
『「2人目の壁」から救ってくれた子どもの一言』後編 我が家の少子化対策#3
- 更新日:2018/08/02
- 公開日:2018/07/02
こんにちは、3児の母、鈴本りえです。
前回は、2人目の妊娠中から「1人育てるだけでも大変なのに、2人目なんて大丈夫なの⁉」と不安に思う「2人目の壁」を経験したことをお話しました。
そして出産時、2人目をかわいいと思えないくらい精神的に追い詰められていた私を救ってくれたのが、上の息子・たっくんの「まーちゃん(妹)、かわいいね」という無邪気な一言。「そうだよね、かわいいよね」と、落ち着きを取り戻し、子どもたちのためにがんばろう、と思えた私でしたが…。
2人育児はやっぱり大変!でも1人目の大変さ×2ではない

産後うつの危機は脱したものの、新生児と1歳8カ月の息子を抱えての新生活は、ラクではありませんでした。授乳にオムツ替えに2人の食事やお風呂、息子の外遊びの相手もしなきゃいけないし、毎日てんやわんやです。
でも、1人目育児の大変さ×2ではないことは、意外とすぐに実感しました。それは、何と言っても、新生児の子育てを経験しているから。いちいち驚いたり、圧倒されたりしなければ、精神的に参ることはありません。
そして、育児の大変さの多くは、精神的なものからくるものだと学びました。育児の大変さを、外に仕事に出ている男性がなかなか理解できないのも、そのためだと思います。
突発的に要求したり、気分が変わったりする子ども相手に右往左往して、やろうと思ったことがまったく思い通りにできずに、じわじわと鬱憤がたまっていく。しかも、1日中子どもと2人きり…。そんな「育児あるある」なストレスも、2人目なら「子どもはそんなもの」とわかっているから、おおらかに構えていられます。
普段、しっかり者で、自分で物事をコントロールできている人ほど、育児でストレスをためてしまいがちな気がします。
子どもが2人以上いると、子ども中心でしか物事は進みません。それを受け入れれば、というか、受け入れざるを得ないので、私の場合は、1人目が新生児のときほどはストレスがたまりませんでした。お世話の手間は増えますし、自分の時間は減るのですが、ストレスが少なければ、「自分の時間がほしい!」と不満に思うことも減るんですよね。
娘は比較的穏やかで、夜泣きもなく、息子とはタイプが違うことから、「子どもにも個性があって、一から十まですべて自分(母)のせいではない」とも思えるようになりました。
心配なのは常に1人目

では、子どもが2人以上いれば、子育てなんて悩みナシで楽勝かというと、もちろんそんなことはないんですよね。
息子が2歳の4月から市の幼児教室に通い始めたのですが、息子は一人だけ皆と同じことができずに走り回ったり、奇声を上げたり。止めるとかんしゃくを起こしてしまい、暴れて手がつけられなくなるのです。
3月生まれで、同学年の子と差があるのもしかたがないとも思いますが、その頃は発達障害についてものすごく調べ、かなり心配していました。病院に連れていき、そこまでの心配はないと言われても不安で、人目が気になって親子ともども自宅にこもり気味になり、反対に、私が引きこもりでいたから集団行動を苦手にさせてしまったのではと悩み、答えのないループにはまっていって…。夫や家族に「この子は大丈夫だと思うよ」と言われても、周りの声が耳に入らない状態でした。
そして、実家の母に電話をして、夏休みの帰省の相談をしつつ、「今はちょっと大変だから、助けてね」とお願いしました。母に限らず、誰かに「助けて」と本心から言ったのはこのときが初めてだと思います。「もちろんだよ」と答えてくれた母には、今でも感謝しています。
息子もその後、成長し、幼稚園ではちゃんと先生のお話を聞いて、みんなと一緒に遊べています。それでも、心配なのは常に息子。それは、1人目が成長するにあたって直面する問題は、親にとっても「常に初めて」だからかもしれません。娘が幼稚園に行く頃になれば、「幼稚園生はだいたいこんなもの」とわかっているから、もう少しゆったり構えていられると思います。
今、振り返っても、娘が生まれてから、息子が入園するまでの1年ちょっとの間が一番しんどかったなと思います。
もう少し子どもの年齢が離れていれば、上の子が落ち着いてくるし、下の子も見てくれたりして、ラクだったかな。上の子が少しでもお話できると、「大人じゃなくても会話ができるので、赤ちゃんと2人きりの閉塞感はなくなるよ」と言っていたお母さんもいます。
都会では厳しい?2人目育児の地域格差

私はなんとか乗り越えましたが、住んでいる環境によっても2人目育児のしんどさが変わってくるかな、とは思います。
私は地方住まいで、車が使えるので子連れでの移動がラク。実家は東京なので帰省するたびに思うのですが、小さい子どもを2人以上連れて混雑した電車に乗っているお母さん、お疲れ様です…!育児で大変なことの一つが、公共交通機関での移動だと思います。座らせないと「疲れたー」と母親の腕を引っ張ってぐずったり、座らせたら座らせたで、靴のまま座席に立とうとして焦ったり。
飲食店やスーパーでもそうですが、機嫌が悪くなった子どもを叱ると、さらに悪化して泣きわめいたりしますよね。叱らないと「親が何も言わないなんて」という目で見られ、厳しく叱れば「親の怒った声のほうが耳障り」と非難され、泣かれれば一発アウト…。社会は結構、子連れには厳しいと感じることもあります。そしてそれは、人が多い都心部だと、ますます大変ですよね。
子連れなんだから他の人に我慢してほしいとは言えないし、本当に嫌な思いをされる方もいるでしょう。そこは、「すみません」と声に出したり、電車なら優先席や、ベビーカーを広げたままで乗車できる優先スペースに乗るようにしたり、できるだけの努力をするしかないのかな、と思います。
反対に、子どもを2人連れて歩いていると、電車で席を譲っていただいたり、スーパーのレジでスタッフの方が籠を運んでくださったり、気遣ってもらえることも増え、ちょっとしたことでも泣きそうになるくらい、うれしいこともあります。
独身のときより、周りの人に感謝して生きているな、という実感もあり、その気持ちは、常に忘れないようにしないとな、とも思います。
さて、やさしさや気遣いではどうにもならないこともありますよね。次回は、2人目、3人目育児のお金について、お話したいと思います!
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鈴本りえ
(ライター/エディター)
旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。
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