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キッチンは意外な落とし穴!?専門家に聞く梅雨時期のカビ対策

  • 更新日:2019/05/29

 先日沖縄で梅雨入りが発表され、関東にも長雨の気配が迫りつつあります。毎年この時期になると、カビに悩まされるご家庭も多いのではないでしょうか?

 今回取り上げるのは、そんなカビの中でも「キッチンに生じるカビ」について。エフシージー総合研究所(以下、FCG総研)の川上裕司農学博士解説による「カビとの付き合い方」をご紹介していきます。


湿気の多い日本は、カビにとって楽園!

キッチンは特にカビに注意すべき場所

 食べ物を扱うキッチンをカビから守り、衛生的に保つことは、家族の健康を維持するために極めて重要なこと。環境生物学の専門家で住宅におけるカビ研究の第一人者であるエフシージー総合研究所取締役(暮らしの科学部部長)の川上裕司農学博士は、「カビが発生する条件は、湿度が高く(80%R.H.以上)、養分が豊富。キッチンまわりは特に注意を払わなければならない」と警鐘を鳴らしています。


 そもそも日本は、一年を通じて湿度が高い国。総務省統計局の「社会生活統計指標」によると、全都道府県の一年を通じた平均湿度(2017年)は69%で、47都道府県のうち、半数を超える24府県で70%を超え、まさに「多湿列島」と言えます。


 特に、梅雨から夏場にかけての時期は、湿度・温度ともに高くなり、熱中症など人々の健康に深刻な脅威をもたらしています。日本気象協会の「7月・8月のジメ暑指数」(2016年)によると日本を代表する大都市である東京や大阪は、タイやインドネシアといった地球上で日本よりも南に位置する都市よりも蒸し暑い日があるのだそう。


 蒸し暑さに加えて、さらにキッチンでは調理の際に湿気や熱が発生し、食品素材から出る養分も豊富に存在するなど、常にカビ発生のリスクが高いと言っても過言ではありません。


大切なのはカビの完全排除よりも「繁殖させない工夫」

エフシージー総合研究所川上裕司農学博士

<エフシージー総合研究所 川上裕司農学博士>


 それでは、どのようにカビの発生を防げばいいのでしょうか?

 川上博士は、「カビの発生原因で大きいのはまず湿度。80%を超えると繁殖のスピードを加速させる」と言います。住宅の気密性が高くなっている分、換気を意識して風通しをよくするのが基本的なカビ対策となります。


 その次に大切なことは、カビを繁殖させない工夫です。キッチンまわりからカビを完全に排除することはできません。川上博士は「そもそも、醤油やみそなどの食品発酵に有益な麹菌などもカビの一種であり、生鮮野菜や果実にも必ずカビの胞子は付いているので、発芽して繁殖しないようにすることがポイント。ナス・キュウリ・トマトなどは買ってきたら収納する前に洗って汚れを取り除いておくことが大事。また、調理する際に、食材や調味料が飛び散ったりしたときには、気付いた時点で拭き取っておくという日常的な掃除がとても大切」と話しています。


 川上博士いわく「目に見える部分はサッと掃除ができるので、少し意識すればカビ対策になるが、怖いのはキッチンの『見えない部分』」なのだそう。さらに、「流し台の下は昔からカビの発生が多い場所。昔は開き扉式で、調味料のボトルなどを直接置いていたのでカビが発生しやすかったが、扉を開ければ被害を見つけやすい面もありました。今は引出し式が多いので、収納部分だけ気を取られていて、その奥のキャビネットがどうなっているか見えにくくなっています」と続けます。


 キャビネット自体は食材が入り込みにくい場所ですが、万が一入ってしまった場合は気が付きにくく、掃除もしにくいので、いつの間にかカビが生えてしまう恐れがあります。「掃除がしにくい場所では、どのような素材でキッチンが作られているか知っておいた方がいい」と川上博士。


引出し式(左)と開き扉式(右)

<引出し式(左)と開き扉式(右)>


カビの発育しにくいキッチンの素材は?

 では、見えないキャビネット部分はどんな素材がよいのか。国産メーカーのキッチンキャビネットは木製がほとんどですが、ステンレスでつくられているキッチンもあります。


キャビネットがステンレス製のキッチン

<キャビネットがステンレス製のキッチン>


 ステンレスキャビネットキッチンを主力商品とするクリナップは、自社のキャビネットに使われているステンレスと木材を用意し、材質試験を実施。ステンレスと木材に滴下したカビ胞子懸濁液から発芽・繁殖したカビの発育度合を比較しました。


 4週間後の試験結果では、ステンレス製はカビ胞子が発芽しましたが、表面で止まった状況が観察され(写真1)、一方、木材では、発芽したカビ胞子が内部へ侵入している状況が観察されています(写真2)。また、木材のほうが発育が早くなる傾向も見られたのだそう。

 この試験結果により、ステンレスと比べて木材は試験菌液が染みこみやすく、菌糸が木材内部へ侵入しやすいことが示唆されます。


▼試験結果

ステンレスと木材のカビの生えやすさの比較

<左:写真1、右:写真2>


【写真1 ステンレス試験結果 顕微鏡写真】

ステンレス製はカビ胞子(黒い点)が発芽しているが、表面で止まった状態で内部へは侵入していない状況が観察できる。

【写真2 木材試験結果 顕微鏡写真】

木材では、カビが広がっており、発芽したカビ胞子が内部へ侵入している状況が観察された。

(クリナップ株式会社調べ)



 今後家を建てたりリフォームしたりする予定のある方は、「ステンレスのほうがカビが内部に侵入しにくい」ということを覚えておくと良いかもしれません。とはいえ、キッチンは簡単に付け替えられるものではないため、日頃から換気や拭き掃除をして気持ちよくキッチンを使うことが一番のカビ対策になりそうです。



【参考】

クリナップ株式会社

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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