
こんにちは。女子カレLOVABLE編集部のアラサースタッフ・つくね丸です。
みなさん一度は「人工呼吸」「心臓マッサージ」「AED」という言葉を聞いたことがありますよね。では、『正しいやり方』はご存知でしょうか?
いざという時、何となく救命行為を行うわけにはいきませんよね。もちろん、「もしも」なんて無いに越したことはありませんが、いざという時のために、心肺蘇生とAEDの使い方を教わる救命講習を受けてきました!
まず知っておきたい、心肺蘇生とAEDの手順
まずは、基本中の基本である、心肺蘇生とAEDを使用する場合の流れがこちら。

上記の流れは大人を想定した流れです。乳児や小児を対象とする場合はこちらを参考にしてください。
【参照】日本医師会 救急蘇生法
まず驚いたのは、119番通報とAEDの手配をそれぞれ違う人にお願いしたほうがいい、ということ。確かにそのほうが効率もよくなり、蘇生措置までの時間が短縮されますよね。
急に何かを頼まれるとプチパニックになってしまう筆者は、講習を受けながら「AEDがどこにあるか分からない場合は頼まれてもしんどいな…」とドキドキしていました。そんなことにならないためにも、住んでいる街や職場付近のAED設置場所くらいは把握しておいたほうがいいかもしれませんね。
もう一つ驚いたのが『呼吸の有無を確認するとき、胸と腹部の動きを見る』ということ。ドラマや映画だと傷病者の口元に耳をあてて呼吸を確かめているイメージが強かったのですが、実際は違うんですね……。根拠もなく、なんとなくわかっている気になっていましたが、蓋をあけてみたらこんなにも知らない事だらけだったんだと、衝撃を受けたとともに少し恐怖を感じました。
5センチも沈める!? 心臓マッサージ(胸骨圧迫)を体験してみた
一通り心肺蘇生とAEDの使い方をレクチャーされ、いざ実践! マネキンを傷病者に見立てて、発見するところからAEDを使用するまでの流れを実践します。
いざ体験! …で、心臓マッサージってどこを押すの?
呼びかけ、119番通報の依頼とAEDの手配、呼吸の確認を終え、いよいよ心臓マッサージ!
……えーっと、どのあたりを押せば…?
講師のおにいさんが事前にお手本を見せてくれましたが、いざ自分でやってみるとどこを押せばいいのか、どのくらい力を入れればいいのかがサッパリ分からない!勘が悪くてすみません、おにいさん!
そこで改めておにいさんに手の組み方と位置を教わり、おそるおそる心臓マッサージを開始。
推奨される手の組み方と押す位置


【参照】日本医師会 救急蘇生法
5センチほど沈むくらいの強さでマッサージすべし
心臓マッサージを始める前に言われたのが「5センチほど沈めるイメージで押してください」ということ。
講習用の人形は、正しく押せている場合のみ「ピコッ」と鳴る仕組み。つまり、上手に5センチ押せていれば「ピコッ!ピコッ!」とリズミカルに音が鳴ります。

こちらは講師のおにいさんによるお手本。めちゃくちゃ沈んでる!!
さっそく挑戦してみたところ、ちょっと押した程度じゃ、ピ…すら言わない!
思い切ってグッと押し込んでみるとようやく「ピ…コ…」とやや手応えが。体重をかけてグッグッと押してみると、やや不恰好ではありますが「ピコ、ピコ」と鳴ってくれました。
5センチを目安に押してください、と言われてもあまりピンと来ていなかった筆者は、5センチの深さにビビリまくり&疲れまくり…。
そしてふと感じた違和感…あれ、これ完全にアバラいっちゃってますよね?
おにいさんに聞いたところ、「あー、ほとんどないですが、最悪アバラが折れるケースもありますね」と爽やかに教えてくれました。さらに、救命措置をするはずなのにアバラ折っちゃっていいんでしょうかと聞くと「確かによくはないですが、心臓が止まると脳に血液が行かなくなってどんどん状況が悪化します。それを考えればマシですよ」とのこと。
多少の犠牲はやむを得まい…っ、というセリフをどこかで聞きましたが、まさか現実世界で使う日が来るとは…。一刻を争う状況では、優先順位をはっきりさせる必要があるんですね。
真っ直ぐ押さないと内臓に負担が!?
心臓マッサージは体力勝負! ということを体感した筆者。ただし、がむしゃらに力強く押せばいいというワケではないようです。
▶筆者もやってしまった、よくある間違った心臓マッサージのやりかた
①体が斜めになる(図17)
②だんだん肘が曲がってしまう(図18)

