恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説:最終話】彼との別れから1ヶ月!前に進む彼女に訪れた意識の変化

  • 更新日:2019/08/17

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前回のあらすじ:別れると決めた後、意外にも話し合いはスムーズにまとまり、そしてお互い別々の道へと進むことが決まった。 『一旦お別れ』 一旦とつけたことに心の弱さを感じるものの、大事な人であることには変わりなく、縁を切りたくはない。かといって付き合い続けることも違うと思うことから、友達に戻る努力をしてみる覚悟を持った。 明日からは別々の生活が始まり、夏美の心は後悔と未練に侵食されてしまうかもしれない。そんな不安を考えながらも、前に進むしかないと思い、明日の引っ越しへの荷造りを続けるのだった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:最終話:彼との別れから1ヶ月!前に進む彼女に訪れた意識の変化

弘と別れ、北京行きを見送ってから、3ヶ月がたった。

あっという間……と言いたいところだが、実は夏美としては「え、まだ3ヶ月?」という、時間の流れの遅さにギャップを感じてしまう事の方が多い。


最後の見送りをした時、未練や後悔が完全に断ち切れていたかと言えば嘘だ。それでも笑顔で「頑張ってね!」と言えた自分が、少しだけ誇らしかった。


正直最初の1ヶ月は、波のように感情が押し寄せる日があった。「これで良かったのか?」「別れない方が良かったのかも」「もう彼氏はできないかも」なんて、根拠のない不安と執着が何度も夏美を襲い、そのつど決断を決めたあの日に立ち返ることで、だんだんと感情の波は立たなくなっていった。

『“自分の幸せに本当に必要なものを選択していく”という勇気を持ちましょう』

別れを報告した後、チュベローズからはこんな言葉をもらった。


最初は当たり前すぎて「?」とクエスチョンマークが浮かんだけれど、そもそも弘といること、そして弘との結婚は、今の自分にとって“幸せになるために本当に必要な存在”ではなかった。それに気づいて決断するまでに、浮気の期間も含めると1年くらいかかってしまったわけで、やはり心を捉えてそのままに生きるというのは、難しいのかもしれない。


穏やかさが戻ってきた夏美の中には「まあ縁があれば戻ることもあるし、もっといい縁があるかもしれないし」といった、執着ではないフラットな前向きさがあった。

どちらにせよ、弘と一緒の未来は、感情の波が立っていようといまいと「少なくとも今じゃない」と感じる。それは幾度と無く確認し、ブレることがなかった。

だからこそ成長しなくてはいけないし、自分を知らなくてはいけない。夏美の中には、大きな意識の変化が生まれ始めていた。

第107話

西日が差し始めたオフィス街。夏美はすれ違う人の中に、ふと弘に似たような背格好の男性を見つける。

「あれ?なんで?」

そう思い目を凝らすと、やっぱりそれは違う人で、自分が一瞬「やっぱりお前を忘れられなかった」とでも言って弘が泣きついてくる妄想に酔いしれたことを、少し恥ずかしく思う。


こういった自分の妄想グセに気づけるようになったのも、一人になってからだ。妄想は現実の捉え方を大きく歪ませる。だから今はなるべく、冷静に事実を受け止め、そして心に嘘をつかない練習中だ。

「すぐ妄想するの、私の悪いクセだよね」

ははっと空に笑いを届けながら、夏美は再び歩き出す。

一歩一歩。前に前に。本当の自分で、本当に欲しい幸せを得るために。

足取り軽やかとは言えないまでも、一歩踏み出すごとに、どんどんと力強くなっていくような気がした。



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第102話:私より彼女が好き?相手の気持ちが不安なとき1番大切なこと


第103話:彼を選択するのか?しないのか?自分の心と向き合って出した答え


第104話:「私は彼を愛してる?私は彼と結婚したい?」対話の中で出した彼女の答え


第105話:北京には行かない!結婚もしない!出した答えの理由とは


第106話:一旦お別れ!別々の道を歩くことになった2人の覚悟



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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