叱る親

「子どもは怒らずに叱る」の本当の意味【知っておきたかった妊娠・出産・育児のはなし#12】

  • 更新日:2019/01/28

育児をしていると、よく聞くのが「子どもは怒るのではなく、叱るべき」というお話。育児を始める前は、ピンとこないのではないでしょうか。

でも、実際に子どもを前にしてこれを言われると「ハイ!すみません!」と降伏するか、「いや、わかってるんですけどね……」とうつむくか、とにかく少なからず後ろめたい気持ちになります。もちろん、虐待などではなく、多くのお母さんがそうだと思うのです。


その理由と、本当の意味についてお話したいと思います。


「子どもを感情的に怒ってはいけない」理由

怒る親

「子どもを怒ってはいけない」というのはつまり、子どもに腹を立てて、感情的に怒ってはいけないということ。冷静に子どもと目線を合わせ、わかりやすく簡潔な言葉で何がいけないか、どうしていけなかったかを諭す。これが「叱る」ということです。


感情的に怒っても、子どもに「怒られて嫌だ、悲しい」という気持ちを植え付けるだけで、行動を改めることにはつながらないからです。


わかっていても、怒りたくなるときはある

悩む母親

と、ここまでが前提の話。わかってはいても人間ですから、ついイライラしてしまうときもあります。


たとえば、会話も普通にできる4歳の長男に、「食べ物で遊ぶな」と何度言い続けても、じっと私の目を見据えながらあえてゆっくりと食べ物を床に落としたとき。0歳の末っ子にやさしくしてほしいと言い続けても、わざと末っ子の背中を踏んだり、顔を叩いたりして、しかも得意そうな顔をしているとき。


特に、その前にさんざん悪さをされて、精神的にも肉体的にも疲れ切っているときにされると、相手がかわいい我が子であっても、いや、だからこそ、ぶわっと怒りの感情に襲われます。とにかく、その行動が悪いことだと知らしめたくて、「コラーッ!!!!」と感情を込めて大声を張り上げてしまうわけです。


では、怒った結果、どうなるか

親子

長男の場合、私が怒ると、長男も怒ってさらに悪いことをします。そのため私もさらに怒り、こじらせたあげく最終的には長男が泣き出します。そこで私も「よしよし、もうしないでね」と抱き寄せて、なぜしてはいけないことだったかを改めて諭します。そしてひと通り話し、泣き止んだ長男がひと言。


「次、怒ったら許さないからね」。


おお!!!怒られた理由も、誰が何で悪いのかも、まったく伝わってない!


長男の目から見ると、ただ「お母さんが怒って、ケンカして、仲直りした」だけなのです……。


3歳の長女の場合。長男のようにあえて人を挑発するような悪さはあまりしませんが、遊んでいて末っ子に邪魔をされてつい押してしまったり、負けず嫌いなのでお着替え競争をしていた兄に負けて、ついおもちゃで兄を殴ってしまったりすることがあります。


私も長男に対して怒るときのようにヒートアップすることはまずありませんが、ちょっと強めに「コラ!」と言っただけで、長女は泣きます。おそらく、泣いたらそれ以上怒られないことがわかっているのだと思います。で、泣き止んだあとに必ず言うのは「まーちゃんは悪いことしてないもん。ちょっと失敗しただけだもん」。うん、そうなのかもしれないけどね……。


育児を続けてきて「怒っても意味がない」と納得

子育て

というわけで、長男、長女、反応は違えど、ひしひしと感じるのは「怒ってもまるで意味がない」ということ。怒るって、すごくエネルギーがいります。どっと疲れます。でも、子ども相手だと「まったくの怒り損」となるわけです。


最初は、「怒ったら子どもがかわいそう」だから怒ってはいけないのだと思っていました。それはもちろんあります。でもそれだけではなく、怒っても意味がない分、「怒り損になる大人もかわいそう」なのです。


育児は体力勝負です。無駄なことに労力を割くのは賢明とはいえません。どうしてもイライラすることがあっても、ひと呼吸おき、怒る体力を温存して、なぜいけないのか冷静に説明したほうがよさそうです。伝わらないことも多いんですけどね(涙)。


大切なのはあきらめないこと

母親

育児書などによると、子どもに注意するときは、伝わらなくても、言い続けることに価値があるそうです。毎日毎日、1日何十回でも、何百回でも。気の遠くなる話ですが、そのうち「あっ、そうか」とわかる日が来るとのこと。あるいは、大人になってから「あ、大人が言っていたのはこういうことか」と理解すること、自分を鑑みても経験ありますよね。


同じことを何千回と言うにあたって、いちいち腹を立てていたらそれこそ身が持ちません。特に男の子では、母親が身も震えるくらい怒っていても、へっちゃらな顔して「へへーん」とふざけている、というケースが多いようです。


成長すると「納得させること」が鍵に

考える子供

長男を見ていて思うことは、子どもが成長すると、少しずつですがこっちの言いたいことを理解してくれるようになります。

たとえば、スーパーで走り回ってはいけない、というとき。「こら!やめなさい!」と大声で言うより、小声でさっと「人の邪魔になるよ」と言ったほうが、「あっ、そうだね」と理解してもらえます。親としては大声を出してでも走り回っているという状況を止めさせたいのですが、大声を出すとむしろ内容が頭に入ってこないのかな、という気もします。


なので今は、「いかにすばやく納得させられる言い方を見つけられるか」という勝負だったりします。おそらく、子どもの性格や成長段階によって、響く言葉が違うのだろうと思います。そして、同じ子でも悲しいかな、タイミングによって理解できるときと出来ないときがあります。


怒る回数が減れば、母親の自己嫌悪も少なくなる

笑顔の親子

多くのお母さんは、子どもに怒ると「また怒ってしまった……」と反省すると思います。でも、反省ばかりしているのも、精神衛生上、あまりよくないですよね。子どもには怒っても意味がないんだな、と理解していると、あきらめのようでもありますが、やはり怒る回数は減る気がします。反省しなくて済む分、気持ちはちょっと、ラクになりますよ。


というわけで、大人にも子どもにも、「子どもは怒らずに叱る」ほうがいいみたいです。「また怒っちゃったな」と反省したときには、ちょっと思い出してみてくださいね。


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  • 鈴本りえ (ライター/エディター)

    旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。

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