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【小説#12】彼の秘密が発覚!そのとき浮かぶ彼への疑い

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:「大変そうだから外食にした」夏美にとってその優しさは、ただの家事放棄に感じられ、久々の外食も全く嬉しいものではなかった。ムカムカを溜め込んだまま帰宅すると、夏美のいらだちをさらに煽る事件が…。弘あての消費者金融の封書が届いているのだ。聞いてみようと思ったと瞬間、中身を確認したい気持ちにかられる夏美は、こっそりバッグの奥へと封書をしまい込むのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第12話:彼の秘密が発覚!そのとき浮かぶ彼への疑い

彼を信じたいから、彼を調べるんだ。


夏美は青い封筒を見つけてから、ずっと自分の中でその言葉を反芻していた。

彼に見つからないところで、それもできれば静かなところで開けよう。そう思ったら意外と適切な場所とタイミングが見つからず、結局封筒を隠し持って2日後、近所の喫茶店でそれを開けることにした。


封筒を取り出すと、正面には社名とは別のところに、デカデカと『重要』と赤文字で書かれている。カッターでゆっくりと封を切り、中の白い紙を取り出す。それだけで、手にはじんわりと汗がにじんでいる。

三つ折りの紙を丁寧に開くと、そこには『通知書』と書かれた文章と、数字の書かれた表が載っている。


第12話

堅苦しい文章を読み進めると、それがすぐに消費者金融からの借入金の督促状であることがわかった。表の見方はよくわからないが、おそらく借入金は120万円ほど。


「ひゃくにじゅうまん…」


夏美はとっさに普段あまり扱うことのない金額に驚きの声をあげる。同時に、そこに事実は書かれているのに、現実に起きていることではないような感覚になる。


これは本当に、彼の借金なのか。

人違いや、何か事情があるのではないか。

なぜ、彼が私に対して借金を隠しているのか。

一体何に使っているのか。


頭の中をぐるぐると様々な思考がめぐりだし、夏美の眉間には自然とシワが寄り、呼吸が浅くなっていく。


なんでなんでなんでなんで。


ハッハッと出来うる限りの意識で呼吸を整え、疑問ばかりが回る意識を落ち着けていく。スマホを取り出し、まずはこの書類の本当の意味を検索する。

とはいえ、弘が借金をしているという事実が変わらないことくらい、すでに夏美には理解できた。これをどうやって彼に聞けばいいのか。次にはそんな思考が、彼女を襲い始めていた。

なにこれと詰め寄るべきなのか。たまたま間違えて見てしまったと言うべきか。そもそも、勝手に封筒を開けたことを怒られてしまうのではないか。


悪い想像の波がおしよせ、夏美は大声で叫びたい衝動にかられる。


「そもそも、これ以外に彼に秘密はないのかな」


ふいに思いついた想像に、ハッとして背筋が凍りつく。


お互いあまり束縛やマメなやり取りをしない関係だからこそ、弘の生活に難癖をつけようと思えば、いくらでもできる。

帰りが夜中になるとき、彼は誰と会っているのか。

そもそも定期的にある出張は、本当に仕事なのか。

ときどき妙に楽しそうにしているときは、何があったのか。

思い返すほど、不信感はどんどん上乗せされていく。


「確かめなくちゃ」


サッと時計を確認し、伝票を持って立ち上がる。その手が異常に冷たくこわばっていることに、夏美はこのとき初めて気づいた。



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■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第7話:同棲前日!幸せの中にある焦りと不安の正体とは


第8話:幸せなはずの二人の生活がなぜか息苦しい理由


第9話:好きだから頑張る!でもそれって純粋な愛じゃない!?


第10話:愛は信頼とバランス!言われて感じる「頑張る私を否定しないで」


第11話:家事をやらずに心配する彼は優しい男?



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第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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