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【小説#2】「不倫やめて」女友達のおせっかいは聞き入れるべき?

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

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前回のあらすじ:親友の真紀に誘われ、気乗りしない合コンに参加した遥。しかし酔っ払った正典にセクハラまがいのことをされ、帰りたい気持ちをつのらせる。調子に乗る親友を冷めた目で見つめながらも、反省会では遠慮のない女子会トークが繰り広げられる。そのとき、遥の携帯に恋人で不倫中の哲也からメッセージが入る。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第2話「不倫やめて」女友達のおせっかいは聞き入れるべき?

哲也からのLINEは、いつもマメで気さくで、私を安心させてくれる。

“ 飲み会終わった。遥は何時頃帰ってくるの? ”

文面が目に入ると同時に、じわっとなにかが流れてきて、急に体温が1度上がったようになり、胃の表面がピリピリとしびれてくる。心臓がバクバクと波打ち、無性に叫びたい衝動にかられる。

遥は瞬間的に哲也の腕の暖かさを想像していた。正典の肉厚で強引で酒臭いものとは違う。細いけれど筋肉質。遥の動きを無理に制限しない。けれど逃さない。包み込むような優しく官能的な哲也の包容。


「誰?彼氏?これから?」

つかの間の妄想を遮るように、今度は真紀がじっと覗き込む。

「ああ、うん。これから家で会う」

遥はにやけた口元をコーヒーで整え、席を立とうとする。


「あんた、まだ続けてんの?それ、不倫の彼でしょ!」

“不倫”というフレーズに、店内にいるお客の耳が、一斉にこちらを向いた気がする。

「え、あ、あ、まあ……」

立ち上がった足が、好奇の刃に、その場から一歩も動けなくなってしまう。

「あんたって美人なのに。体の無駄遣いしすぎ!」

真紀のピシャリとした優しさが、全員の耳に響き渡る。親友は容赦がない。


遥は力を込めて足を踏み出し、カップを戻し足早に店内を後にする。後ろから真紀が追いかける。

「もう1年だよね?向こうは離婚する気あんの?」

「ねえ、そいつの何がいいわけ?」

「あんた彼氏作ろうと思えば、全然できるのに」

執拗な追い打ちに「ああ」とか「うーん」とか「そうだね」と、曖昧な返事を絞り出し、「とりあえず、ありがとう」と言って、JRの改札をくぐる。


真紀は地下鉄だから、もう追いかけてはこないはず。不満と心配がこめられた彼女の顔に向かい「そんな心配されるようなヤツじゃないって」と、聞こえないように言い返し、遥はホームへと駆け上がっていく。



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■恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~バックナンバー

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間


第2話:「不倫やめて」女友達のおせっかいは聞き入れるべき?


第3話:4年彼氏ナシ女と不倫女子!どちらが幸せで充実した人生か


第4話:不倫は普通の恋愛と変わらない!罪悪感ないけど何か問題ある?


第5話:不倫の疑心暗鬼は、他の男で解消するもの


  • おおしまりえ(恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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