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一人の少女が母の死と向き合う『悲しみに、こんにちは』7/21公開

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 数々の新人賞を受賞し、2018年アカデミー賞(外国語映画賞)のスペイン代表にも選出され注目を集める、7月21日公開の『悲しみに、こんにちは』(英題:Summer 1993)。本作は、女性監督であるカルラ・シモンが、自身の幼少期の経験を詰め込んだ、初の長編映画作品です。描かれているのは、母親の死によって少女が初めて生と死に向き合うことになる一夏の物語。新しい家族に引き取られた後の少女の不安や成長が見事に表現されています。

 今回は公開にあたって、監督が語る制作秘話や本作の見所をご紹介します。


あらすじ

フリダは部屋の片隅で、荷物がダンボールに詰められるのを静かに見つめていた。その姿は、まるで母親(ネウス)が最後に残していった置物のようだ。両親を“ある病気”で亡くし一人になった彼女は、バルセロナの祖父母の元を離れ、カタルーニャの田舎に住む若い叔父家族と一緒に暮らすことになる。母親の入院中、祖母たちに甘やかされて育てられていた都会っ子のフリダ。一方、田舎で自給自足の生活を送っている叔父と叔母、そして幼いいとこのアナ。彼らは、家族の一員としてフリダを温かく迎え入れるが、本当の家族のように馴染むのには互いに時間がかかり……。


スペインの新星、女性監督カルラ・シモンが描くのは少女の特別な“ひと夏”。無邪気さと繊細さをあわせ持つ思春期前の少女の心の動きを、美しいカタルーニャの風景を舞台に、丁寧に描写した本作は、ベルリン国際映画祭、ゴヤ賞(スペインのアカデミー賞)などの新人賞を受賞。各国の映画祭でその名を轟かせ、2018年アカデミー賞のスペイン代表にも選出された。


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新しい家族の物語は家族の繋がりと向き合うきっかけに

Q1 自分の経験を映画にする作業とは?

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(c)2015, SUMMER 1993


 本作は、カルラ・シモン監督が自らの経験を綴ったと語っているように、監督の自叙伝のようなもの。しかし、監督は脚本を書くにあたって自分の身の上話であるにも関わらず、頭の中のイメージ世界を一つの構造を持たせて物語にしていくのは難しい作業だったと語っています。そこで監督が思いついたのが、監督自身が新しい家族と過ごした初めての夏のような映像を撮ることで、この“小さい時”の感覚を映画に取り込もうというもの。このプロセスで、様々な登場人物の視点に立って自分の子ども時代を見つめ直すことができたそうです。結果、自分の想像よりもはるかに面白い作品に仕上がったとのこと。

 脚本を書き始めた当初は、「なぜ個人的なことを他人に説明したければならないのか」と思っていたそうですが、書き終える頃には、この作業によって、初めて自分の家族についてたくさんのことを学んだことに気づいたとインタビューで語っています。


Q2 子どもと仕事をする上で、難しかったことは?

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(c)2015, SUMMER 1993


 子ども特有の素直さと各シーンを理解する素晴らしい能力を持ち合わせた子役二人。対するのは、伯父伯母役の俳優。監督は、彼らがリアルな家族に見えるように、撮影前に多くの時間を一緒に過ごさせたり、リハーサルで何度も即興演技をやってもらったりしたそうです。

 監督が語る本作における最も大きな挑戦は、子どもたちにできるだけ自由に演技をさせて、それにあわせたビジュアルスタイルを見つけること。一か所にカメラを据え置き、彼女たちがカメラを意識せずに演技ができるように、とてもシンプルなシークエンスショットを用いることにしたそう。この撮影スタイルによって、観客がまるで自分のアルバムやホームビデオを観ているかのような感覚で、フリダとその家族たちのドラマを楽しめるような効果が生まれたと明かしています。


Q3 映画が示す“家族とは何か?

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(c)2015, SUMMER 1993


 私たちは、生まれた時から当たり前のように「家族」と一緒に生活をしています。普段の生活では、家族とは何かについて深く考えることもありません。家族とはこういうものだという何となくの理解で生きています。

 しかし、フリダと新しい家族たちにとって、この家族の繋がりというものは簡単に見つけられるものではありません。昨日まで叔父、叔母、いとこだった人たちが、突然、父親、母親、そして妹になるのです。彼らは家族の輪の形を変えたり、場合によってはその輪自体を新しく作り出さなければなりません。フリダは新しい家族の中で自分の居場所を確立しなければならないし、叔母マルガと叔父エステバは、フリダを実の子のように愛することを学ぶ必要があります。アナもお姉さんとしてフリダを受け入れないといけない。この映画は新たな家族ができる過程を観察することによって、家族の繋がりについて問い直していると監督は語ります。


筆者が思う見どころはココ!

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(c)2015, SUMMER 1993


 筆者の思う見どころは、おとなしくしていたり、かと思えば新しい家族を試すような行動を取ったりする映画全体を通してのフリダの変化。幼いフリダの戸惑いや不安が手に取るように分かります。実の年下の兄弟がいても、両親の愛情が下の兄弟に向けられることが多いとモヤモヤしますよね。きっと、引き取られたフリダならなおさら寂しさや違和感を感じるはず。新しい家族を試すような行動を取った理由も、兄弟がいる身だとよく分かる気がします。

 そんなフリダも、やがて新しい家族に馴染んでいきます。一方、叔母夫妻に引き取られる原因となったフリダの両親の死因については、最後まで語られません。ただ、当時の時代背景や怪我をした時の周囲の反応から考えると、死因は自ずと分かってくると思います。

 これ以上はネタバレになるので細かくは言えませんが、フリダの新しい家族はきっと家族の繋がりを見つけられる気がします。たったひと夏の物語ですが、確実に言えるのは、フリダは楽しい夏を過ごしたということ。カタルーニャという美しい場所が舞台なこともあるかもしれませんが、とにかくすべてが瑞々しい……!

 この夏、フリダの過ごした夏をかつて自分も少女だった時代を思い返しながら、ぜひ追体験してみてください。



『悲しみに、こんにちは』は7月21日(土)渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開


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  • 女子カレ編集部

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