バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

バカリズム OLの日常を淡々と綴る“狂気”!?映画『架空OL日記』スペシャルインタビュー【前編】

  • 更新日:2020/02/28

 お笑い、脚本、俳優……と多くのステージで、独特のエンターテインメントを発信し続ける芸人・バカリズムさんがOLになりきって綴ったブログ『架空升野日記』。描かれるOLたちの日常への共感と書き手が男性ということに驚きが多く寄せられた。本日記の書籍化、ドラマ化に続き、待望の映画化! ドラマでは原作、脚本、主演と一人三役を務めたバカリズムさんが映画でも三役を続投。【前編】では日記の成り立ちを中心に伺いました。

自分と一番ギャップがある“OLの日常”

バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

──元々の日記(ブログ)の成り立ちを聞かせて下さい。

バカリズム:  当時、ピンになったばっかりで全く仕事が無かったんです。でも、何かやりたいという時に暇つぶしにバイトをやりながら空き時間を見つけて、ちょっと携帯を触りながらやっていたんです。


──仕事とは関係無かったんですね。

バカリズム: もう一番純粋な創作意欲……何か面白いものを作りたい、身の周りの人を笑わせたいという思いに駆られて、でしたね。


──OLの日常を題材に選ばれたのは?

バカリズム:  それは完全に自分と一番かけ離れている印象のあったものだからですね。僕自身はすごい夜型で生活パターンも全く逆。しかも性別も違うし。


──つまり、ギャップがあるということですね。設定では銀行員ですが、これもやはりギャップからですか。

バカリズム:  最初はOLさんって具体的にどういう職場で働いているんだろうっていうのがボンヤリとわからないままで書き始めて、そのうち途中から「じゃあ銀行員に決めよう」ぐらいの感覚だったんです。もちろん、銀行員に対しての知識も全く無く、なんとなくイメージで自分とギャップのある仕事としてこれも決めた感じでしたね。


──舞台が東京の練馬ですが、そういった細部はどの段階で作り上げたんですか。

バカリズム:  ちょっとずつ色んなエピソードを書き進めて行くうちに「ここはどうしょうか」とか、その都度考えて決めていったんですね。段々、肉付けしていって、自分の中でも明確になってきたら、結構楽しくなってきましたね。


ドラマチックに描かずにリアルに

バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

──脚本にされたときに一番意識されたことといったら?

バカリズム:  毎日、淡々と綴っているブログという形からは絶対にはみ出さないようしようと思いました。だから、必ず日付けは入れるし、その日で終わるとか。普通の日常生活ではありえないことを書くのは止めようとか。最初、ドラマ化のお話しを頂いたときに、主人公のOLを男性である僕が演じるのはどうだろうかと住田崇監督と話して決めて、それ以外はとにかくリアルに全くドラマチックに描かずにやろうって。


──ドラマ化や映画化の場合、大抵はパワーアップというかとてつもない大事件が起きたりしますよね。

バカリズム:  ドラマ、映画にするからといって、そういうのを入れた時点で、もう「架空OL日記」というタイトルを裏切ることになっちゃう。リアルじゃなくなっちゃう。このタイトルである以上は絶対に“日記”という設定は守ろうって。


OLの日常を淡々と綴る“狂気”

バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

──このブログを男性であるバカリズムさんが綴っていたということにも驚かされましたが、いまのお話にもありましたが、映像化に当たりバカリズムさん御自身が演じられるということに更に驚かされました。

バカリズム:  僕が何年にも渡って、OLさんの日常を淡々と綴るという“狂気”というか、“クレージーさ”が元々の狙いであって、それを一番面白がったのは僕自身だったんです。元々映像化は無理だろうと思っていたんですけど、「そっか、俺がやれば、まぁ成立するのか」って。だから、これ以外の手段、方法は考えられなかったですね。


──御自身の中で、バカリズムさんからOLに変わるときのスイッチみたいなものはあったのでしょうか?

バカリズム:  この作品に関しては特に無かったですね。何のスイッチも無いまま、何の緊張感も無いままで現場に入っていました(笑)。もちろん、セリフとかは覚えますけど、「よしっ!」っていう気合いをいかに入れずに、普段の日常会話をやるように心掛けていました。やっぱり、演じている感を出しちゃうと変な違和感が生まれてしまうんですよね。

バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

──あくまでも日常のリアルということにこだわったんですね。
続いてインタビュー【後編】では共演者の方とのエピソードを中心にお届けいたします。


>>後編へ続く(後編は2月29日公開!)


映画『架空OL日記』は2月28日(金)より全国ロードショー


プロフィール

バカリズム(升野英知:ますの・ひでとも)

1975年11月28日、福岡県生まれ。95年、芸人コンビ「バカリズム」を結成。コンビ解散後、05年よりピン芸人=バカリズムとして活動開始。12年に自身が監督・脚本・主演を務めたオムニバス映画『バカリズム THE MOVIE』が公開。14年には『素敵な選TAXI』で連続ドラマの脚本を初めて手掛け、役者としても出演を果たす。ドラマ『架空OL日記』では脚本・主演を務め、第36回向田邦子賞、第55回ギャラクシー賞のテレビ部門特別賞を受賞した。


作品情報

■タイトル:架空OL日記
■原作:「架空OL日記」 著:バカリズム 発行:小学館文庫 全2巻(2013年)
■配給:ポニーキャニオン/読売テレビ
■©2020『架空OL日記』製作委員会


バカリズム作『架空OL日記』インタビュー

Writing:鈴木一俊/Photo:川しまゆうこ

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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