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【小説#2】結婚したい!彼氏に匂わせたリアクションの結果は…

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:結婚への焦りが高まっている夏美は、彼氏からのプロポーズ待ちでヤキモキする日々が続いていた。そんな時実家に帰省してみたら、そこは思い出の場所ではなく、甥っ子を育てるためのお城になっていた。子育てに邁進する家族を見ながら、焦りと同時に孤独感をつのらせる。結婚したい結婚したい結婚したい。消えない不安と焦りが、夏美の頭を支配し続けていた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第2話:結婚したい!彼氏に匂わせたリアクションの結果は…

理想のプロポーズについて、何回か女友達と話したことがある。

理想は周りの目を気にせず喜べて、思い出に残る感じがいい。

たとえば人気のない夜景のキレイな場所で、彼が指輪を取り出して告白するとか。例えばデートの別れ際に、コインロッカーの鍵を渡されてそこに指輪が入っているとか。

そういうキメる日のデートは、1日中、彼の態度がなんだか落ち着かなくて、それを「もしかして」とドキドキしながら見守り、待ちたいのだ。


夏美は隣に立つ弘のをさり気なく見つめ、自分の理想のプロポーズシーンを念じて送る。弘はスマホゲームに夢中で、態度はいつもと1ミリも変わらない。それどころか、今日は寝坊したらしく、無精ひげが少し見えている。


「どっか行きたいとこある?」


買い物デートと称して新宿にに来てみたけれど、欲しいものはないし、しいて言うなら「結婚」という確約が欲しかった。


本音とは裏腹に、夏美はゆっくりとフロアを見渡し、子供用品売り場に歩み寄る。


第2話

「そう言えばさ、この前実家に帰ったら甥っ子に会ったよ。すごく可愛いんだけど、イヤイヤ期なんだって。成長って早いよね」


なんとなくみのるに似合いそうな服を手に取り、弘の食いつきを待ってみる。


「子供ってすぐデッカくなるから、いい洋服はあっという間に着れなくなるんじゃない?」


そう指摘され、値札を裏返しびっくりする。

こんな小さな布切れが、今日着ている夏美トップスの倍する理由はどこにあるのか。そそくさと王子様用の服を戻し、フロアから立ち去ろうとする。

そもそも、みのるの話題を出したのは、弘に結婚を意識してもらおうと思っただけなのに、弘は1ミリの疑いも持たず、甥っ子トークに優しく耳を傾けている。


「うちも妹に子どもがいるけど、やっぱり顔が似てて、家族なんだなーって思うよね」


「そうなんだー…」


夏美はほんの少し上ずる声を押さえ、言葉の真意を探りながら、会話をもう一歩踏み込ませてみる。


「弘がもしパパになったら、家事も得意だから、いいお父さんになりそうだね」


言い終わると同時に心臓がバクバク早くなり、手汗が吹き出したようになり、思わずつないだ手をはなしてしまう。


「どうだろうねー、なったことないから、わかんないや。なんか腹減ったなー」


弘は無邪気に笑い、夏美の手を取り、レストランフロアへと誘導する。夏美は無理して踏み込んだ疲れと、勘ぐられなかった脱力感から、はははっと力なく笑い返すのが精一杯だった。



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■恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~バックナンバー

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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