
女性ホルモンリズムを知って心のエネルギー切れを解消!
- 更新日:2019/10/29
- 公開日:2019/10/29
ひと月の中で心が不安定になるのはいつ?

生理前のPMS(月経症候群)期は、心が不安定になりやすい時期です。イライラしたり、落ち込んだり、不安になったり…。PMSの時期は、生理の1日目から数えて22日~28日目が目安。生理開始前の約1週間にあたります。
このPMSの時期は、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、イライラ、怒りっぽい、落ち込み、憂うつ、不眠など、精神的な症状が出やすい時期です。それに加えて、疲れる、眠い、だるい、むくむ、肌荒れなどの身体症状も起こりますから、女性にとってはつらい1週間です。
しかし、不安定なのはあなたのせいではなく、ホルモンの影響が大きいのです。自分を受け入れて、リラックスできる方法を見つけましょう。
温めて副交感神経を優位に

女性の心には、月の満ち欠けと同じリズムがあります。心がエネルギー切れを起こすのは、女性ホルモンのリズムが影響しています。
PMS期に、たとえば上司から「この仕事、今日中に!」「昨日、言ったよね!?」というようなストレスが加わると、イライラ、憂うつなど、さまざまな不調が強く出てきます。
そんなときは、脳を緩めるケアをしましょう。
女性ホルモンの指令は、脳の視床下部、下垂体から発信されています。そこを緩めるには、温めて副交感神経を優位にすること。体を冷やすとよりイライラが増します。とにかく温めて。
簡単にできて効果が高いのは、手浴や足浴です。42℃くらいのお湯に腕ならひじまで、脚ならひざ下までつけます。
5~10分でじんわり汗ばむのを感じます。オフィスの洗面所なら手首まででもOKです。
好きな香りも、脳をリラックスさせる作用があります。お気に入りのアロマオイル(精油)を1~2滴加えてみるといいでしょう。
ハーブの力でイライラ&ストレス解消

イライラは、神経が刺激されると興奮して外に向かう状態です。逆に、落ち込むのは、内側に向かう状態です。
心の症状としての現れ方はいろいろあって、向かう方向が違うだけで、どちらも“心のエネルギー切れ”なのです。
女性は、毎月の女性ホルモンの変動のせいでメンタルが不安定になりやすく、うつは男性より2倍も多いのです。
特に、生理前のプロゲステロンが多く分泌する時期に、心が不安定になります。
イライラなど心のエネルギー切れに効果的なのが、ハーブの王様「ハッカ(ミント)」です。ハッカ(ミント)の葉は生で食べても美味しいです!
精油として香りを楽しんでもいいし、お茶としてもおすすめです。朝食のトーストにオリーブオイルをかけ、生のミントの葉をのせて食べてみてください! 清涼感がお口の中に広がって、朝から前向きな気分になれます。
また、東洋のハーブでもある漢方薬のうち、「加味逍遥散」は女性ホルモンのバランスが崩れたときのイライラに効果的です。
ストレス太りが多いのもPMS期

イライラして体重が増えやすいのもPMS期です。イライラが起こりやすいのも、むくんで体重が増えやすいのも、女性ホルモンのプロゲステロンが増加し、エストロゲンが低下する生理前です。この時期にダイエットするのは、結果が出にくく、ストレスになるので控えめにしましょう。
ダイエットの最大の敵はなんでしょう?
メンタルです。イライラすると、ドカ食いしてしまったり、必要な栄養分が十分吸収されなかったり…。ダイエットを成功させるには、メンタルを安定させることが最優先です。
ストレス太りを防ぐイライラ防止食

特にPMSの時期は、要注意です。イライラを防止して、ストレス太りを防ぐために、必要な栄養素はビタミンB群+ビタミンEと良質なタンパク質の組み合わせです。
おすすめなのは、“発芽玄米”。
白米と同じように炊けて、玄米ほど固くないのが特徴です。エネルギーの燃焼を促進するビタミンB1、アンチエイジング作用のあるビタミンEが豊富です。さらに、ストレス軽減作用で知られるギャバは、白米の10倍もあります!
また、肌の老化防止や血液循環の促進、自律神経失調症の緩和効果があるガンマオリザノールというポリフェノールや、脂質の代謝をよくして脂肪肝を防ぐビタミンのイノシトールも豊富です。
発芽玄米と良質なタンパク質(大豆や魚、卵)を組み合わせれば、完璧なイライラ太り防止食になります。
また、ビタミンE豊富なアーモンドは、天然のサプリのようなもの。100g当たり約30mgもビタミンEが含まれています。
不眠に効く野菜でメンタル回復!

「疲れているのに眠れない」「夜中に起きてしまう」「眠りが浅くて寝た気がしない…」…。
特に、生理前のPMS期になると、起こりやすい不調です。
実は、睡眠のリズムは、女性ホルモンとも関係しています。ホルモンのバランスが崩れると眠りの質も落ちます。女性ホルモンは、セロトニンやメラトニン代謝にも影響しているのです。
美肌のためにも、太らない体づくりのためにも、十分な睡眠(7時間)が大切ですね。
不眠対策としては、朝同じ時間に起き太陽の光を浴びる、寝る1時間前からPCやスマフォは終了して、湯船にゆっくり浸かって軽くストレッチする、好きな香りを枕元に…などなど。
また、レタスに含まれている「ラクチュコピクリン」という成分には、鎮静作用があって、良い眠りを誘うという研究データがあります。
小さいレタスならだいたい半分、大きいレタスなら4分の1程度を食べることで熟睡効果が期待できます。
「そんなにたくさん食べられない!」という人は、スープやおひたしにすると意外とたくさん食べられます。レタスを切ったときに出てくる白い液体に含まれる苦み成分です。
レタス以外にも、玉ねぎやネギ、ニラ、ラッキョウなどに含まれているにおい成分“硫化アリル”には、不眠改善効果があります。
精神、神経を落ち着かせる鎮静作用があるのです。
食べるのはもちろん、香りにも睡眠導入効果が期待できます。カットした玉ねぎを寝室にぶら下げておくと、よく眠れるという研究もあるくらいです。
▼著者:増田美加さんの人気コラム▼
・女性ホルモンの波に合わせた荒れ肌ケア♡・妊娠していないのに生理が遅れる原因は?
・骨盤底筋群のケア【ガスケアプローチ】って知ってる?
・乳がんは身近な病気、他人事ではありません。
・≪妊活コラム≫女性ホルモンの波に合わせた荒れ肌ケア
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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