草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

草彅剛「この映画は僕の代表作で集大成!」映画『ミッドナイトスワン』インタビュー【後編】

  • 更新日:2020/09/24

【後編】では完成した本編をご覧になられた感想とコロナ禍での生活を中心にお話しを伺いました!

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僕自身に近くて良いんだなって思い演じました

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──内田英治監督は、カメラ・テストをしないと伺っていますが。

草彅: 僕もテストをしないのが好きなんですよ。色んな監督さんがいて、リハーサルをたくさんやって作り込んでいく……という方もいらっしゃって、そのやり方の素晴らしさもわかってはいるんです。でも、今回の役は特にそうだと思うんですけど、あまり計算して考えて演じても上手くいかないんじゃないかなって直感的に思ったところがあって。どんどんどんどん監督が撮って進めてくれた結果、僕の中でも変にこだわることなく、僕自身に近くて良いんだなって思えるようになってきて。それこそ、今日の体調でやれば良いんだみたいな感じになってきたんです(笑)。


──何度もテストを重ねると、かえって迷いが生じると。

草彅: そうですね。もうちょっと「女性らしさって何だろう」とか考えたりしたと思うんですよね。だから、そこの部分では内田監督とは合っていて、最強のコンビでしたね。


この映画は僕の代表作で集大成!

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──完成した本編をご覧になっていかがでしたか。

草彅: 余韻がすごく残ったんですね。これまでも、自分の作品を観て「あ~、なんか良いな~」って席を立てないこともあったけど、ラストはネタバレになるので詳しくは言えませんが、すごく幸福感に満ちていて、それがすごい余韻に変わって、打ちのめされた感じでホントに席を立てないぐらいだったんですよ。関係者試写で観たんだけど、これが普通に映画館に行って観ていたら2分間ぐらいはその余韻に浸っているんじゃないかな……って。


──別のインタビューで本作が代表作になるんじゃなかって思われたとお話しされていましたが。

草彅: 大体ね、いつもそのコメント言うんですよ(笑)。でも、実際そう思っているし、その時々にやったのが僕の代表作で、かつ集大成だと思っています。今回で言えば、自分が意図していくらやっても出来ない演技や一果との関係性とかも含めて、映画自体が全てリンクしているように感じられたんです。ひとつの奇跡とでも言うのかな。良い偶然が重なって、すごい作品に出られているんだなって。感覚的にそう思えて、手応えを感じたので“代表作”なんて、自分で言っちゃったんです(笑)。

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──改めて、本作のテーマについて、出演されて思うところありますか。

草彅: やっぱり、人を思いやる気持ちとか、その人のことを認めてあげるとか。そして、また自分自身を認めて許してあげる──そういうことがすごくポジティブに描かれていて、人の人生にはものすごく大事なことなんだなって思いましたね。凪沙はやっぱり、生まれてきてずっと、どうしても自分自身を許せないところがあって。でも、一果と出会ったことによって、少しずつ許していけたんじゃないかなって思うんですよね。このことって、誰にでも置き換えることができると思うので、そこにこの映画の一番のテーマだったり優しさがあるのだと思います。


日常の持つあたりまえに感謝

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──ところで、今回トランスジェンダーや母性を体現されて、御自身の中で変化した価値観とかってありましたか。

草彅: 大きく変わったことはないんですが、より身近にあるモノを大切にしようという気持ちが芽生えてきたというか。もちろん、以前からそういう想いはあったんですけど、その気持ちがより強くなったんじゃないかなって思います。


──つまり、何気ない当たり前の“日常”を大切にするということですね。

草彅: そうですね。こういうコロナ禍の時期もありますし、日頃ホントに感じていることとか当たり前のことでも、普通のことってすごく幸せじゃないですか。朝、起きれることさえも。毎日、普通に過ごしていると、そういった日常のありがたさを忘れがちになってしまうところがあるじゃないですか。


──“当たり前”だからこそ「ありがとう」を忘れがちですよね。

草彅: そうそう。だから、親にも感謝しなきゃいけないし。やっぱり、人はひとりでは生きられないんだなって。そんなことをシンプルに自分自身で受け止められることが、よりできる様になったんじゃないかな──と思います。


一番の息抜き法は映画観賞

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──ちなみに、今回のコロナ禍での生活で見つけた一番の息抜き法といったら?

草彅: やっぱり、映画かな。面白い作品を観るとすごく没頭できるし、余計なことを考えなくていいので、今という時間に集中できるしね。楽しくさせてもらえるのはもちろん、心を豊かにさせてくれるし。


──具体的にどんな作品をご覧になりましたか?

草彅: 前から観ているけど『レオン』だね、やっぱり。それと、先日公開された韓国映画『パラサイト 半地下の家族』のキャンペーンで来日したポン・ジュノ監督に会ったこともあって観たんだけど、ジュノ監督の『オクジャ/okja』。あとはタランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』は何度観ても心ウキウキするしワクワクさせてくれるよね。『バットマン』も良い! やっぱり、何度観ても好きなものは変わらないし良いんだよね。


──海外の作品を中心にご覧になる事が多いんですか?

草彅: そんなことはないですよ。最近だったら白石和彌監督の『孤狼の血』とか。もちろん、(香取)慎吾ちゃんの『凪待ち』や(稲垣)吾郎さんの『半世界』も観ましたよ。全然、ジャンルは問わずで、ね。

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──心を揺り動かされる程の愛が溢れた『ミッドナイトスワン』、草彅さんの代表作としてたくさんの方にこの愛が届いて欲しいと願うばかりです。本日はありがとう御座いました。


★映画『ミッドナイトスワン』は9月25日(金)より全国ロードショー

最長!世界初925秒予告

プロフィール

草彅剛(くさなぎ・つよし)
1974年7月9日、A型。1991年、CDデビュー。主な出演作に『クソ野郎と美しき世界』、『まく子』、『台風家族』などの映画や『任侠ヘルパー』、『嘘の戦争』などのドラマがある。近年では『道』、『アルトゥロ・ウィの興隆』などの舞台にも参加。来年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』では徳川慶喜を演じることが決定。


配給:キノフィルムズ
©2020 Midnight Swan Film Partners



<writing:鈴木一俊/photo : 川しまゆうこ>

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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