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不妊治療はなぜ高い?不妊治療に保険が適用されにくいワケ

不妊治療

日本で第一子を出産する年齢は、2011年に30歳を超えました。かつては「20代で一人目を産みたい」と考えていた女性たちが、現在では、「30代で妊娠・出産について初めて向き合う」ことも珍しくなくなっています。


医学的に高齢出産と言われる35歳以上での出産も増えていますが、女性たちがみな自然に妊娠・出産を終えている訳ではありません。不妊治療の数は増えており、それに伴って、妊活関連のビジネスも増えています。


「子供を産み、育てる」ことを望んでいる女性にとって、妊活・不妊治療にトライすることは自然なことです。ですが、不妊治療を行うには、それ相応の代償を支払う必要がでてきます。


もっとも顕著な代償は時間とお金でしょう。「子供を授かるまで、不妊治療を続ける」と決めていた場合、やみくもに不妊治療に投資することで、貯金が尽きてしまう、といったケースも考えられます。


自分で納得して不妊治療を進めていくためには、「不妊治療にはどういった方法があるのか」を自分でしっかり調べておくと同時に、「不妊治療にどれだけのお金がかかるのか」も理解しておく必要があります。場合によっては、不妊治療のためにお金を貯める必要があるかもしれません。


今回は、高額になりがちな不妊治療に保険が適用されにくい理由、について簡単に説明していきます。


不妊治療はなぜ高い? 不妊治療に保険が適用されにくい理由

治療費

「不妊治療に1千万つぎ込んだ」「不妊治療を数年間行っただけで、貯金がゼロになってしまった」という話を、風の噂で聞いたことがあるという人も多いでしょう。


医療制度が充実している日本においても、不妊治療がお金のかかる治療であることは明らかです。


現代の女性は、経済的問題やキャリアとの両立という点から、晩産になりがちです。厚生労働省が2015年に行った第15回出生動向基本調査(※1)によると、不妊を心配したことがある夫婦の割合は35パーセント、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は18パーセントと、共に前年を上回っています。


不妊の心配経験や治療経験はここ数年右肩上がりになっており、見過ごせない問題になっていることは明らかですが、不妊治療は、一部の治療を除き保険適応にはなっていません。保険が適応されないために、不妊治療のために貯金を切り崩さざるを得ない家庭も少なくありません。


ではなぜ、不妊治療のほとんどは保険適用外なのでしょうか?


平成18年には野田聖子衆議院議員が、「不妊治療を保険適用できない理由は何か?」という問題提起を行っており、(※2)それに対し当時の衆議院議長・河野洋平は以下のように回答しています。


我が国の医療保険制度においては、疾病等に対する有効性、安全性等が確立した治療を保険適用の対象としているところであり、不妊治療のうち、ホルモンの異常並びに子宮及び卵管の機能障害等の身体の異常に対する治療については、治療と疾病との関係が明らかであり、治療の有効性、安全性等が確立していることから、保険適用の対象としている。体外受精等のその他の不妊治療については、不妊の原因となる疾病の治療を目的としたものといえるかどうか、また、その成功率が必ずしも高くなく有効性が確立しているといえるかどうか等の点から、厚生労働省においては、現時点では保険適用の対象とすることは困難であると考えており、保険適用の対象とすることだけではなくその他の方策も含め引き続き検討しているところである。(※3)


つまり、体外受精等の高度な不妊治療に関しては、治療の有効性などの観点から、保険適用の対象とするのは難しいというわけです。


また、少子高齢化による医療費の高騰も、不妊治療という高額になりがちな治療を保険適用にできないひとつの理由になっていることも明らかでしょう。


厚生労働省が発表している医療費の動向をみると、平成26年に年間医療費は40兆円を超え、平成27年・平成28年も高止まりしていることが分かります。(※4)今後も老人が増え続けることを考えれば、医療費が急激に下がることは考えにくく、日本の医療保険制度を支えるために、これ以上の出費は厳しいという政府の意向も理解できるものです。


ヨーロッパの一部の国などでは、体外受精も含む不妊治療にかかる医療費を一定の年齢までは保険適用内としているケースもありますが、財源的な面から考えると、日本では不妊治療の保険適用化は、しばらくは難しいかもしれません。


さいごに

妊婦

今回は、不妊治療が高額になりがちな理由についてご紹介してきました。


体外受精などの高額な不妊治療が保険適用内になることは、しばらくはないでしょう。


ただし、国からの補助がまったく無いという訳ではありません。2004年には、厚生労働省が、不妊治療の助成金制度をスタートさせました。


次回以降で、不妊治療の助成金制度や、医療費控除など、経済的負担を最小限にして不妊治療を行うための制度を紹介していきます。



※1 第15回出生動向基本調査


※2 衆議院 不妊治療の保険適用に関する質問主意書


※3 衆議院議員野田聖子君提出不妊治療の保険適用に関する質問に対する答弁書


※4 厚生労働省 医療費の動向調査



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  • 今来 今(フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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