女性のカラダ

「妊活、ナメてました」40歳漫画家・山猫スズメ先生インタビュー③

山猫スズメ先生インタビュー

国立社会保障・人口問題研究所が2015年行なった第 15 回出生動向基本調査(※1) によると、不妊を心配したことのある夫婦は3組に1組、子供のいない夫婦では実に55.2パーセントと半数以上が不妊について心配したことがあると報告されています。


さらに、実際に不妊の検査 や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体で 18.2%、子供のいな い夫婦では 28.2%です。つまり、子供 のいない夫婦では、実に4組に1組以上がなんらかの不妊治療を受けているという計算です。


しかし、これだけ不妊治療がスタンダードな治療になっているにも関わらず、まだまだ「悩んでいても人には相談できない」「周りに不妊治療を受けている人がいないから、治療の苦しさを共感しあえる場所がない」といった悩みを抱えている方も多いようです。


ご自身の不妊治療の実体験を綴ったマンガ『妊活、ナメてました。~37歳漫画家の子作り日記』を上梓された山猫スズメ先生は、「一人で抱え込まず、同じ経験をした人たちと語り合うことで楽になれた」と、経験者のコミュニティとつながることが有益な場合もあると語ります。


今回は、山猫スズメ先生に、これから不妊治療を始める方が知っておいた方がよいこと、について伺いました。


第一回インタビューはこちら

第二回インタビューはこちら


ツイッターで妊活アカウント開設。同じ境遇の人とつながる

山猫スズメ先生インタビュー

―妊活・不妊治療を始めたことは友達には話していましたか?


私は最初から話していました。ただ、なかなか周囲に話せなくて一人で抱え込んでしまう人もいると思います。そういう方が楽になれるように、もっと同じ立場の人でつながれる場所があるといいな、と思います。


私の場合は、ツイッターで妊活のアカウントを作ったことから、同じ境遇の人とつながることができました。オフ会にたまにいくんですけど、不妊治療の辛さを共感しあえるのもいいですし、病院によって持っている技術も違うので、貴重な情報交換の場でもあるんです。


―不妊治療で一番辛かった経験はなんですか?


やっぱり、流産ですね。最初は体外受精の流産率なんかも知りませんでしたら、本当にショックでした。


夫に話しても、男の人はやっぱり本当のところでは気持ちは理解できないんだろうな、と思ったんです。彼なりに精一杯気を使ってくれていたとは思うんですが。


実は、ツイッターの妊活アカウントを作ったのは、流産がきっかけだったんです。ほかの妊活アカウントの方と交流することで、「私と同じケースの人ってこんなにたくさんいるんだ」って思いました。体外受精をして、二度、三度と流産を繰り返す人も少なく無いということもそこで知りました。


男女での不妊治療に対する温度差

―マンガでは、不妊治療の途中で終わっていました。現在も治療は続けていらっしゃいますか?


体外受精で流産してしまった後は、hCG(妊娠中に出るホルモン)がゼロになるまで不妊治療は再開できないんです。hCGが出ていると体は妊娠しているっていう認識なので。ゼロになるまでは約3ヶ月不妊治療をお休みしていました。


流産を繰り返すと、精神的なショックもそうですが、3ヶ月は妊娠する機会がなくなってしまいます。そういった意味でも流産は繰り返してほしくないと思います。


その3ヶ月の間は、不妊専門の鍼治療に行ったりして過ごしていました。サプリメントも、たぶん、異常な量飲んでいます(笑)。


夫にも飲んでもらっているんですが、用意して「はいこれ」って渡さないと飲まないので、面倒に感じます。


―男の人の体調管理は、自分でしてほしいですよね。


本当にそうです。妊活に協力的なご主人の話を聞くと、「神かよ!」って思いますね(笑)。


男性にも不妊治療は二人でしているという意識は忘れすに持って欲しいです。

どうしても、女性側が投薬や検査が多くなるので身体への負担も増えがちですし、妊活が長引いているケースでは、それだけ“失敗体験を多く繰り返している”ということになるので、心がやられてしまっている場合もあるんです。

だからこそ奥様任せにするのではなく、治療の状況に少しでも関心を持って、奥様を気遣ってもらえたら嬉しいなと思います。


来月から新しい病院に行く予定なのですが、場所が神戸なんです。(注:山猫先生は埼玉在住)その病院にはひとりで行くつもりです。不妊治療って基本的には女の人が行けばできちゃうので、どうしても女性だけに負担がかかりがちですよね。よくないな、と思うんですけど、やっぱりそうなっちゃいますね。


次の体外受精がだめなら、もう治療はやめる

山猫スズメ先生インタビュー

―神戸の病院だとかなり遠方になると思うのですが、病院を決めたきっかけはなんですか?


前回お話した、着床前診断を実施している病院が神戸にあるんです。来月から治療を開始する予定です。


次回の体外受精がだめだったら、治療は終わりにしようと思っています。


―不妊治療を始めたのはいいけれど、やめどきを見極められないという人も多いと思います。


そうなんですよね。損切りできないというか。


私の場合、やめどきを決めた一番の原因は年齢的なものです。一度流産したあとに、別の病院で体外受精をしたんですけど、その結果がかなりボロボロで潮時かなと。あとは、お金がつきたという理由もあります。


それに、生活を変えて人に会うようになってから、自分の人生が楽しくなってきちゃたんです(笑)。子供ができなかったとしても、それはそれかな、と今は思っています。


正直、今は仕事が楽しいので、子供が欲しいと言う気持ちは弱まりつつあります。


子供ができたら、今まで通り仕事に打ち込む生活はできないですよね。仮に「いつでも子供が産める」ってなれば、「今は他にやりたいことがあるから嫌だ」というのが本音です。ただ、実際には年齢的に厳しいので、産むなら今しかない、と思い不妊治療に専念しています。


これから不妊治療を始める人に、これだけは知っておいてほしい

山猫スズメ先生インタビュー

―今から不妊治療を始める、という方に、事前に知っておいた方がいいよ、ということはありますか?


やっぱり、「着床前診断」については絶対に知っておいてほしい。若い方は必要ないかもしれませんが、30代後半の方は知っておいた方がいいと思います。


あとは、「不育症の検査」についてですね。お金はかかりますが、知っておくことで、時間のロスは少なくて済むと思います。



不妊治療の過程については、今後はツイッター(@suzumeyamaneko)でマンガを公表していこうかな、と考えています。


―山猫先生の今後のご活躍、楽しみにしております。本日は貴重なお話、有難うございました。



※1 国立社会保障・人口問題研究所 第 15 回出生動向基本調査



山猫スズメ(漫画家)

WEBコミックアクション内モンスターコミックス にて『必勝ダンジョン運営方法』のコミカライズを連載中。2018年5月に自身初の単行本となる『必勝ダンジョン運営方法』を発売。37歳で開始した妊活を赤裸々に綴ったコミックエッセイ『妊活、ナメてました。~37歳漫画家の子作り日記』はキンドルで好評発売中。

ツイッター(@suzumeyamaneko



『妊活、ナメてました。~37歳漫画家の子作り日記』

著者:山猫スズメ

出版社:株式会社ウェイブ/COMIC維新りあら





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  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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