恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~

【小説#88】プロポーズは嬉しいのに…日に日に不安が募る女の本心

  • 更新日:2019/06/14

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前回のあらすじ:母親に結婚を一旦は報告すると、思っていた以上に喜びの反応が返ってくる。 安心させられて良かった。その気持が広がるが、同時に中国への不安感も広がっていく。 北京の情報を集めるほど、別にワクワクはなく、なんなら面倒臭さから滅入ることが多かった。 結婚がしたかった夏美にとって、結婚が出来る状況は、もう手に入ってしまったゴールだった。だからこそ、次にほしいのは理想的な結婚生活。北京転勤や借金、セックスレスのない、安定していて安心出来る幸せな生活だ。 母親に「不安なんだけど」と伝えると、母にはイマイチ理解されていないのがよく分かる。一旦落ち着こう。頑張ろう。深呼吸しながら言い聞かせると、夏美を不安感と孤独感が包みこんでいく気がした。

恋愛パラドックス ~しんどい女子の癒し方~:第88話:プロポーズは嬉しいのに…日に日に不安が募る女の本心

マリッジブルーって便利な言葉だ。

本当に無理なことも、ちょっとした不安も、その一言で片付けられる。

この不安がどうして起きるのか盲目的にさせてくれる。


気づいたら夏美は、チュベローズの管理画面にアクセスしていた。

あんなに待ちに待っていたプロポーズだったのに、心には結婚を焦らなくていい安堵と同じくらい、これから先北京で弘とやっていけるのか、漠然とした不安があった。

自分でもそんな違和感を抱えているのがおかしくて、とにかく行動と思い、北京についていろいろ準備を初めてみる。しかし取り掛かろうとすると急激に眠くなったり、体調が悪くなったりするような気がして、“明日でいいや”をもう何回も繰り返していた。

第87話

『彼にプロポーズされました。それ自体は嬉しいのですが、日に日に不安になります。私は結婚がしたかっただけなのかもしれないって思ったら、このまま進んで幸せになれるのかなって思うんです。これからどうしていけば、私は幸せな結婚生活が送れますか?』


書いていて順序のおかしさに笑いが溢れる。プロポーズを受けた後にどうしてこんな事を聞いているのか。あんなに憧れていたはずなのに、書いた内容の9割は不安で構成されているではないか。

「めでたいはずなのにな…」

小声でつぶやくと、自分がじわじわとなにかに拘束されるような気がして、心臓がバクバクする。

その“なにか”とは、おそらく結婚という基本的には一生続く関係性だ。


テレビの中では、若手女優ができちゃった婚したというニュースが流れてくる。

「いっそ子どもでも出来てれば、私も意志が固まるのにね」

自分の意志を固めるために子を持ちたい……よく聞くセリフだけど、具体的に今弘と子どもが偶然できたとしたら、どうなるだろう。

そもそも作る前から子どもに“かすがい”を望むなんて、よく聞くセリフだけど、改めて考えるとなんて残酷で利己的なのだ。

ベストな解決策はあるのだろうか。「はあああ」という大きなため息とともに、夏美はチュベローズへの送信ボタンを押すのだった。


NEXT ≫ 第89話:聞かれて頭が真っ白に…「彼が望む幸せ」ってどこまで知ってる?



■連載を1話から読む

第1話:とにかく結婚したい!家族の輪から取り残されるのは、私が独身だから?



■恋愛パラドックス|バックナンバー

第83話:私は彼が大好き。だから結婚して幸せになりたい!の裏にあった本音


第84話:「結婚して幸せになりたい」気づいてしまった事実に、どう答えをだしたらいいのか


第85話:彼からの急なご飯の誘い、伝えられたのは想像とは違う現実


第86話:待ちわびたプロポーズに、反射的に答えられない心理とは…


第87話:「結婚することになった…でも」感じる不安はマリッジブルー?



▼前作の小説はコチラ!

第1話:行きたくない合コン!そこで待っていた地獄の時間



  • おおしまりえ (恋愛ジャーナリスト/イラストレーター)

    水商売やプロ雀士、一部上場企業などを渡り歩き、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼を磨き、ゆりかごから墓場まで関わる男女問題を研究。本人も気づかない本音を見抜く力で、現在メディアや雑誌でコラムを執筆中。

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