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【小説#18】ついに始まるプチ浮気デート!その時心の中にいたのは…

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:突然訪れた彼のご両親との会食というイベント。夏美はこの喜ばしい状況に、全く嬉しさを覚えていなかった。その理由は、弘の借金と、幸太という新たな存在だ。 とりあえず行くと返事はしたものの誰とどうなりたいのか自分の中でもよく答えが出ぬまま、問題をついつい全部先延ばしにして眠りにつくのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第18話:ついに始まるプチ浮気デート!その時心の中にいたのは…

デートの待ち合わせをするとき、どんな顔で相手を待てばいいのか、そもそもこんなところに居ていいのか、いつも迷ってしまう。


夏美はスマホの時計をながめながら、待ち合わせ場所へ向かう歩調を無意識に少し落とす。

ずっとこの日を待っていた。

いや。待っていたけど、来なくてもよかったような気もする。


幸太とのデートは、雰囲気の良い創作居酒屋でおこなわれることになった。

男だからか。先輩という立ち位置だからか。性格がそうさせるのか。幸太はとても丁寧に日程を調整し、お店を選び、そして約束を取り決めてくれた。

「今からラーメン屋」といった、ムードも刺激もないデートとは大違いだ。


とはいえ、夏美は今日この約束にどんな気分で望むべきか、万が一にもバレたらどうするのか、何度も何度も頭の中で想像していた。

同時に、もしこのデートや今の揺れる夏美の気持ちを弘が知ったなら、彼はどうするのか。普段感じることのない魔性めいたものが、夏美のカラダの中を熱くする。


「お疲れ!待った?」


夏美が目的地でぼんやり思案していると、数分もせずに幸太も待ち合わせ場所へと姿を現す。


「お疲れ様です!私も今来たところで…」


そう言うと、お互いタイミングの良さに少し照れ笑いしてしまう。

横に並んで歩きだすと、幸太の身長の高さに妙にオトコを感じ、背中のあたりがゾクゾクする。不思議な感覚の原因は、弘とは違うという事実からくることがわかり、小さく胸が苦しくなる。


悪いことはしていない。

そう自分に言い聞かせると同時に「ごめん」という言葉が浮かぶ。

幸太と笑いあい、仕草にドキドキするたび、またごめんという気持ちが微かに生まれる。

それを、幸太の笑顔や優しさや美味しいお酒でかき消していくと、夏美の中には女としての幸福感と安心が満ちていく。


第18話

お造り。和え物。おつまみ。ご飯物。並ぶものを食べ飲み続けると、満腹感と一緒に、目の前の素敵な男性との新しいロマンスへの妄想が広がっていく。


幸太は優しく仕事もしっかりしていて、明るいし気遣いもできる、何より憧れの人だ。良いところをあげると、お酒のチカラも相まって、この人が正解であり理想の人かのような気持ちが芽生えてくる。


それでも、ふとした瞬間覚える喉のあたりの苦しさはなんだろう。

食べつくされたお皿をぼんやり眺めながら、幸太に気づかれないよう考える。

お皿にはお肉や魚などの“えんりょの塊”がちまちま残っている。普段は最後の一切れを食べるのは弘の役目だ。

片付かないテーブルを眺めながら、夏美は目をつむって脳裏に浮かんだ顔をかき消し、そのまま心地よい今にだけ集中することにした。



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■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第13話:棚の中からさらに秘密が!「真実が知りたい」は誰を幸せにするのか


第14話:言い出しにくいお金の話!


第15話:思い出の彼と今の彼!惹かれるのはどっち?


第16話:憧れの彼とのLINEは浮気?揺れ動く女心…


第17話:彼親とのご飯が決定!その時心にいたのは憧れの先輩?それとも今彼?



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  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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