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子宮を守るために、20代30代女性にはHPVワクチンを接種するメリットがあります!

  • 更新日:2019/04/14

日本の20代、30代、40代の女性に子宮頸がんが増加しています。罹患(かかる)率だけでなく、死亡率も20代~40代までが増加しています。今、子宮頸がんは、数少ない予防可能ながんになりました。予防できるがんなのに、子宮を失ったり、命を落としてしまったりするのは残念でなりません。特に若い世代の子宮頸がんの予防のために有効なのは、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)です。子宮頸がん検診とHPVワクチン接種を組み合わせることで、子宮頸がんは99%予防できるがんになっているのです。


子宮頸がんは予防できます!

子宮頸がん

 子宮頸がんは、子宮の入り口である頸部の上皮(表面の細胞)に発生します。

 子宮頸がんは、20代から30代が最も多くかかるがんです。20代、30代は乳がんより、子宮頸がん(上皮内がんを含む)のほうがずっと多いのです。

 毎年約1万人の女性が新たに発症し、年間約2700人もの女性が亡くなっています*。


 子宮頸がんの初期は、自覚症状がほとんどないため、症状が現れたときには、すでにがんが進行していることが多く、子宮や卵巣の摘出手術が必要となってしまいます。

 早期発見ができれば、子宮を失わない治療ができますが、将来妊娠したときに、流産率や早産率が高まったり、不妊症になりやすいという報告もあります。


 ですから子宮頸がんにならないように、予防したいものです。

*「国立がん研究センター地域がん登録全国推計値2013年(上皮内がんを除く)」データより


頸がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です

頸がんの原因

 がんが予防できるなんて医学的にも画期的なことです。世界中100か国以上の女性たちは、検診とワクチンで子宮頸がん予防を行っています。


 子宮頸がんのおもな原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウィルス)の感染です。このHPVは、性交渉のある女性の80%以上が50歳までに一度は感染を経験すると言われているほどありふれたウイルスです。

 ですから性交渉があれば、何歳でも感染する可能性はあります。


 感染しても、多くの場合は、自然免疫で症状のないうちにHPVが排除されますが、排除されないで感染が続くと、数年から十数年かけて、前がん病変(がんに移行する前段階の病変)を経て、子宮頸がんを発症します。


ではどうやって、子宮頸がんを予防すればいいの?

子宮頸がん予防

 子宮頸がんは、「検診+ワクチン」を組み合わせることで、99%予防できることを知っていますか?


 予防のために有効なのは、「子宮頸がん検診」と「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)」を組み合わせることです。子宮頸がん検診を行うことはとても重要ですが、検診だけで子宮頸がんの予防はできません。

 

 子宮頸がん検診とHPVワクチン接種を組み合わせることで、子宮頸がんは99%予防できるがんになりました。

 子宮頸がんの原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。ワクチンでHPVを地球上からなくすことも可能になってきています。海外では、検診とワクチン接種を組み合わせることで、頸がんの死亡率も、罹患率も減ってきています。


 しかし、とても残念なことに、HPVワクチン接種は、日本だけが進んでいません。海外ではHPVワクチンの接種率は6割~9割にものぼっています。日本の接種率はわずか1%以下です*。

 

 このままでは、日本だけにHPV(ヒトパピローマウイルス)が蔓延する状況になりかねません。

*「Countries Including HPV Vaccine in their National Immunization Programs (NIPs): Year Introduced, Target Age Groups, Delivery Method, and Coverage, 2006-2015a」より


なぜ、日本でHPVワクチン接種が進まないの?

考える女性

 では、なぜ日本で子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種が進まないのでしょうか?


 HPVワクチンは、世界に遅れてやっと日本でも認可され、2013年4月、小6年~高1年の女子に無料の集団接種が開始になりました。

 ところが、ワクチン接種後の全身の疼痛や運動障害など(有害事象)がメディアで大きく報じられ、その調査のため、厚生労働省は、HPVワクチンの積極的な接種推奨を一時停止してしまったのです。


 今もこの状態が続いています。

 メディアで報じられたHPVワクチン接種後に起こった重い有害事象は、数十万から数百万回に1回というかなり稀な確率でした。そして、重い症状の多くはすでに回復しています。


 さらに後日、調査、研究を進めたところ、これらの有害事象はワクチンの中身や接種と無関係に、中高生の年齢では一定頻度で自然発生することが明らかになりました*。にもかかわらず、なぜだか厚労省はいまだに、積極的な接種推奨を再開せずにいます。


 世界が子宮頸がん撲滅へと動いている中、世界中で私たち日本女性だけが、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染のリスクを抱え、子宮頸がんにかかり、命や子宮を失うかもしれないデメリットにさらされているのです。

*「第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料」より


20代30代でもHPVワクチンは有効です

20代女性

 「すでにセックスを経験している大人の女性がワクチンを打って意味があるの?」と疑問に思う人もいると思います。

 性交渉を行なう前、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染する前の中高生の子どもたちに接種することは大事です。でも、仮にHPVに感染している20代、30代でもワクチンはメリットがあります。HPVに感染していない20代、30代は、もちろんメリットがあります。


 その理由は…。

 HPV(ヒトパピローマウイルス)は、全部で100種類以上あり、がんになるのは約15種類。そのうち、16型と18型は、日本の20代、30代が感染するHPVの約70%を占めています。

 HPVワクチンは、この16型、18型の2タイプを予防可能です。20代~30代では16型、18型両方に感染している人はほとんどいません。

 仮に、どちらかに感染していても、もう一方の感染は防げます。そして、多くのHPV感染は、免疫力で自然消滅します。ワクチンは自然消滅後の再感染を防げるのです。

 

 しかし、ほかのHPVタイプの頸がんは防げないので、検診も併せることが予防のために重要になります。


・「厚生労働省 子宮頸がん予防ワクチンQ&A」


HPVワクチン接種の相談を受けているクリニック

クリニック

 HPVワクチンは、今も希望すれば、婦人科などで接種が可能です(下記参照)。

HPVワクチンの公費助成は、小6~高1が対象です。大人の女性に対する公費助成は最初から行われていません。そのため、大人の女性へのワクチン接種は自費になります。おもに、婦人科クリニックで希望すれば、今も相談や接種が可能です。


HPVワクチンは、6か月間に3回の接種が必要。自費で接種する費用は、3回合計で約4万5千円から5万円くらいが一般的です。

全国でHPVワクチンの接種の相談にのってくれるクリニックリストは、こちらのサイトから探せます。


・「NPO法人女性医療ネットワーク」



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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