恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#105】北京には行かない!結婚もしない!出した答えの理由とは

  • 更新日:2019/08/13

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前回のあらすじ:再び始まる話し合い。「どうするの?」という問いかけに、「正直まだ迷ってる」と、思わず弱気に対応してしまう。 一旦はセックスレスの話題に振れるものの、なんだか深まったり歩み寄ったりする気配がない。 「正直さ、俺言うほど不満もなかったわ。夏美のこと、嫌いってわけじゃないし」 嫌いってわけじゃない。その一言に、夏美の中でもう一歩踏み込まなくてはという思いが定まる。 「私、決めた。北京へは行かない。結婚も、しない」 言い終わると、少しだけスッと爽やかな風が入る感覚があった。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第105話:北京には行かない!結婚もしない!出した答えの理由とは

「行かないの?」

「行かない…かな………」

一瞬軽やかな空気になった部屋が、当然のごとく、再び重くなる。

でも夏美の心は、強く固まりつつあった。

「結婚もしないって事?」

「―――うん。今は……」

「それって、別れるってこと?」

「それは、2人で話し合って決めたほうがいいかなって思ってる」

どんよりした空気が、なんだかソレっぽい。飲み込まれそうな重たさに、夏美はハッと我に帰る。どうして…と悲観するより、大事なのは今この瞬間全力を尽くすこと。そう思い、深呼吸して向き直る。

第105話

「えっとまず、気持ち的な部分もあるんだけど、物理的な問題もあると思ってるの」

「え!?あ、うん」

「私が仕事をやめて北京について行った場合、借金がどのくらいのペースで返せるか試算してみた。そしたらさ、もう本当に月2~3万位のペースになっちゃうのね。そうすると、完済まで6年近くかかっちゃうなって思った」

「それって、私は凄く不安だし、嫌なの。物理的な理由の1つはそれ」

「……うん」

「もう1つは、気持ちの問題なんだけど……私ね……私……」

次に言いたい言葉は決まってるのに、どうしてもそれが出ない。これを言ったら関係が変わってしまうのが分かるから、言えないのだ。


「私……弘の事、愛していきたいと思ってるんだけど、どうしても心が定まらないの。でもね、話し合いをしていて、弘も私を愛してはいないんだって分かったの」

「は?俺はよくわからないけど?」

「正直、分かりやすく昔の彼女に未練があるとか言われた方が、まだ理解できた。でもそうじゃないんだよね。弘も私も、やっぱり自分の事しか見てないんだよ」

「自分??」

「そう。自分。北京で活躍する自分。人生をのびのび生きたい自分。お互いそこがベースなの。でもね、相手の事を愛していたら、自分を愛した次に、相手のためにどこまで変えられるかって、試せると思うのね。仕事を辞めるとか、海外赴任が終わるまで待つとか。セックスレスだって、どうしてそう思うかもっと話せると思うの。でもそこまで考えられないって事は、それまでなんじゃないかなって」

「………」

「これは、弘にどうこうして欲しいって意味じゃないの。私も覚悟が足りないんだって、気づいちゃったの。だから、だから…ね……」

先程の勢いとは異なり、言葉がつまり、肩が震え出す。ジワリと目に涙が溜まり、こらえてもポタポタと落ち始める。

「だから……どうするべきか、話そう……」


本当は別れよう。その一言を切り出すべきなのに、言えなかった。ヘタレな自分に、思わず「ふふっ」という落胆の混じった笑いが溢れるのだった。



NEXT ≫ 第106話:一旦お別れ!別々の道を歩くことになった2人の覚悟



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第100話:彼氏が隠していた借金の本当の理由が明かされる


第101話:起業失敗の裏にあった真実!意外すぎる彼氏の過去にどう向き合うか


第102話:私より彼女が好き?相手の気持ちが不安なとき1番大切なこと


第103話:彼を選択するのか?しないのか?自分の心と向き合って出した答え


第104話:「私は彼を愛してる?私は彼と結婚したい?」対話の中で出した彼女の答え



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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