
『「2人目の壁」から救ってくれた子どもの一言』前編 我が家の少子化対策#2
- 更新日:2019/04/19
- 公開日:2018/06/25
こんにちは、3人育児と仕事の両立に奮闘中の鈴本りえです。昨日は仕事のメールの返信中に、4歳息子のたっくんと2歳娘のまーちゃんがケンカを始め、お互い「きらいっ!」と言い合いに。仕事中だったこともあり、私は仲裁に入らなかったのですが、ほどなくして「まーちゃん、たっくんのこと好きになってきたー」「たっくんもまーちゃんのこと大好きだよ」と言って、自然に二人が仲直りしているのを聞き、内心ほっと癒された母でした。
「きょうだいってやっぱりいいな」とほっこりしつつ、そういえば娘を産んだ前後には悩んだこともあったな、と思い出し…。今回は、よく聞く「2人目の壁」について書いてみたいと思います。
1人目を出産したはいいものの、2人目となると躊躇してしまう「2人目の壁」。公益財団法人1moreBaby応援団「夫婦の出産意識調査2018」によると、既婚男女約3000名の74.3%が、2人目の壁は「存在する」と回答したそうです。その理由をママたちに聞くと、経済面の心配、仕事への影響などさまざまですが、「第一子の子育てで手一杯」「心理的な理由(特に育児のストレスなど)」と回答した人も、専業・兼業問わず4割以上と数多くいたようです。
ですよね、わかる、わかります。私の場合、1人目を産んだときから「最低でも2人、できれば3人産みたい」と思っていて、早めの家族計画を立てたため、2人目の妊娠そのものには躊躇しませんでした。とはいえ、何も不安に思わなかったわけではもちろんありません。では、私が2人目出産を前に何を不安に思い、乗り越えたのか、というと…。
初めての育児は衝撃の連続。想像以上に大変だった

今でこそ、いっちょまえに3人育児がどうのと言っている私ですが、2人目を妊娠する前、つまり1人目の産後は、ちょっと育児ノイローゼ気味な生活を送っていました。
というのも、結婚と同時に地方に移住し、すぐに1人目を妊娠したので、近くに相談できるような友人もおらず、慣れない土地でのつわりで、妊娠中から既にブルーだったんです。
そんな中、いよいよ初めての出産を迎えたわけですが、陣痛が痛すぎることに圧倒され、新生児の頼りなさにびびりまくり、初めての授乳では長年つきあってきた自分の胸から母乳が出ることや、息子がそれを飲んでいることに驚き、「私って哺乳類なんだ…」と改めて衝撃を受けたのでした。
それからの育児生活も平坦ではありませんでした。
とにかく息子に怪我をさせないように、ビクビクしながらお世話をして、夜も頻回の授乳で寝られず、疲れ切っていたと思います。息子を抱えたままベッドゲート(ベッドの両脇につける子ども落下防止のゲート)を乗り越えようと思ったときに、バランスを崩して股を強打したことも。
毎日不安過ぎて、「新宿の雑踏の中に、ベビーカーに乗せた息子を置き忘れてきてしまった、どうしよう!」なんて悪夢に苛まれたこともありました。
生後9カ月頃から、困ったのは夜泣き。灯りをつけて起こしてみるとか、テレビのザーザー音を聞かせてみるとか、いろんな方法を検索して試してみたけどどうにもならなくて、一晩中抱っこしたり…。何をしても大声で泣き続ける息子との夜が来るのが怖かった時期もあります。
不安を抱えながらの妊娠生活

とはいえ、私が1人目を出産したのは35歳。2人産むにしても、3人産むにしても、高齢出産のリスクを考えたら早いほうがいいと考え、上の子が1歳になった頃に2人目を授かりました。1人目育児が落ち着いたとはとても言えない中での妊娠。見切り発車のようでしたが、今になれば早くてよかったかもしれません。なぜなら、私にとって2人目の出産が心から不安になる「2人目の壁」は、むしろ妊娠後に訪れたからです。
それは、妊娠して1歳を過ぎた上の子が活動的になり、それにつれて悩みも増えたから。初期にはつわりに悩みながらも、できるだけ相手をしていたのですが、妊娠21週で切迫早産と診断されて自宅安静に。息子との外出は控えるようになりました。それでも、家の中で動き回る息子を追いかける毎日。お腹の中の子が大丈夫か、心配でたまりませんでした。
息子は夜もそれまで以上に寝てくれなくなり、夫にちょっと何か言われただけで「全部私のせいなの!?」とキレたり、かなり神経質になっていた私。「1人目だけでも大変なのに、2人目が生まれてこの大変さが2倍になるなんて」と不安は募る一方でした。2人目を出産したときがピークで、病院で生まれたばかりの娘を見ながら、「どうしよう、産まれてしまった、大丈夫なんだろうか」と不安におののいたことを覚えています。今思えば、産後うつのはじまりみたいなものだったのかも…。正直なところ、娘をかわいいと思えないくらい、病みかけていました。
上の子の純粋な言葉に感謝

でも、それを救ってくれたのが息子です。退院して家に帰った直後から「まーちゃん、かわいい!」と言っては、なでなでしたり、ほっぺにチューしたり。純粋に、満面の笑みで妹をかわいがる息子を見て、「うん、そうだね、かわいいね」と、心から思えたのでした。
このときに撮った、息子が娘のほっぺにチューしている写真は今でも宝物。この写真を見るたびに、危機的状況から救ってくれた息子に感謝しています。お世話ができなくても、子育てで一番大切な仕事である「愛情を注ぐ」ということについては、上の子も十分、助けになるのです。そして、育児で疲れた母親の気持ちを癒してくれるのもまた、子どもなんだな、と思います。
次回は、こうしてはじまった2人目育児についてお話します。
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鈴本りえ
(ライター/エディター)
旅・グルメ・動物・育児・住宅・ビジネスなど幅広いジャンルで執筆するライター/エディター。趣味はぐうたらしながら本を読むこと。元旅人。運動音痴。現在は地方在住、3児の母。
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