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【小説#17】ついに運命の話し合い!でも秘密がバレて思わぬ険悪な空気に

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:突然の呼び出しに応じたら、そこには真紀だけでなく正典がいた。一体どういうことなのか。苛立つ遥に、正典は衝撃的な発言をする。「家族でいる後藤さんを見た」その事実に焦る遥だが、さらに悲しい事実は続く。「ネズミーランドにいた」あの時行かないと約束した場所に、哲也は行っていた。正典の言葉に、遥は目眩を覚え、そしてはじめて絶望というものを体感するのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第17話:ついに運命の話し合い!でも秘密がバレて思わぬ険悪な空気に

茹でガエルの法則。

カエルを水の中に入れてだんだん湯を熱くしていくと、カエルは気付かずに死んでしまうといわれている。


遥は電車で隣に座る女性のカバンについたカエルのキーホルダーを見て、残酷なイメージを脳裏に浮かべる。

持ち主の女性はスマホの画面に楽しそうに見入り、素早くメッセージを打ち返している。

軽やかなレスポンスが羨ましい。遥は気づかれないよう観察しつつ、対象的にこれから待つ時間が、確実に楽しいものでないことを覚悟する。


妊娠疑惑にネズミーランドでの目撃情報。どちらから片付けるのが正解か。はたまたどちらも今日解決するのはやめてしまうべきか。

ベストな正解を探すほど、頭の中がふやけていくようだ。


あの後正典は「見間違えの可能性もある」と、ボーゼンとする私に、優しく告げた。でもそれが明らかなフォローであることくらい、混乱した遥でも分かっている。

分かっているのに、哲也に「それはきっと見間違えだよ」と諭されたら、上手く切り返せる自信がない。


自分の発言と彼のリアクションを1つ1つ想像していたら、あっという間に自宅に到着してしまう。


せめてお酒くらい買っておけばよかった。


そう考えた直後、自然とアルコールに逃げようとしなかった自分に気づき、芽生え始めた母性に、なんだか照れて笑ってしまう。

遥は自宅のドアの前に立ち、哲也との平穏で甘やかな日々を思い出す。そして“ひと山”を越えた後も、幸せが続き、そして関係が前進することを祈り、扉を開ける。


「ただいま。遅くなってごめんね」


いつも通り靴を脱ぎながら、部屋の奥へと視線を伸ばすと、哲也の背中だけが見える。

いつも通りの返答は、ない。


「怒ってる?」と思わず漏れそうになる声を抑え、背中から漂う雰囲気や、部屋の空気の重さを感じ取る。

彼が不機嫌であることは容易に理解できた。


「いやーごめんごめん。真紀の話長くてさ。ご飯まだ食べてないよね?」


きっと話があるって約束したのに、遅くなったから不機嫌なんだ。

そう思い込み、あえて気軽に声をかけ続け、遥は哲也の背中からひょっこり覗き込む。


「あっ!」


思わず声が出てしまったが、哲也の手には遥がこの数日間、こっそり進めていた、ゲーム機が握られていた。

当然、手渡された時よりもゲームは進められているし、なんならキャラクターが扱うモンスターの名前も、色々変えていた。


「それ……」


親に怒られる前の子どものように哲也の顔に視線を移すと、睨みつけるような不機嫌顔が待っていた。


「これ、なんかした?」


重くゆっくり、哲也が問いかける。


「ご、ごめんなさい」


反射的に丁寧な謝りを入れる。哲也が呆れたような大きなため息をつく。

「ごめんね」ともう一度つぶやきながら、遥の心には、なんで謝る必要があるのか、解せない感情が湧き上がってくるのだった。



NEXT ≫ 第18話:「わかってほしいのは辛いという気持ち」話し合いで男と女がすれ違う理由




■恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~バックナンバー

第12話:猫で孤独を癒やしても、結局ひとりぼっち


第13話:まさか私が不倫で妊娠?! 万が一が起きた時考えるべきこと


第14話:彼の不安な不倫関係!不安すぎてついに自分の痕跡を残し始める


第15話:女が不倫で静かに狂うときやること


第16話:不倫相手の噓!? 告げられた絶望の真実は…


  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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