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【小説#37】再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:幸太への断りは、やんわり流して一旦やりすごすことにした。彼が先輩だからという理由もあったけど、淡い気持ちがなくなりきっていなかったことが大きな理由だ。とはいえ、今は弘と新たに向き合うことにした自分と彼を、大事にしようと決意していた。 借金返済までのスピードを早め、1年後頑張ろうと心に決める夏美。実際弘と夏美、それぞれができることを頑張り始め、関係はよくなっているように感じている。「1年、1年だけ頑張ってみよう」愛よりも目標へのチベーションが、夏美をただ突き動かしていた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第37話:再び動き出す恋模様!1年経って変わったこと

目標というのは決めるまでが1番楽しい。

走り出すと、だんだんとあの時の高まりを忘れ、気づけば前より迷っていることもある。


弘と頑張ろうと決めて、2人での生活を作り上げ、走ってきた。そうして気づいたら、1年が経とうとしていた。確かに借金は減っていったし、完済もあと数ヶ月とゴールが見えてきた。

でも、本当にこれで正解なのか。

最近の夏美の中には、疑問しか浮かんでいなかった。


そう不安を抱かせる理由の1つには、同棲1年という関係が生み出したセックスレスが影響していた。

夏美は最近、2人の行為がうんと減っていたのに気づいていたし、何の気なしに記録してみると、最後にしたのはもう2ヶ月以上も前のことだ。


『セックスレスとは、病気など特別な事情がないのに、1ヶ月以上性交渉がないカップル』

そう定義されていると知り、とたんに足元が崩れる感覚に襲われる。


「私たち、なんでしなくなったんだろう」


理由を振り返ってみるけれど、別に何か行為で大きな問題や失敗があったわけでもないし、2人の仲は変わらず良好だ。

ただ付き合って長いということもあり、最近は恋人というより、家族という感覚が強まっているのは、事実感じていた。


加えて、先日夏美の誕生日があったのに、無駄だと心の中で止めつつも、抱いてしまった“些細な期待”は、やっぱり叶えられることはなかった。

些細な期待とは、借金返済まであと少しとなった今、迎えるべき結婚…という次なるステップへの“けじめ”。つまりプロポーズだ。

夏美は事あるごとに、口に出さずとも弘に期待をつのらせていた。

クリスマス、バレンタイン、付き合い始めた記念日と、チャンスとなる節目に毎回小さく「もしかしたら」と考えていたものの、叶わない現実はただの現実よりも、一層夏美の中に裏切られたという感覚を植え付けていった。

第37話

叶えられなかった夏美の夢は、「本当にこのままで大丈夫かな」と、日に日に不安を募らせると同時に、行動もだんだんすれ違いを生み出すようになっていた。

その最たる行為が、夏美は数ヶ月前から、なんとなく幸太と連絡を取り合っているのである。

とはいえ、あの時のようにデートなどはしていない。もうすぐ結婚するサークルの同期カップルについて、他愛もない話をしているだけの、普通の先輩後輩の関係だ。

ただ、心の中には「もしまた彼と…」という期待がないわけではない。

横でグーグー寝る弘を見ていると、漠然とした不安感が、そう強く思わせる。


「なんで私ばっかり…」


ふいに湧き上がる怒りと不満を胸に、夏美もベッドに潜り込む。

眠る弘の腕に自分の腕を絡めてみると、弘は「ううん…」と、悶えるような声を出し、夏美とは反対側に寝返りを打つのだった。



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■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第32話:30分遅刻して彼親と対面!謝罪の後に待っていた状況


第33話:母親の小さな嫌味!模範回答を探していると、意外な彼からのアシストが


第34話:プロポーズして欲しかった!気づいた自分の中の期待を手放し、出した答え


第35話:一難去ってまた一難。憧れの彼から連絡が入り、女がその時決めたこと


第36話:新たな一歩を踏み出す2人。それは愛か?それとも偽りのモチベーションか?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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