草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

草彅剛 トランスジェンダー役で圧巻の“母性”を表現! 映画『ミッドナイトスワン』インタビュー【前編】

  • 更新日:2020/09/23

 草彅剛さんの最新主演映画『ミッドナイトスワン』が間もなく公開されます。トランスジェンダーとして生きる凪沙と親のネグレクトを受けてきた少女・一果の、常識と性を超えた“愛のカタチ”を描いたヒューマン・ラブストーリーです。【前編】では初めてのトランスジェンダー役に挑んだ草彅さんに役作りと一果役の服部樹咲さんとの共演について伺いました。


“そぎ落とす作業”に集中してのぞめた

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──今回演じられた主人公・凪沙はトランスジェンダーという特殊な役、設定でしたが、演じる上で参考にされたことはありましたか。

草彅剛(以下、草彅): 内田英治監督がトランスジェンダーという個性への感心や思いがあったからだと思うんですが、事前に資料を用意して下さったり、実際にトランスジェンダーの方と会う機会を設けて下さったんです。そういった中で、表現することに対してのヒントが色々と生まれてきて役作りに繋がった部分はありました。


──役的にもキャラクターを作り過ぎるとコミカルになってしまいますよね。演じるなかで意識された事はあるんでしょうか?

草彅: 演じ過ぎるとくさくなるというかね。だから、ホントに何も考えないで……というか、極力そぎ落とした部分はありました。

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──メイクなどのビジュアル面で苦労されたことはありましたか。

草彅: メイクさんがホント、上手くて(笑)。衣装もスタイリストさんにおまかせしていたので、自分としては特には何もやっていないんです。完璧に作り上げてもらったという感じがしていたので、僕的には「大丈夫!」と。自然なカタチで銀幕に溶け込めたら良いな……って思っていたので、メイクさんたちがバッチリやって下さったお陰で、僕も余計なことをしないでいようという“そぎ落とす作業”に集中できたと思います。


一果が可愛くなってきました

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──物語が展開するにつれて凪沙の心にも変化が生じてきますが、草彅さんも演じる上で役にのめり込んでいった……という感じだったのでしょうか。

草彅: やっぱり、一果との二人の関係がこの映画の“核”になっていくんだなっていうのは台本を読んだ時点で感じました。だから、彼女のことをホントに愛おしいなとか守ってあげたいなって思うのが一番大事だなと思ったので、それに務めました。でも、実際は、そんな風に意識して思わなくても、一果が可愛くなってきたんですよ(笑)。あとは、撮影も、ほとんど順撮りだったので、その流れで自然と感情が生まれていったところはありました。僕の中に少なからずある“母性”というか、お母さんみたいな気持ちに気付かせて、呼び覚ませてくれましたのはホント、樹咲ちゃんのお陰だと思います。


──その一果役の服部樹咲(はっとり・みさき)さんのお芝居もとても自然でしたね。

草彅: 樹咲ちゃんはこれが初めての映画だったんですよ。最初に会った時と撮影終盤の時とでは全然、違うんですよね。どんどん成長していく過程を近くで見ていると、僕もなんだかどんどん愛おしくなってきて。母親の気持ちはわからないけれど、最初に台本を読んだ時に涙が溢れてきて、この気持ちって何なんだろうなって。あやふやで何かよくわからない、でも何だか愛おしいような気持ちみたいなものが台本を読んだ最初の時にあったので、それと全く同じ様な感覚で湧いてきたのかなって思います。

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──成長って、具体的に言うと?

草彅: 撮影期間はひと月ぐらいでしたけど、実質的に背が伸びたよね(笑)。顔つきも変わって、もう全然違うんですよね。たぶん、内田監督に相当もまれたからなのかもしれないですけどね。外見だけじゃなくて、実際に一緒にいた撮影初日のお芝居と以降のお芝居の感じは全然違うんですよ。これは“慣れた”……とかじゃなくて、そこにあるものを、撮影現場の全てを吸収していった……って感じだったんですよね。例えていえば、植物が水分や栄養素を吸収していっているみたいな(笑)。


──なんだか母親が自分の娘の成長を見ているような感想ですね(笑)。

草彅: (笑)。元々、彼女はバレエをやっていたけど、バレエのシーンの撮影の時もすごく違ったんですよね。とても純粋で、すごく才能豊かなコだと思っていました。内田監督も、彼女がその瞬間、瞬間でしかできないことを上手く引き出せたんじゃないかなと思います。


──草彅さんも服部さんも、撮影最終日はお互い辛かったり、淋しかったりしたんじゃないですか。

草彅: そんなんでもなかったかな(笑)。僕は僕でお芝居をやり終えた達成感でホッとした心地良さの方が大きかったし。樹咲ちゃんも、すぐ側に本当のお母さんがいたからね(笑)。これから彼女は女優として色んな作品に出て大きく羽ばたいていくんじゃないかと思うけど、そんな彼女の最初の作品の相手が僕だと思うとすごく嬉しいし誇らしいよね。だから、彼女が将来、素晴らしい女優さんになったときのことを考えて「樹咲、偉くなって、おじいちゃん役とか必要になったら、僕のことを指名しろよ」って今から、言っておこうかなって思っています(笑)。

草彅剛さん『ミッドナイトスワン』インタビュー

──服部さん、子役としての伸びしろはとても大きく期待も感じられますよね。【後編】では本作をご覧になっての感想やコロナ禍での生活……といったプライベートを聞かせていただきたいと思います。


>>インタビュー後編は9/24公開。お楽しみに!!


★映画『ミッドナイトスワン』は9月25日(金)より全国ロードショー

最長!世界初925秒予告

プロフィール

草彅剛(くさなぎ・つよし)
1974年7月9日、A型。1991年、CDデビュー。主な出演作に『クソ野郎と美しき世界』、『まく子』、『台風家族』などの映画や『任侠ヘルパー』、『嘘の戦争』などのドラマがある。近年では『道』、『アルトゥロ・ウィの興隆』などの舞台にも参加。来年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』では徳川慶喜を演じることが決定。


配給:キノフィルムズ
©2020 Midnight Swan Film Partners



<writing:鈴木一俊/photo : 川しまゆうこ>

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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