妊活

「妊活に効果あり!」には要注意!その広告に根拠はある?

  • 更新日:2019/04/09

妊活や不妊治療をしている女性にとって、「どうしたら妊娠できるのか」は大きな関心ごとです。


妊娠しやすくなるための食事法や生活習慣など、できることは何にでもトライしてみたい、と考える女性は少なくないでしょう。ですが、そういった女性の気持ちに付け入り、根拠のない情報で脅して商売につなげようと考えている人も少なくありません。


今回は、「女性はこうしないと不幸になる」「〇〇をしていないのが不妊の原因」と危機感をあおるトンデモ情報の闇に迫った書籍『呪われ女子に、なっていませんか?』を参考に、偽りの情報に騙されないための基礎知識を紹介していきたいと思います。


「ケミカルナプキン」という言葉で脅す「布ナプキン至上主義」の真実とは?

妊活に効果があるという宣伝文句で販売されることも多い布ナプキン。生理痛が和らぐ、使い捨てナプキンよりもエコ、と宣伝されることも多いので、一度は使ってみようかな、と考えたことがある女性もいらっしゃるかと思います。


ただ、実際には、布ナプキンの健康や妊活に対する科学的なエビデンス(根拠)は皆無です。


布ナプキンとは? 布で作られた生理用ナプキンのこと。使用後は洗って繰り返し使う点から、エコ意識の高い女性たちのあいだで注目が集まっている。肌あたりがやさしく、使い捨ての生理用ナプキンでデリケードゾーンがかぶれがちな女性にも人気。一般的な生理用品と同様に日用品であるが、専門店などでは「生理痛が軽くなる」「生理が早く終わる」「婦人科系の疾患予防に」「妊活中の女性に人気」などの健康効果がほのめかされることもある(もちろんエビデンスはない)。機能的な素材が使われる一般的な生理用品ナプキンのことを、一部の布ナプキンユーザーは「ケミカルナプキン」とよび、そこに化学物質を嫌う価値観が表れている。(P.83)


実際に健康効果がある、というエビデンスはないにも関わらず、現在でも布ナプキンを販売する企業では、「PMSが軽くなる」「妊活に効果がある」などの宣伝文句をHPに載せているケースが多々みられます。


産婦人科医

産婦人科医の関口由紀先生は、「布ナプキンの一番の問題点は、布ナプキンを使うと生理が軽くなるとか、すべての婦人科の病気がよくなると言いすぎていること。紙ナプキンのデメリットは、強いていうなら人によってはかぶれるという点です。それ以外の問題は、ありません」(P.109)と言い切っています。


使い捨てナプキンはかぶれやすいから布ナプキンを試してみる、というのならアリですが、ありもしない健康効果を期待して面倒だと感じながらも布ナプキンを使い続ける必要はないでしょう。また、「ケミカルナプキン(使い捨てナプキン)を使うと経皮毒に汚染される!」などと宣伝しているような会社は、あなたの健康のために布ナプキンを販売しようとしているのではなく、脅すことで自社の商品を売ろうとしているだけだ、ということも認識しておく必要があるでしょう。


シルクの靴下5枚重ね履き!「冷えとり」で妊活できる?

靴下

布ナプキン以外にも、エビデンスがまったくないにも関わらず一部の女性に支持されている健康法は多々あります。そのうちのひとつが、靴下を重ね履き(特にシルクの靴下を推奨)することによる「冷えとり健康法」です。


冷えとり健康法とは? 体の冷えを追い出すと、あらゆる不調が改善するという健康法。耳鼻咽喉科の医師であった進藤義晴氏によって1980年に発案された。冷えとり健康法の考える‘冷え’とは一般的にいわれる冷え性のことではなく、「下半身は冷たく、上半身は熱い」「体の奥に冷えがたまり、表面が熱くなる」状態を指す。冷えをとるための基本ケアに、絹と綿(またはウール)の靴下を重ね履きして‘毒を出す’ことが推奨されるのが特徴である。冷えとりは万病に効果アリ!という進藤医師のお説から、不妊や弾薬、アトピー改善に役立つという話がまことしやかに広まっている(その多くは体験談のみで、もちろんエビデンスはない)。(P.111)


靴下を何枚も履いて、温まるだけならなんの問題もないのですが、問題は、(冷えをとるために真夏でも体を温めすぎたことなどが原因で起こる)体調不良が、好転反応である「めんげん」なるものだと解釈されていて、「冷えとりの過程での体調不良は、医師や薬を頼らず自然治癒するのを待つのがいい」という風潮があることです。こういった説を信じこんでしまっては、健康になるどころか、病気を悪化させてしまうことにもなりかねません。


医師の桑満おさむ先生は、「靴下重ね履きで過ごし、毎日血圧測定と採血を行いましたが、結果からお伝えしますと検査値に変化は全くあらわれませんでした」(P.134)と冷えとり健康法による効果は感じられなかったと述べています。


また、「冷えとり用と謳われるものを数種類ほど試しましたが、靴下の質そのものも、イマイチでしたね。これは本当にシルクなのか?と疑いたくなるような。(略)種類はさておき、シルクは単純に破けやすいですし、重ね履きしていればさらに摩擦が生じますから、破けるのは当然です。(注1)絹の靴下はそこそこ高価ですし、そのうえ、なかにはシルクならではの風合いすら感じられないものもある点から見ても、悪質な商売といってはいいのではないでしょうか」(P.134-136)と、冷えとり健康法を語る商売のうさんくささについても指摘しています。


注1:冷えとり健康法では、靴下が破けるのは「毒素が出た証拠」と説明されている。


さいごに。誇大広告に注意!ナチュラル好きでも、医療機関を頼るべきときはある

しいたけの中華麺

布ナプキンを愛用することや、靴下を重ね履きして体を冷やさないようにしようと心がけることは悪いことではありません。


ですが、布ナプキンや冷えとりを過信しすぎると、本当に不調になったときに病院に行くタイミングを逃し、体調が悪化してしまうという危険性もあります。

エビデンスもなく健康効果・妊活効果がある、という宣伝をしている業者に踊らされないように心がけ、「自然」を盲信しすぎず、必要なときにはきちんと医療機関を受診するようにすべきでしょう。



今回ご紹介した本

『呪われ女子に、なっていませんか?』

著者:山田ノジル

出版社:ベストセラーズ



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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