恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#95】『彼と私の幸せに力を注ぐ』実は簡単で難しいコミュニケーションの深め方

  • 更新日:2019/07/08

≪ 先に前回を読む

前回のあらすじ:指摘された10円ハゲを夏美はあーでもないこーでもないと確認する。それと同時に、自分は限界を向かえていたんだ……という事実が、少しだけ心を楽にさせる。 スマホを取り出しチュベローズに思いの丈を打ち込んでいく。「海外なんて無理」「借金だって残ってるのに、私が会社を辞めるのはリスクがあると思う」「セックスレスだって放置したままなんて嫌」今まで押し殺していた想いが溢れ、送信し終わると頬には涙がつたっていた。 無理していた自分をやっと感じられた安堵なのか、それとも迷いと不安なのか。答えの分からない問題を前に自分にかけるフォローの言葉が見つからないでいた。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第95話:『彼と私の幸せに力を注ぐ』実は簡単で難しいコミュニケーションの深め方

“本心”という言葉は難しい。そもそも自分はこうだと思っていた心が、

見方を変えると全く違うものに見えるからだ。


『やっと言えて良かったですね』

最初の一文を見た時、夏美は疑問よりも苛立ちを覚えていた。

なぜこのタイミングで褒められるのか。頑張れない時だから褒めようとしているのか。一呼吸置いて文章を読み進めると、やっと答えが見えてくる。

『あなたの本心が見えて、とても良かったのではと思っています。その思い、その不安、その希望、一度彼に全て打ち明けてみてはどうですか?コミュニケーションを深めるというのは、思ったことや感じたことを共有し、そこからどうするか話し合うことで生み出されるものです。希望は押し付けるのではなく、共有するものです。そこで相手に期待したり命令したりしてはいけません。それは彼も同じ。あなたは彼の希望を受け止める義務はありません。でも共有された結果、どうしたいか、どう思ったかは伝えること。これが本当の意味でのコミュニケーションなのです』


なるほどと同時に、夏美の頭には「でも嫌われたら?」とか「反発されたら?」といった疑問が浮かぶ。その答えも、続いて丁寧に書かれている。


『あなたの心が「彼との関係を良くしたい」という方向に向かっていれば、嫌われたり反発されたりしても、きっと光は見えるものです。もっと言えば、彼と自分、2人が幸せになるために全力を尽くしたいと思っていない話し合いは、どれだけ重ねてもお互い我を主張するだけで、幸せからは遠ざかるものなのです。』

そういえば結婚結婚と盲信していた頃、夏美は自分の理想と幸せばかりを考えていた。だからこそ、それに当てはまらない出来事が起きると、不安と恐ればかりが浮かび、弘に当たったり勝手な未来予想ばかりをしたりしていたっけ。

第95話

『あなたは2人の幸せのために、正しく光を照らすことができます。その光にどちらかが耐えられなかったのなら、それはご縁がなかったのかもしれないと初めて思えばいいことなのです。彼との幸せに全力を注いでください。そして正しい心で向き合って下さい』


読み終わると、なんだか心がスッと晴れていくような気がする。

私は弘の事が好き。多分。

同時に弘に対して、今まで沢山の不安を抱え、飲み込み、そしてやり過ごしてきた。このまま結婚しても、また同じ我慢を繰り返すだけな気はする。

たとえ話し合って納得いかなくて我慢をしたとしても、理解を深められた結果起きることなら、また気持ちも違うのかもしれない。

そう思ったら、「話し合わなきゃ!」という希望の炎が燃えてくる。

「神さま、どうか上手くいきますように」

夏美は深呼吸し手を合わせ、天井に向かって視線を投げかけた。


NEXT ≫ 第96話:「もしかしてマリッジブルー?」心配の裏にあるのは愛か、それとも世間体か



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第90話:聞かれて頭が真っ白に…「彼が望む幸せ」ってどこまで知ってる?


第91話:「ねえ、夢ってなに?」本音で彼に問いかけると意外な答えが…


第92話:楽しそうな彼に比例する彼女の落ち込み。なぜ一緒に幸せを感じられないのか?


第93話:友人にも言えない不安が溜まりついにカラダに変化が!?


第94話:ついにカラダにも不調が…本音を初めてぶちまけたとき思うこと



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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