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【小説#30】借金よりも問題は隠し事!気づいたときに起きたこと

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:食事会を明日に控えた夜、夏美の元に季子からの返信が入る。「歩き出す前に自分の嘘に気づけたのですから、今から心を訂正すればよい」そう褒められ、拍子抜けすると同時に、季子から再度借金1つでなぜそんなにも拒否反応が出てしまうのか問われ、夏美は答えに迷う。 怖い、不誠実、計画性がない。言葉を出してみるけど、1つもピンと来ないまま、時間はどんどん過ぎていく。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第30話:借金よりも問題は隠し事!気づいたときに起きたこと

借金は悪いこと。

当たり前に思っていたことも、実はきちんと向き直ると違ったりするの?


「……ハッ!」


目が覚めた瞬間、やらかしたという事実に気づき、夏美は「ギャーーー」と大声をあげていた。


「なに、どうしたの?」


母親が苛立ちながら部屋に入ってくる。

夏美は挨拶も忘れて、その場をうろうろしながら荷物をまとめたり、スマホで時間を確認したりしていた。


第30話

今日は、弘のご両親と4人で食事会の日だ。

11時半に新宿。

夏美の家から新宿は片道1時間。

いまの時刻は10時45分。

どう頑張っても、間に合わない。


「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」


そもそもこの約束に行くべきなのか。そこから問題だった。


「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」


夏美は何となく着替えを出したりしてみるけれど、どうしたらいいのか全然わからない。


「あんた、どうしたのよ!」


母親の大きな声に、はっと、向き直り目が合う。


「どうしよう…今日弘と約束してたんだけど…間に合わない…」


「間に合わないんだったら、連絡しなさいよ!」


「そうか…でも、そもそも行きたくない。かも」


「行きたくないなら、きちんと理由を伝えて相談すればいいでしょ!まあ迷惑かけるけど」


「そうだね…そうだわ」


「とりあえず、駅まで出るなら、送るから声かけなさい」


いつもの口調で母は部屋を出ていく。尋常じゃない娘の焦りを、あえてせかなさないのは、ここ数日感じる母なりの優しさだ。


とりあえず、今の気持ちではご両親に会うことはできないこと。寝坊してそもそも間に合わないこと。2点を簡単にまとめ、弘にLINEを送る。

とはいえ、一応出かける準備はしたほうがいいだろうなと思い、猛ダッシュで着替えて顔を洗い、最低限のメイクを施す。

11時に家を出れば、一応現地には12時に着ける。30分遅刻ですむけど…。

頭の中で一応計算していると、弘からの返信がくる。


『今日のことは、正直来てくれとも言えないし、来なくていいとも思ってないから、夏美の判断に任せます。遅れるのは、平気だよ』


胸のあたりがズシンと重くなる。こういう時『絶対来てほしい。俺も悪かった』とか、熱血ぶってくれたらいいのに……。

いつもないものねだりだな。と自分の気持ちを制していく。


『正直俺はまだ、夏美がどうしてあんなに借金について怒ったのかわからない。でも、起業したことは、話しておけばよかったと思った』


弘ともう一度わかり合いたい。

夏美の中に漠然とそういう気持ちが浮かび上がり、思い立つと同時に、玄関へと向かっていた。

とりあえず、弘に会わなきゃ。

夏美は冷静さもないまま勢いだけで、新宿へと向かうのだった。



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■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第25話:キスの後の「この後どうする?」その時彼女の頭に浮かんだこと


第26話:微妙な温度から戻る二人の仲。そして彼が話した借金の真実


第27話:明かされる彼氏の借金の理由!ただ聞きたかっただけ?それとも安心させてほしかっただけ?


第28話:自分の本音と今後に絶望!頼れるのはもう実家だけ


第29話:「ただ結婚して安心したかった」その事実に気づけただけで、実はいいこと?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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