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【小説#44】浮気から始まる恋は、幸福感とともに悪いクセを呼び起こす

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:隠そう隠そうと思って家に帰ると、弘と目が会った瞬間、一瞬表情が曇った気がして、夏美は胸が締め付けられた気がする。気づかれていない。気づかれるわけない。自分に言い聞かせるけど、酔いもあってついつい余計なことを喋りすぎてしまう。 「何してるの私!」そう思いながら、とりあえずお風呂にお湯をはり、洋服を脱ぎ始める。すると二の腕の内側に幸太がつけたものなのか、先程の逢瀬のかすかな跡を見つけ、夏美は一瞬で先程の甘やかな時間に意識が持っていかれる感覚を覚え、切なさと不安で混乱し続けるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第44話:浮気から始まる恋は、幸福感とともに悪いクセを呼び起こす

おはよう。

なにげない挨拶をかけあえる関係が、こんなに幸せだったなんて。


彼氏以外の男とカラダを重ねた最初の夜は、ただ緊張と幸せと、そして別れた後の不安だけがあった。こんなに動揺するなら浮気なんてするんじゃなかった。

夏美はお風呂に入りながら、自分のおこないを悔いていた。でもその気持ちには、弘がやっぱり大事だから…というものではなく、面倒を背負い込んでしまった後悔があっただけだ。


『おはよう!今日も1日頑張ろー♡』


何気ない朝のLINEを送ると、幸太からはいつも決まって8時半に返事が帰ってきた。

時間的に、きっと通勤電車の中なのだろう。

ルーチン化された朝のやり取りが、夏美にはとても新鮮で嬉しい変化の1つだ。

彼氏である弘とはデートはおろか、LINEのやり取りすらしばらくちゃんとしていない。そりゃ一緒に住んでいたらそうなる…という頭での理解はあっても、やっぱり少しさみしい自分がいることを、幸太を通して自覚する。


『おはよー今日も頑張ってね!ところで今週どこかで時間作れる?』


幸太からの返事を読むと、心臓が少し縮むような、頬が火照るような、口元が緩むような、カラダのいろんなトコロから反応が返って。

これはつまり、デートのお誘いだ。

2人の逢瀬のルーチンは、だいたい決まって2パターン。

土日に会えば、昼から会って真面目な打ち合わせをしたり、映画やランチなどのデートをしてから夕方ホテルに入り、終電くらいまで一緒にいる。

平日だったら、コンビニでご飯を買ってそのままホテルに入ることもあるし、ただデートして終わることもある。

つまり夏美の予定次第で、次のデート内容や濃度はおのずと決まるというわけだ。


『今週は木か土曜日が空いてるよ』

第44話

幸太の気持ちはどっちなのか。夏美は不安からあえて候補日を2つ出す。できれば一緒にいる時間が長い土曜日を選んで欲しい。

そう思いながら返事を返すと、少しして『じゃあ土曜にしよう。ゆっくり一緒にいたいし』という返事をもらい、夏美の心は安堵し、舞い上がる。


理想どおりの答えをくれる人。

これだ。これが大事にされてるって奴で、このあ・うんが、合ってるってことだよね。

心の中でジャンプしながら、『わかったーありがと♡』と返信を返す。

弘との関係に悩んでいた頃、相手に期待することの愚かさを痛いほど知ったはずなのに。あんなにも、自分のしたいことは自分で相手には伝えると、決めたはずなのに。

今の夏美の頭の中には、あの時の教訓めいた学びの言葉が、1つも浮かんではいなかった。



NEXT ≫ 第45話:彼とも浮気相手とも別れられず、決断できない恋愛はどこへいく?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第39話:憧れの先輩と再接近!今からご飯…その後に何が待っているの?


第40話:「結婚する予定は?」憧れの彼からの答えに、引き戻される恋心


第41話:ついに一線を超える関係、その時頭に浮かんだことは…


第42話:カラダを重ねたあとに湧き出す不安、女の浮気は本当にバレない?


第43話:平然と装うたびに、溢れ出る感情のほころびたち



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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