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女性ホルモンのエストロゲンの不足が不調を招いていた!?

  • 更新日:2019/04/07

更年期世代に起こりやすい不調には、女性ホルモンのエストロゲンの減少が関係しています。更年期のキーワードは、エストロゲンなのです。女性のライフサイクルに影響するエストロゲン。エストロゲンという女性ホルモンのこと、もう少し知ってみませんか? 更年期に、どうして不調が起こるのか? その原因もわかります。


更年期から不調や病気が多くなるのはエストロゲンが原因?

更年期

 プレ更年期、更年期の体調を考えるときに重要なのは、やはり女性ホルモン。この女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。

 

 エストロゲンは、卵巣から卵が育って、排卵が起こるときに出る女性ホルモンです。そして、排卵後、卵が卵巣から出ていったあとに、黄体という黄色いかたまりができ、そこから出る女性ホルモンをプロゲステロンと言います。


 注目したいのは、エストロゲンです。このエストロゲンは、女性の元気とキレイに欠かせないホルモン。だからこそ、エストロゲンの不足がさまざまな不調や病気の原因にもなってくるのです。


女性ホルモンの分泌が乱れると、自律神経もバランスを崩す!

自立神経

 エストロゲンは、そもそも女性らしい体つきをつくるのが大きな役目で、みずみずしい肌を保てるのも、エストロゲンのおかげ。

 エストロゲンが適度に分泌されていないと、肌が乾燥したり、肌荒れになったり、くすみ、しみ、しわの原因にもなります。


 前回、このエストロゲンをコントロールしているのは、大脳の視床下部にある下垂体というところだと紹介しました。

 下垂体では、体内のホルモン量を察知して、卵巣から分泌するホルモン量を調節する指令を出しています。


 この下垂体がある視床下部には、自律神経をコントロールする中枢があります。そのため、女性ホルモンの分泌のリズムが変動して大きく変化すると、近所にある自律神経の中枢も影響を受けます。

 自律神経のバランスが崩れやすくなり、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、肩こり、動悸、のぼせなどの自律神経失調症の症状が出やすくなるのです。


 ですから、女性ホルモンの分泌が乱れると、自律神経失調症の症状が起こりやすくなり、また、その逆に自律神経失調症が起こると、女性ホルモンの分泌が乱れやすくなるということもあります。


更年期の不調は、エストロゲン不足に体と心が慌てている!

エストロゲン

 多くの女性は40代に入ると、卵巣の働きが衰えて、エストロゲンの分泌量が急激に低下していきます。

 これまで正しく行われていた視床下部⇒下垂体⇒卵巣の連携が大きく崩れてしまうのです。


 脳の視床下部は、血液中に流れ込むホルモン量を常にチェックしていますから、エストロゲンが不足すれば、これに驚いて、情報を伝達する役割の“性腺刺激ホルモン”を懸命に分泌するようになります。

 脳の視床下部は、“性腺刺激ホルモン”を多く分泌することによって、卵巣に「もっとエストロゲンを出しなさい!」と矢のような催促をするのです。

 けれども、どんなに催促されても、更年期になって役割を終えようとしている卵巣は、もうその命令に応えることができません……。エストロゲンの分泌量もさらに減っていきます。


 こうした状態が続くと、視床下部は「なぜ命令に従わないの!?」と混乱し、慌てます。そして、その混乱は、同じところに中枢を持つ“自律神経”にも飛び火するのです。

 

更年期の始まりは、自律神経失調症のような症状が起こる

自律神経失調症

 自律神経は、体温、発汗、呼吸、消化、脈拍、血圧などを自動的にコントロールして一定に保つ働きをしている神経です。

 たとえば、汗をかいて体温を下げたり、緊張するとドキドキと動悸がするのも自律神経の働きです。

 その自律神経が乱れるため、暑くもないのに大汗をかいたり、じっとしていてもドキドキが起こるなど、体のあちこちに歪みが生じてきます。


 これが更年期の比較的初期に起こりやすい不調の正体。

 女性ホルモンのバランスが大きく乱れるこのころは、自律神経失調症のような、おもに血管運動神経系や精神神経系の症状(大汗、ドキドキ、息切れ、めまい、ほてり、のぼせ、冷え、イライラ、憂うつ、不眠)が現れます。


閉経したら老化に皮膚や粘膜の不調が現れる

閉経

 更年期の始まりのころの症状のほとんどは、女性ホルモン(おもにエストロゲン)のアンバランスが背景になって生じる自律神経失調が原因です。

 体がエストロゲン不足に慣れてくれば、このような自律神経失調症のような症状は、徐々に自然と納まっていきます。


 そして、閉経を迎えます。次に、閉経後から始まってくるのは、性交痛や腟炎、尿もれなど、別の不調です。これらの不調は、エストロゲンの恩恵を受けていた皮膚や粘膜の老化によって起こってきます。

 

 そのため、更年期を過ぎても続きますが、ホルモン補充療法(HRT)や漢方療法、その他の治療法で、症状を緩和することができます。エストロゲンの減少は、体の自然な変化です。治療もできます。大きな不安に感じることはありません。

 最初は急激に減少するので、体の急激な変化に驚くかもしれません。でも慣れてくれば、ちょうどいい感じに、仲良くつき合っていけます。



▼バックナンバー

・更年期のはじまりのサインとは? 症状から見る“更年期指数チェック”


・更年期は本当につらい? 更年期って何かを知れば怖くない!


・老けるのは、女性ホルモンが低下するから!?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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