これらのやり方は、内蔵に負担がかかってしまうんだそう。疲れてくると圧迫することを重視しすぎて腕や体の位置がおざなりになってしまいがち。
腕はまっすぐ!真上から押す!これは絶対覚えておきましょう(自戒)。
心臓マッサージは体力勝負…何人かで交代して行うべし
心臓マッサージはとにかく疲れます。特に女性が心臓マッサージを行う場合、1分でもかなり長く感じるほど。
心臓マッサージは2~3人で交代しながら行うのがセオリーです。
知らないと意外と詰む!AEDの使い方って?

心臓マッサージを体験し、いよいよAEDの出番!
パッと目に入ったのはボタンと「取る」と書いてあるフタ。
筆者:えーっと何をすれば…? フタを取る…のかな? 硬っっ!取れない…。(早くも詰んだ!?)
おにいさん:まずはボタンを押します。
筆者:なるほど…ぽちっとな。
AED:………(虚無の時間)
おにいさん:あ、長押しですね~。
筆者:!そうか、長押しか…。あ、なんか光った。
おにいさん:あとはAEDの自動音声の指示に従えばOKです。
※フタを開けると電源が入るタイプのAEDもあります。
長押しって分かりづらいよぉ…これが正直な感想。そりゃあ「ボタン押してみてダメなら長押しよ!」と、頭の回転が早ければ考えつくんでしょうが、そんなアタマを持っていない筆者は開始10秒で見事に詰みました。
雨の日は注意ってどういうこと? AEDの注意点

AEDは電気ショックを流す装置。そのため、電気の流れを塞ぐ恐れがあるものはあらかじめ取り除かなければいけないんです…と言われても正直ピンと来ないですよね。
よくある事例では、「雨などで体が濡れている」、「濃い胸毛」、「ネックレス」が要注意なんだそう。
それぞれ頻繁にあるせいか、AED側に対策が施されています。
・雨などで体が濡れている場合
⇒ AED内にタオルが入っているので、それでよく拭く
・濃い胸毛
⇒ AEDにハサミやカミソリが入っているので、それで剃る
・ネックレス
⇒ 外せる場合は極力外すようにする
講習では、講習用AEDというものを使用しているそうで、タオルやハサミは内臓されていませんでしたが、実際のAEDは体を拭くことを目的としたタオルや、毛を剃ったり服を裂いたりするための刃物が内臓されているそうです。
講習を受けていないと、使用用途がサッパリ分からないですよね。ぜひ覚えておきたい豆知識です!
意外だった「AEDから離れて」の意味
そして、もう一つ大事な注意点があります。それは、AEDの電極パッドを貼ったあとは傷病者に触れてはいけないということ。
筆者はてっきり、電流が流れていて危ないから「離れて!」と言うのだと思っていましたが、実はもっと大切な意味が!
実は、電極パッドには心電図が組み込まれており、傷病者に電極パッドを貼ると自動で心電図の解析を行います。そのため、解析中に他の人が触れてしまうとAEDが正常な判断をしない可能性があるため、「離れて!」と言うそうです。
AEDの心電図データは到着した救急隊員に渡されるため、絶対に守りたいルールですよね。
講習ってどこで受けられるの?
心配蘇生法の講習は、医師会や日本赤十字社、消防署などで受けられますが、講師のおにいさん曰く、けがの手当てなどの初心者向けから上級者向けまで幅広く学べて、比較的身近な存在である消防署での講習がオススメだそう。
・東京消防庁の救命講習一覧はこちら
東京消防庁ではケガの手当てや応急手当てなど、すぐにでも日常生活で役立つ講習も実施されています。「万が一」の状況に陥ったとき、大切な人の命を守るために、みなさんも救命講習を受けてみませんか?