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「未婚の母は哀れ」は古い。あえて一人で出産・育児をする女性たち

女性を幸せにする本

今年(2018年)の初め、漫画家の浜田ブリトニーさんが、結婚せずに未婚で母になることを公表しました。(※1)


浜田ブリトニーさんは、お付き合いしている男性との結婚観が合わなかったことや、自身が会社経営をしていて経済力があることから、あえて未婚で母になることを選んだといいます。


「子供がかわいそう」「自分のわがままで子供を片親にするのか」とバッシングされかねない案件ですが、浜田ブリトニーさんは、漫画家としてあえて公表し発信していくことで、同じような境遇にいる人の励みになりたいと考えているようです。


年収200万以下、38歳の女性が選んだ『おひとりさま出産』という選択

未婚で出産をすることを公表されている漫画家さんは、浜田ブリトニーさんだけではありません。


漫画家の七尾ゆずさんは、コミックエッセイ『おひとりさま出産』にて、結婚せずに出産・育児をする様を赤裸々に綴っています。


ナナオさん(作中ではカタカナ表記になっているため、ここでもカタカナ表記させていただきます)は、38歳の漫画家志望の女性です。


いつか漫画家として活躍したいと夢を抱きながらも中々芽が出ず、バイトしながら漫画を書き続ける日々。当然、収入も芳しくなく、年収は200万円にも届きません。


そんなナナオさんの彼氏は、イケメンで早稲田卒のフリーライター・ミウラ。社交的で明るい性格ですが、すべてにおいてだらしなく、借金持ちで、国民健康保険すら支払っておらず、税金滞納で銀行口座を差し押さえられているのに、海外放浪や飲み会が大好きないわゆるダメ男です。


ナナオさんは、30代後半になり、「子供が欲しい」と思い立ちますが、借金持ちでだらしないミウラとの結婚は望んでいません。そこで、ミウラを子作りだけ協力してくれるように説得し、タイミング法で妊活することを決意。5ヶ月目にして、念願の妊娠をします。


妊娠

とはいえ、これでメデタシメデタシとはなりません。これまでは、ひとりで節約しつつ生活していたためお金はあまり必要ありませんでしたが、子供を育てていくとなると、出産費用や教育費など必要なお金が増えていきます。


ナナオさんは、「お金にならない漫画はやめてバイト増やす!アラフォーでバイトなんて惨めだと思ってたけど、これが全部赤ちゃんの為だと思うと、なんか楽しくなってくる」と前向きにバイトに励むようになります。


バイトを掛け持ちして働き、極限まで切り詰めて質素な生活を送る姿は、「ここまでするのか」という驚きの連続です。


金銭的な問題だけではなく、母親との関係でもナナオさんは悩まされることになります。「未婚で出産なんて恥ずかしい。正月も帰ってこなくていい。うちの敷居はまたがせない」という頑固な母親の気持ちを軟化させるために、あらゆる説得を試みます。


一見、子供のために漫画という夢を諦めたようにみえたナナオさんですが、この経験を漫画に描くことで単行本デビュー。貧乏生活に耐えながらも、出産・単行本出版という夢を同時に叶えることができたのです。


さいごに。未婚の母は増加しているが、金銭的問題は依然として残る

貧困女性

総務省統計研究研修所は、2015年の調査(※2)で、未婚で母になる女性の数はここ5年間で急増していると発表しており、未婚で出産・育児を選択する人が増加している現状が明らかになっています。


また、未婚の母になる年齢のピークは、2000 年及び 2005 年には30〜34 歳、2010 年には 35〜39 歳、2015 年には 40〜44 歳と、未婚の母として出産をしている人の年代が上がってきていることも示されています。


浜田ブリトニーさんは、妊娠を機にこれまで隠していた38歳という年齢を公表しました。七尾ゆずさんが出産したのは、39歳です。ともに、医学的には高齢出産と言われる年齢です。


「結婚せず出産・育児を行う高齢出産の女性」は、これまであまりメディアで見かけることはなかったように思いますが、ここ数年、未婚の母が急増していること、未婚の母の出産年齢が高齢化していることを鑑みると、今後は増加していくと考えられます。


実例が増えてくると、未婚の母に対する偏見や風当たりは少なくなってくるでしょう。ただし、未婚の母には、結婚後離婚したシングルマザーと同様に、金銭的な問題が未だにつきまといます。


平成28年に厚生労働省が発表した調査(※3)によると、シングルファーザーの平均年間収入が420万なのに比べ、シングルマザーの平均年間収入は243万と大きく下回っています。


離婚してシングルマザーになった場合は、寡婦控除という税制上の優遇処置を受けることができますが、未婚の母の場合にはこういった控除も受けることができません。


未婚の母に行政の支援が行き届いていない背景には、これまで結婚せずに出産するというケースが想定されていなかったことが挙げられるでしょう。


日本の少子化問題が深刻になっている昨今、未婚でも、離婚や死別によるシングルマザーでも、健全に子育てができる社会的サポートが受けられるよう、社会の仕組みを変えていく必要があるのではないでしょうか。



※1 HUFFPOST

https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/hamada-britney_a_23369877/


※2 シングル・マザーの最近の状況

http://www.stat.go.jp/training/2kenkyu/pdf/zuhyou/single5.pdf


※3 ひとり親世帯の平成27年の年間収入

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188167.pdf



今回ご紹介した本

『おひとりさま出産』

著者:七尾ゆず

出版社:集英社




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  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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