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副業で100万稼げたらいいと思わない?ネットワークビジネスの魅力と闇

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カフェで仕事をしていると、隣の人の会話が聞くともなく耳に入ってくることがよくあります。平日の昼間に多いのは、主婦友達のおしゃべりや、仕事仲間とのちょっとした打ち合わせ、「一緒に勉強しようね」といって集まったであろう学生カップルです。


自分とは違った属性の人たちの会話は面白く、ついつい聞き入ってしまうこともあります。中でも私が興味津々になってしまうのは、ネットワークビジネス(マルチ)の勧誘をしている人と勧誘を受けている人の会話です。


カフェにほぼ毎日出没するということもあり、これまで覚えているだけでも5組以上の勧誘シーンに出くわしたことがあります。地元関西に住んでいたときは、あまり目にしない光景でしたが、首都圏では盛んに行われているようです。


彼らは「お給料とは別に、○万円入ってくる」「仕事をやめて不労所得で生活できる」といった甘い言葉で勧誘を行います。


甘い言葉にのり、不労所得を夢見てネットワークビジネスに参入したら、その先には何が待っているのでしょうか?


今回は、ネットワークビジネスに参入するリスクについて考えてみたいと思います。


ネットワークビジネスの魅力と闇を描いた小説『ニューカルマ』

ネットワークビジネスにハマる危険性を描いた作品に、新庄耕さん著『ニューカルマ』があります。


主人公は、大手総合電機メーカー・モリシタの子会社に勤務する営業マン・竹田ユウキ。ある日、昔の友人から強引にネットワークビジネスに勧誘されます。当初、ユウキはネットワークビジネスについての知識は皆無で、「ねずみ講」と同じようなものだと感じ拒否反応を示しますが、説明を聞いていくうちに違った思いを抱くようになります。


昔の友人から勧められた美容関連商品を販売するウルトリアという会社は、福祉活動を積極的に行なっており、アフリカの子供たちのために学校や病院を建てる援助をしているというのです。また、ネットワークビジネスはねずみ講とは違い、完全に合法なビジネスであることを知り、興味が湧いてきます。


「ネットワークビジネスとは、宣伝広告をしたり販売員をやとったり店舗を構えたりすることなく、口コミで商品を流通させる会員制のビジネスであり、参加することで数多くのメリットがある」とユウキは理解したのです。


まず、普通の会社員のように、何時から何時まで働かなくてはいけないとか、オフィスに必ず出社しなくてはいけない、というしばりがなく、自由だというところに惹かれ、「労働収入とは違う権利収入を得られる。経済的自由・時間的自由が得られる」という甘言に惹かれ、入会を決意します。


ユウキが半信半疑ながらもネットワークビジネスに手を出してしまったのは、2つの原因がありました。ひとつは、勤め先が激務で俗に言うブラック企業体質のうえに、業績がふるわずリストラされている社員もいて、先行きが不透明なこと。もうひとつは、身体的障害がありながら市議会議員に当選した親友タケシに対する劣等感でした。


収入が上がる男性

ネットワークビジネスでなら、一発逆転できるかもしれないと考えたユウキは、勧誘にやっきになり、一時は月収70万円を上回り、勢いで本業の会社を退職してしまいます。ところが、その後、月収は右肩下がりになり、これまで以上に必死で勧誘をしなければならない状態へと追い込まれていくのでした。


ユウキは、「極端に言ってしまえば、寝ててもお金が入ってくる不労所得なんです。権利収入ですから。一度歯車が回りさえすれば、経済的自由も時間的自由も手に入る。ノルマに追い回されることもないし、誰かに振り回されることもありません」と、自分が勧誘された言葉をそのまま用いて、会員を増やそうとやっきになっていきます。


実際には、なりふり構わず知り合いを勧誘したおかげで、友達は離れていき、会員も順調には増えず、本業も失い、日々収入が下がっていくことに怯える毎日を送りながらも、「この仕事は楽して稼げる」と他人を勧誘する日々に、どんどん精神がすり減り、ついには、使うあてもない商品がひしめく部屋で引きこもり状態になってしまうのでした。


ネットワークビジネスに参入しない方がいい理由4つ

困る男性

『ニューカルマ』では、主人公が引きこもりになった先も描いており、一度はまったらなかなか抜け出せないネットワークビジネスの魅力も描かれています。


ネットワークビジネスは、合法的なビジネスであり、稼いでいる人がいないとは言えません。ですが、現代の日本では、絶対に参入しない方がいい、と私個人は感じています。


理由は主に4つあります。ひとつは、現状ネットワークビジネスのイメージが悪すぎるからです。いくらその仕事が楽しくて稼げていても、「ネットワークビジネスをしています」と堂々と言える人は少ないのではないでしょうか。今後どうなるかは分かりませんが、「ねずみ講まがいの仕事」だと感じている人が多い現状では、仕事を誇りに思うことはできないでしょう。


ふたつめは、友達や家族を失う可能性が高いからです。「友達だと思ってご飯にいったのに勧誘された」となれば、気分を害する人もいるでしょう。「あの子ネットワークビジネスしてるんだって」という噂が広まれば、「連絡をとるのはやめよう」と考える人も多いはずです。


みっつめに、儲かる可能性が低くビジネススキルも身につきにくいからです。ネットワークビジネスは最初に始めた人が一番儲かる仕組みになっているので、後から参入してもなかなか稼げるようにはなりません。また、そこでしか使えない知識を身につけるため、いくら頑張っても、ビジネスのスキルや自分で考える力は身につかないのです。


さいごに、嘘が多いビジネスだから、ということが挙げられます。ネットワークビジネスの中には、経皮毒(皮膚を通して毒が体内に溜まるとする造語)という言葉で不安をあおり、商品を販売することがあります。平成20年には大手ネットワークビジネスのニューウェイズの事業者に対して、経皮毒という科学的根拠のない言葉を用いて商品の販売を行なったとして業務停止命令が出されました。「この商品が一番素晴らしい」と嘘をついてまで勧誘しなければならなかった人たちが、「ほとんど働かずに不労所得で豊かに暮らしている人」だとは到底思えません。


さいごに

ネットワークビジネス

今回は、ネットワークビジネスに参入するリスクについて述べてきました。

辛いときほど、おいしい話には裏がある、と認識しておくべきでしょう。



今回ご紹介した本

『ニューカルマ』

著者:新庄耕

出版社:集英社




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    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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