もしていないよ。

そう打ち込みたいのに、返信画面には『どうしてそう思うの?』と打ち込んでいた。



NEXT ≫ 第50話:怒りの思わせぶりモード全開!浮気相手は気づくのか?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第44話:浮気から始まる恋は、幸福感とともに悪いクセを呼び起こす


第45話:彼とも浮気相手とも別れられず、決断できない恋愛はどこへいく?


第46話:マンネリ彼氏を前に浮気に走るのは悪では無くて当然のこと?


第47話:悩みすぎて周りに影響も…浮気相手と彼氏、望んだ未来があるのはどっち?


第48話:浮気相手とのいざこざを本命彼氏で癒やす女



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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