アンダー・ユア・ベッド

痛々しくも繊細な狂気の愛を描く 『アンダー・ユア・ベッド』高良健吾さんインタビュー【前編】

  • 更新日:2019/07/12

『蛇にピアス』、『横道世之介』などで現在の日本映画界を牽引する若手俳優の代表格の一人・高良健吾さん。高良さんが最新主演作『アンダー・ユア・ベッド』で見せてくれるのは男の孤独な愛と狂気。高良さん扮する主人公・三井がある切っ掛けで、学生時代に一度だけ名前を呼んでくれた女性・千尋を追いかけることから始まる“歪んだ愛”をサスペンス・タッチで描きます。【前編】では作品への思いを伺いました。


“共感”ではなく“理解”は必要

高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──今回、演じられた三井という男性は盲目的な愛に突っ走ってしまう、悪く言えば“狂男”ですね。まずは率直にいかがでしたか?

高良健吾(以下、高良): 最初に台本を読んだとき、三井のことは純粋、ピュアな男性だなって。自分の存在を認めてもらえず生きてきた三井が、切り取られた時間でどんな風に変わっていくのか……という点にすごく興味が湧きましたね。


高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──脚本を担当された安里麻里監督は三井を、高良さんをイメージして書かれたそうですが。

高良: 僕のことが頭にあって、役のことをイメージして書いて下さったというのは、すごくありがたいことですし、嬉しかったです。ただ、孤独で偏執的というのと実際の僕は違うので、そこはちょっと複雑ではありますよね(苦笑)。


──そんな三井に対して共感出来るところはありましたか?

高良: 普段もそうですが、演じる上で“共感”というのはそんなに必要だとは思っていないんです。ただ、“理解”は必要だと思っています。だから、純粋過ぎるが故の三井の行動を“理解“しましたね。


お芝居は説明的にならないように心掛けました

高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──冒頭の登場するシーンから、三井の孤独感がスクリーンから伝わってきましたが、演じるに当たり心掛けたことは?

高良: 今回はナレーションがある分、説明的になり過ぎたらいけないなってことを意識しました。ストーリーの性格上、説明的になるとネタバレに繋がっちゃうところがあるので。安里監督とも現場でモノローグのセリフを最小限にまで削っていく作業は結構しました。それと合わせて白黒ハッキリ分けるような表現は避ける、グレーゾーンをすごく大切にしていました。

単純に、善と悪とで分けるのはもったいない、というか。そういうのじゃないところで演じたい、という思いはありましたね。安里監督の撮り方は、撮影当日に最初にその日の撮影シーンの説明をしてから始まる──という形式だったんです。


──ある意味、即興的なことが求められたと。

高良: でも、僕は即興やアドリブというのは脚本に書かれていない部分をやることだとは思わないんです。演じるということは、どんなに隠していても、やっぱりその人の“色”が出ちゃうことで、それ自体がある意味即興であってアドリブだと思うんです。


高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──そういう意味では、三井の“色”が表情で伝わる圧巻の演技でしたよね。

西川可奈子さんが演じた千尋の学生時代と現在の佇まいの変化、ギャップも“すごい”のひと言でしたね。

高良:やっぱり、西川さんの凄さというのは大熱演にならないところだと思うんですね。こういう作品だとついやり過ぎちゃうことが多いと思うんですけど、やり過ぎの一歩手前でセーブできる……その絶妙さってホントは難しいことなのにさらっとやってしまうというのはすごいことだと思いますね。


おむつを穿くシーンはオモシロいなって

高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──千尋が夫から暴力を受けるDVのシーンは思わず目を背けてしまう程ハードでしたが、実際の撮影現場ではいかがでしたか?

高良:大変さとか過酷さというのは脚本を読んで、この作品をやるぞっと決めた時点でみんなが思っていなきゃいけないことだから、現場で過激なシーンが目の前で繰り広げられても腰が引けてしまう人は誰もいなかったですね。もう、ただ演じきるだけというか。そんな中でも一番明るかったのは西川さんだったんです。それが彼女のやり方でもあったので、それはそれですごいと思いました。


──その一方でホッとするというか、思わず笑ってしまうユーモラスなシーンもありましたね。

高良:僕の中でも三井のブレーキが効かなくなった行動が愛らしく見えた瞬間っていうのはいくつかありました。例えば、千尋の家に侵入し長い時間隠れているときに尿意を憶えても大丈夫なようにおむつを穿くシーンとか。オモシロいなコイツって(笑)。


高良健吾さん_アンダーユアベッド特別インタビュー

──確かに、あのシーンはハードな場面が続く中で思わず、吹き出してしまいました(笑)。【後編】では映画に絡めて、高良さん自身の掘り下げたところに迫りたいと思います!



>>後編へ続く(後編は7月13日公開)


★映画『アンダー・ユア・ベッド』は7月19日(金)より東京・テアトル新宿 他全国ロードショー

高良健吾プロフィール

1987年11月12日、熊本県生まれ。O型。T176㎝。2006年、『ハリヨの夏』でスクリーンデビューを果たす。以降、映画を中心に活動。2012年に映画『軽蔑』での第35回日本アカデミー賞新人俳優賞と第26回高崎映画祭最優秀主演男優賞をはじめ、様々な作品で多くの賞を受賞。公開待機作に『葬式の名人』、『人間失格 太宰治と3人の女たち』、『カツベン!』などがある。


作品情報

映画『アンダー・ユア・ベッド』
出演: 高良健吾
西川可奈子/安部健一/三河悠冴/三宅亮輔
原作:大石 圭「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫刊)
映倫:R18+
配給:KADOKAWA
©2019「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会



Writing:鈴木一俊 / Photo:川しまゆうこ

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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